先日、iFi audioから発売されたばかりのZEN DACを使ってます。特徴は以下の3点。
- 低価格ながらもPCM(~384kHz)、DSD(~12.4MHz)、MQA(レンダラー方式)に対応
- ボリュームノブで可変出力(可変/固定切り替えスイッチ付)
- バランス/アンバランス出力対応
設定(ドライバーのインストール)
ドライバーのインストールはダウンロードページの案内に従ってZEN DACをPCにUSB接続した状態で、ダウンロードしたiFi (by AMR) HD USB Audio Driver 3.20.exeを実行します。
その前に、USBケーブルでZEN DACとPCを接続するとWindows標準のドライバーが自動的にインストールされるのでシステムのコントロールパネルで確認してみました。

ダウンロードしたドライバーをインストールする前にMQA対応のAudirvana 3.5.1で確認してみました。
Audirvanaのスピーカーアイコンからドライバーを確認します。
※Audirvanaについては「Audirvana:Win/Mac対応の高音質音楽再生ソフト」をご覧ください。


WASAPIの「スピーカー(iFi (by MAR) HD USB Audio)」を選択して設定画面を開くと、次の画面のとおりにSupported PCM rates:44.1から384、Supported DSD rates:DSD64, DSD128、MQAについてはMQA Rendererと表示されます。ZEN DACはDSD256にも対応していますが、この画面には表示されません。
WASAPIでの再生
ZEN DACは再生しているオーディオフォーマットによってボリュームまわりに点灯するLEDの色が変わるのでPCM(88.2k / 352.8k)・DSD(128 / 256)・MQAの5種類で確認してみました。
確認に使用した曲はHoff ensembleのアルバムPOLARITYからInnocenceです。

タグアイコン(画面右)のクリックでオーディオフォーマットを確認できます
WASAPI再生の場合、DSD256を除いてオーディオフォーマットに従ったLEDの色になりました。DSD256は本来ならLEDは青色になるはずですが黄色(PCM 176/192/353/384kHz)でした。Audirvanaの画面右下でも「32bit / 352.8kHz Stereo」と表示されているのでPCM変換して再生しているのでしょうか。

WASAPIの場合、DSD256は32bit / 352.8kHzとなりLEDは黄色
ASIOでの再生
ダウンロードしたiFi (by AMR) HD USB Audio Driver 3.20.exeを実行すると、AudirvanaのASIO一覧に「iFi (by AMR) HD USB Audio」が表示されるようになり、そこから設定を開くとWASAPIでは表示のなかったDSD256が表示されています。
ASIO Driver SetupのOpenで開く「iFi (by AMR) HD USB Audio Control Panel」の内容についてはnano iONEの記事を参照してください。
DSD256を再生すると、今度はLEDは青になり画面右下の表示もDSD256 Stereoとなりました。





MQAは、Audirvanaの設定によって下表のように再生され方が変わります。MQAをネイティブで再生するには「MQA Renderer」を選択すればよいことがわかります。
Not MQA | 32 / 88.2 kHz Stereo | LED = 緑 |
MQA Renderer | 32 / 88.2 kHz Stereo | LED = マジェンタ |
MQA Decoder | 32 / 44.1 kHz Stereo | LED = 緑 |
ASIOドライバーをインストール後のWASAPI
ASIOドライバーをインストールした後で再びWASAPIに戻してみると設定画面の様子が以前と異なっています。
Supported PCM rateから384がなくなり192までになっています。Supported DSD rateはDSD not supportedです。MQAはMQA Rendererのままです。
システムのコントロールパネルも様子が変わっていました。
入力と電源供給
ZEN DACはUSB入力のみのDACでS/P DIFなどの入力端子はありません。また電源はUSBのバスパワーでもACアダプターからも供給することができます。
製品マニュアルには以下のように記載されています。
ヒント:Zen DACは5Vで稼働します。USBバスパワーでも動作しますが、iFiの iPower 5Vといった超低ノイズ電源アダプターを使用して、電源の品質を上げることができます。
http://ifi-audio.jp/_src/6372/iFi-ZEN-DAC-Manual-Ver1.0J.pdf
アナログ出力は可変/固定、バランス/アンバランス対応
フロントパネル中央のボリュームは、リアパネルのスイッチがVARIABLEの時に有効になります(FIXEDで固定) 。 これはリアパネルのラインアウト(バランス/アンバランス共)の話で、フロントパネルのヘッドホンアウト(バランス/アンバランス共)は常にボリュームは有効です。※ヘッドホンアウトのバランスでは未確認
アンバランス出力は一般的なRCAでケーブルも付属しますが、バランス出力は4.4mmでケーブルは付属しません。バランス入力を持つ据置タイプのアンプやアクティブスピーカーは標準的なXLRが一般的で4.4mm端子を見かけることはないので、変換ケーブルが必要になります。
TOP WINGから4.4mm to XLR(オス)x 2のYケーブルが発売されたので、バランスアウトする場合はこちらを使うと良いでしょう。同様のケーブルは他に見かけませんし、見つかったとしてもバランス結線されていないものもあるようです。
※hip-dac、ZEN BlueやLotooのPAW 6000も4.4mmバランスアウトですから、一本持っておくと重宝しそうです。




