オーディオインターフェイスをリスニング用途におすすめする2つの理由(DAC/ADC)

DAC(デジタル アナログ コンバーター)は以前からCDプレーヤーをグレードアップするために利用されてきました。”PCオーディオ”といった言葉が登場するようになった頃から、PC再生を高音質化するためのアイテムとしてDACは活用されています。

しかし、PCを高音質再生できるのはDACに限ったことではありません。主に音楽制作でプロ・アマを問わず使われているオーディオインターフェイスというアイテムが存在します。

オーディオインターフェイス ≒ DAC + ADC

オーディオインターフェイスはDACの機能とADCの機能を合わせもったアイテムということができます。DACはデジタル アナログ コンバーターの略ですからADCはアナログ デジタル コンバーターです。

オーディオインターフェイスはDAC機能を持っているのでPCオーディオにも利用できるという訳です。

オーディオインターフェイスの中にはアナログ入力に加えて光、同軸、AES/EBUなどのデジタル入力を持った機種もあります。更に、入力はADC機能を持たずデジタルのみの機種も存在します。(MYTEK Liberty DACなどがこれに該当します。デジタル入力信号をUSB等を経由してPCに送り、録音することができます。)

アナログ入力に加えて光入出力2系統、同軸入出力1系統の他にもWORD CLOCK IN/OUTとデジタル入出力も盤石のApollo X6 (Universal Audio)

オーディオインターフェイス

音声入力と出力。PCとの接続はUSB、Tunderbolt、PCI Express、LAN、その他。

DAC

音声出力のみ。PCとの接続はほとんどがUSB。

PCで扱う再生メディアはデジタルデータですからこれを音として聴くためにアナログに変換するDACが有用なことは理解できますが、アナログデータをデジタルに変換する機能は音楽リスナーにとってどんなメリットがあるのでしょうか?

音楽リスナーがADCを使うメリットとは

「オーディオインターフェイスはDTM(デスクトップミュージック)等の音楽制作用のもので、リスニング用途のものではない」と思われがちですが、実はリスニング用途にも適した優れモノです。

オーディオインターフェイスはDTMに使うものだから、リスニング用途には向かないよ!

音楽は聴くだけだから録音のための音声入力機能なんて要らない。

オーディオインターフェイスは、DAC機能に加えてスピーカーリスニングの音質向上やアナログ資産のデジタル化などDACでは実現できない様々なメリットを音声入力機能によってもたらしてくれる音楽リスナーにも有用なアイテムなんです。

ルームアコースティックの状態を具体的に把握して音質向上に役立つ

メリットの一つは、ルームアコースティックを最適化(Room Correction)するための強力なツールになることです。

ルームアコースティック(音楽再生環境)を最適化するために最初にすることは現状の問題点を把握することです。実際には部屋の音響特性を測定用マイクで測定して検証します。

MEMS&Stand
測定用マイクのMEMS Microphone for ARC System – IK Multimedia

※ マイクを使うにはマイクアンプが必要ですが、多くのオーディオインターフェイスにはマイクアンプが内蔵されています。マイクアンプが内蔵されていない場合は、そのオーディオインターフェイスの入力端子(アナログまたはデジタル)に接続可能なマイクアンプを用意すればよいです。

測定用マイクで拾った基準信号(アナログ)はデジタル化してPCで解析する必要があるため、アナログ デジタル コンバーター(ADC)が必須となります。オーディオインターフェイスはアナログ デジタル コンバーター機能を持っているのでこれを使用します。

測定入門に最適な安価なオーディオインターフェイス

スピーカーで音楽を聴く場合に、最も重要でありながら見落とされているのがルーム補正です。ルーム補正については「スピーカーリスニングの音質向上に最も効果的なたった一つの方法」をご覧ください。

デジタルレコーダー

メリットのもう一つは、レコードやカセットなどのアナログ音源をPCで録音してデジタルデータ化できる点があげられます。アナログデータは必然的に経年劣化します。また、劣化を軽減させるには保管に気を配らなければなりません。デジタルデータに変換することで劣化を阻止するばかりでなくバックアップの役目も果たします。

アナログをデジタルに変換してしまうと折角のアナログの良さが失われてしまうから意味ないよ!

アナログ音声をデジタル音声に変換するために使うADC(アナログデジタルコンバーター)の性能が低ければ、アナログならではのキャラクターがスポイルされてしまいます。今日の高性能なADCを搭載したオーディオインターフェイスでデジタル化した音楽ファイルと元のアナログ音源を聴き比べてみてください。アナログの良さを引き継いだままデジタル化されていることがわかります。

録音するにはAudacityのようなPCソフトを使うのが一般的ですが、オーディオインターフェイスの中にはそれ自身で録音できてしまうものまであります。

ハイエンドオーディオインターフェイスAURORA(n)はフロントパネルにSDカードスロットを持ち、スタンドアロンでアナログ/デジタル音源を録音することができます。

アナログ/デジタル入力付きのDACでは録音できない

DAC製品の多様化によりiFi audio Pro iDSD、Nmode X-DP7などアナログ/デジタル入力付きのDACも登場してきました。
ここで気をつけたいのは、これらの製品は入力ソースをPCに送り出す機能を持っていない事です。入力ソースはあくまでもプリアンプとして音声信号をDACから出力するのみです。

Pro iDSD フロント
Pro iDSD ※入力はデジタルのみ

マスタリング グレードの高音質

「そうは言っても、やはり多機能なオーディオインターフェイスよりも単機能のDACのほうが音が良いのでは?」

そんな声も聞こえてきそうです。

マスタリング グレードを誇る Lynx Aurora(n) をはじめ多くのオーディオインターフェイスは、高音質DACに勝るとも劣らないクォリティです。

ダフト・パンクの「ランダム・アクセス・メモリーズ」のレコーディングでは Lynx Aurola(Lynx Aurora(n)の前身モデル) が使われていますし、同じく Lynx Hilo は音質に拘る多くの音楽リスナーにも愛用されている実績の持ち主です。

USB接続に限らない先進性

ホームオーディオの世界では、PCとDACを接続する方法はUSB一択の感があります。オーディオインターフェイスはUSB以外にも様々なインターフェイス(PCI Express/Ethernet/Thunderbolt等)が用いられており、中でも注目はThunderboltです。

Lynx社のオーディオインターフェイスはUSB、Thunderbolt、その他のインターフェイスのモデルがありますが、USBよりもThunderbolt接続の方が音が良いというのが定説のようです。
※私見ですが、USBに比べてThunderboltは高速で安定動作することが音質面にも良い結果をもたらしているのだろうと思っています。

ThunderboltはこれまでMacが主流でしたが、Windowsも徐々に使われ始めています。

UNIVERSAL AUDIOのApolloはプロ・アマで一番人気のオーディオインターフェイスの一つですが、PCとの接続はThunderboltのみ(USBなし)の新世代オーディオインターフェイスです。※USB 3接続でWindows専用のApollo Twin USBもあります。

Win/MacサポートのThunderbolt 3オーディオインターフェイス

Apollo X
Apollo x6

一方でUSBの安定性やノイズを問題視し、対策を施したアクセサリー類もiFi audioやTELOS Audio Designからユニークなアイテムが数多くリリースされています。

デジ/アナ入力セレクター、ボリュームコントローラー装備でプリアンプとしての使い方も

プロオーディオ用として発展し続けているオーディオインターフェイスですが、最近はホーム―ディオ用途にフォーカスした製品も登場し始めています。

KORG Nu Iはアナログ入力3系統で内1系統はフォノイコライザーを内蔵しているので、レコードプレーヤーを直接つないでPCに録音することもPCを経由せずにプリアンプとして利用することも可能です。
次世代真空管として話題のNutubeを搭載している点も大きな魅力です。