ZEN DACとアクティブスピーカーでシンプルに高音質再生を実現
ボリュームコントローラーを装備したZEN DACは、アンプを内蔵した高音質アクティブスピーカーとの組み合わせに適しています。
コンパクトなシステムにしたければ、IK MultimediaのiLoud Micro Monterが最有力候補です。ウーハーとツイーターをそれぞれ内蔵の専用アンプで駆動するバイアンプ(左右で計4台分のモノラルアンプ)方式は価格を遥かに上回る音質で他を圧倒します。
ZEN DACはUSB入力専用ですからBluetoothを利用することができません。iLoud Micro MoniterはBluetoothを内蔵しているため、ZEN DACからの入力だけでなくスマホやタブレットの音楽もワイアレスで楽しむことができます。
ハイレゾを活かしきる高音質アクティブスピーカー
ZEN DACの最大の魅力はPCM、DSD、MQAとあらゆるハイレゾフォーマットに対応していることです。
この特性を活かしきるためにはスピーカーは高音質でワイドレンジである必要があります。以下のKRK、ADAM Audio、HEDD Audioのアクティブスピーカーは高音質であることは言うまでもありませんが、どの機種も40kHz以上を再生するツイーターを搭載しZEN DACのポテンシャルを十二分に発揮できる最高のパートナーです。
ZEN DACと上記のアクティブスピーカーとのバランス接続を可能とするバランスYケーブルWhite Barrel

Audirvana、TuneBrowser、JRiver Media CenterでZEN DACを使う場合のチェックポイント
ZEN DACの特徴の一つは低価格ながらもハイレゾに幅広く対応している点ですがZEN DACを使う際の再生ソフト選びも大切です。
MQA再生ならAudirvana
次世代ハイレゾフォーマットと言われているMQAをZEN DACで再生するには再生ソフトがMQAレンダラーに対応していなければなりません。AudirvanaはMQA対応アプリですからMQA再生ならAudirvana一択です。※他に選択肢が無いわけではありませんが一般的とは言い難いソフトになります
チェックポイントは、オーディオデバイス設定で「MQA Renderer」にしておくことです。
補足1)TuneBrowser、JRiver Media CenterでMQAファイル再生は可能ですが16bit44.1kHzになります。(ZEN DACのLEDが緑色)
補足2)MQAデコーダーを搭載したDACなら再生ソフトを選ばずMQAを再生できます。
DSD256、PCM384kHzは3ソフト共に対応
DSD256、PCM384kHzは3つのどのソフトを選んでも構いません。
JRiver Media Centerは、オプション > オーディオ > ビットストリーミングを「DSD」にしましょう。AudirvanaとTuneBrowserは特に設定変更しなくてもDSDを再生できるはずです。
フォーマットごとの聴き比べにはTuneBrowserが便利
MQAを除いては3つのどのソフトを使っても構いませんが、オーディオフォーマットによる音の違いを聴き比べるにはTuneBrowserが便利です。

TuneBrowserのツリービューには、はじめからフォーマット別に分類する項目があります。
JRiver Media Centerはカスタマイズすることでフォーマット別に表示できます。Audirvanaは一曲ごとに情報を確認しなければなりません。
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仕様
入力 | USB3.0 Bメス(USB2.0互換) |
フォーマット | PCM 44.1/48/88.2/96/176.4/192kHz DXD 352.8/384kHz DSD 2.8/3.1/5.6/6.2/11.2/12.4MHz MQA(レンダラー対応) |
DAC | Bit-Perfect DSD & DXD DAC by Burr Brown |
ライン・セクション | |
出力 | Audio RCA(アンバランス) 2.1V 固定 1V / 最大3.3V(可変) 4.4mm Pentaconn(バランス) 4.2V 固定 2V / 最大6.2V(可変) |
出力インピーダンス | <= 100Ω(アンバランス) <= 200Ω(バランス) |
SNR | <-116dB(A) @ 0dBFS(アンバランス/バランス) |
DNR | >116dB(A) @ -60dBFS(アンバランス/バランス) |
THD+N | <0.0015% @ 0dBFS(アンバランス/バランス) |
ヘッドフォンセクション | |
出力 | 6.3mm(アンバランス)1V / 最大3.3V 12Ω ‒ 300Ωのヘッドフォン 4.4mm Pentaconn(バランス):2V / 最大6.2V 12Ω ‒ 600Ωのヘッドフォン |
出力パワー | アンバランス > 280mW @ 32R, > 36mW @ 300R バランス > 380mW @ 50R, > 70mW @ 600R |
出力インピーダンス | <1 Ω(アンバランス/バランス) |
SNR | >113dBA(3.3V アンバランス / 6.2V バランス) |
THD+N | < 0.005% (125mW @ 32R) |
その他 | |
消費電力 | 信号なし ~ 0.5W、最大信号 ~ 2.5W |
サイズ | 158mm(長さ)×100mm(幅)×35mm(高さ) |
重量 | 491g |
保証期間 | 12 ヶ月 |
標準的な小売価格 | 18,000円(税別) |
バーコード | 5081313082483 |
付属品 | 汎用USBケーブル/RCAケーブル ※付属品はあくまで動作確認用です。よりよいサウンドで再生するためにはオーディオグレードの製品をお使い下さい |


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