MYTEK Liberty DAC/Brooklyn DAC+/Manhattan DAC IIは名称こそ”DAC”ですが、デジタル入力をPCへ送信できるデジタル入力専用のオーディオインターフェイスです。※ADC(アナログデジタルコンバーター)を追加することでアナログ入力に対応します。
Brooklyn DAC+とManhattan DAC IIはフォノイコライザーを搭載(Manhattan DAC IIは追加オプション)しているためレコードプレーヤーを直接接続できます。

KORG、MYTEKは何れもボリュームノブで音量調整できますから、他にプリアンプを用意しなくてもアクティブスピーカーやパワーアンプに接続して利用することができます。

その他の複数系統の入力に対応したオーディオインターフェイスも入力ソースを切り換えてプリアンプとして利用できます。DACと異なりほとんどのオーディオインターフェイスにはノブ形状のボリュームコントローラーが付いています。

楽器(ギター/ベース/その他)とも相性の良いオーディオインターフェイス

Apolloシリーズに同梱されるMarshall® Plexi Classic Amplifierプラグイン

オーディオインターフェイスでエフェクター・ギターアンプ不要

オーディオインターフェイスの中には、ギター/ベースをはじめとした楽器を接続するのに適した機種もあります。オーディオインターフェイスにギターを接続すればエフェクターやギターアンプが不要になります。中でも突出しているのは、Universal AudioのApolloシリーズとIK MultimediaのAXE I/Oシリーズで入力インピーダンス特性までも考慮されています。

オーディオインターフェイスの入出力コネクター

基本的にバランス接続

オーディオインターフェイスの場合は、ホームオーディオで高級とされているバランス接続が普及機でも一般的に採用されています。普及機=アンバランス、高級機=バランスが一般的なホームオーディオとはかなり事情が異なります。

1~2万円クラスのバランス接続オーディオインターフェイス

バランスコネクターの形状

ホームオーディオのバランス接続コネクターはポータブル機を除けばほぼXLR一択ですが、オーディオインターフェイスはXLRコネクターに加えてTRSコネクター、XLRプラグでもTRSプラグでも接続できるコンボコネクター(コンボジャック)を採用したモデルが多数存在します。

TRSはヘッドホンで多く採用されている6.3mmステレオ標準コネクターをアンバランス2チャンネルとしてではなくバランス1チャンネルとして利用する方式です。

USB MIX
USB MIXの6.3mmTRSバランス出力端子
iD4 リア
iD4の6.3mmTRSバランス出力端子(左中央)

バランスケーブル

オーディオショップで両端が6.3mmTRSコネクターのバランスケーブルや6.3mmTRSとXLRコネクターのバランスケーブルの入手は困難です。

バランスケーブルのコネクター バリエーション

Hosaのプロシリーズ。コネクターにノイトリック社のブランド『REAN(リアン)』を採用し、接続機器に応じたコネクター バリエーションが用意されています。

HMIC-000
HMIC-000
HSS-000X2
HSS-000X2
HSX-000
HSX-000
HXS-000
HXS-000

ANALYSIS PLUSの多くのケーブルもコネクター形状の変更に対応しています。

XLR/XLR, XLR/TRSを選択可

関連記事:

オーディオインターフェイスと相性の良いスピーカーは?

前述のとおりにオーディオインターフェイス標準の出力はバランスです。高音質のアクティブスピーカーはエントリークラスでもバランス入力を装備しているのでパッシブスピーカーよりも好相性といえます。ホームオーディオでバランス入力対応のアンプはアクティブスピーカーと比べると高価です。

バランス入力対応のアンプ

まとめ

このように、USB DACをオーディオインターフェイスに置き換えることで次のようなメリットが生まれます。

  • ルームアコースティック改善(=音質向上)のツールとして使える
  • PCでアナログ/デジタル音源を録音できるようになる
  • コントロールセンターとしてプリアンプの役割を果たす
  • 機種によってはギターアンプ代わりにもなる

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