ありのままのサウンドクォリティ
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スピーカーで音楽を聴きたくても生活環境等の理由でスピーカーの使用を諦めてはいませんか?そのような方におすすめするのがスピーカーの近くで聴くニアフィールドリスニングです。ヘッドホン/イヤホンでは決して得ることのない音楽の感動体験があります。

目次

イヤホンやヘッドホンを長時間使わない

make listening safe

イヤホン・ヘッドホンを長時間使うと耳に負担がかかり、ともすると聴力低下にも繋がってしまいます。

https://www.nhk.or.jp/kenko/diseaseinfo-3901/

スピーカーを使うと耳への負担を軽減できるばかりでなく、開放的でナチュラルな音楽鑑賞を楽しむことができるようになります。

スピーカーは「リラックス」、イヤフォンは「集中」。機器により音楽に求める効果にはっきりと違いが!( 詳細P.3~5)

https://jpn.pioneer/ja/corp/news/press/2010/pdf/0601-1.pdf

この点を考慮してイヤホン・ヘッドホンとスピーカーを上手に使い分けましょう!

イヤホン・ヘッドホン vs. スピーカー

ヘッドホンのメリットはいつでもどこでも手軽に音楽を聴けることで、音質面でも費用対効果はスピーカーに比べて高いと言えるでしょう。しかし、ヘッドホンは耳に圧着させて音(音楽)を聴くスタイルを強いられるため、ライブで聴くように空気を介して音(音楽)が届けられることはなく不自然な聴き方になってしまいます。音質が良くても音楽の本来持っている空気感(臨場感)は伝わっては来ない宿命にあります。

ヘッドホン
スピーカー

空気を介さないヘッドホンでは音楽の本質的な情報が受け取れない

  • リラックスにはスピーカー
  • 集中力を高めるにはイヤホン・ヘッドホン

ニアフィールドリスニングのすすめ

音量を控えるならスピーカーの近くで

とは言え自宅でのスピーカーリスニングをためらっている人も少なからずいらっしゃるのは事実です。満足できる音量では音漏れが心配、しかし音漏れしない音量では物足りない。

だったらスピーカーの近くで聴くことで小音量でも満足のいく音楽再生を楽しむことができます。ニアフィールドリスニングとは文字通りにスピーカーの近くで音楽を聴くスタイルのことを指します。

ステレオが登場した頃から何故かスピーカーは部屋いっぱいを使って左右に広げて配置されています。リスニングポジションもスピーカーから離れています。このようなレイアウトの聴き方では音量も確保しなければならないため、ボリュームを上げがちになります。映像を近くで見れば大画面になるのと同様に、音楽も近くで聴けばボリュームを絞っても満足のいく音量で聴くことが可能になります。

近くで聴けば小音量
近くで聴けば小音量で済む!しかも高音質!

スピーカーの間隔を近づけ過ぎてはステレオ感が損なわれますが、近くで聴く場合は60~70cmもあればステレオ感を十分に堪能することができます。※要はスピーカーとリスニングポジションの距離次第です。

ニアフィールド リスニングの代表例は、机にスピーカーを設置するデスクトップオーディオですが、近くで聴けばこれに限った話ではありません。

ADAM A4V

ニアフィールドの距離

明確な定義はないでしょうが、デスクトップに置いたスピーカーを聴く距離です。おおよそ70、80cm~120cm程度と考えればよいでしょう。

音質向上という嬉しい副産物

このようにスピーカーの近くで聴くことで、ステレオ感を損なうことなく満足のいく音量で、しかも周囲に迷惑を掛けることなく音楽を楽しむことができます。しかし、メリットはこればかりではなく音質的にもメリットが生じるという嬉しいおまけ付きです。

ニアフィールドは何故、音質的に有利なのか?

スピーカーに限らず部屋などの閉じた空間で聴く音(音楽)は、直接音と間接音(壁などからの反射音)の両方です。スピーカーから離れて聴くよりも近くで聴くほうがスピーカーからの直接音の割合が増えるため、音質面でダメージを受けやすい反射音の割合が少なくなることが音質向上につながるわけです。

直接音と反射音、音質への影響については「部屋の定在波対策はスピーカーの高音質化に効果絶大の最優先課題」を是非一読してください。

無駄な音が出なければ、みんなハッピー

聴いている本人にとってはニアフィールドリスニングによってダメージを受けた反射音を聴く割合は軽減されますが、反射音そのものが軽減されるわけではありません。

特に反射音によるダメージは低音が受けやすく、本来の2倍にも3倍にも増幅され騒音の大きな原因になります。低音は外に漏れやすい性質であるため、無駄に増幅された低音を正常化すれば騒音対策にもつながることになります。

無駄に増幅された低音

ルームアコースティック対策は、高音質になるばかりでなく騒音対策にもなる、一粒で二度美味しい手段です。

音痩せ?

ルームアコースティック対策をして余分な付帯音を取り除くと、”音痩せ”したと勘違いされることがあります。いつも聴いている音の一部が無くなっているのでそう感じるのでしょうが、よく聴けばどちらが本来の姿であるかは明白です。肥満体に目が慣れると標準体型も痩せて見えるのでしょうか。

ドラマGLEEのカバーは質が高い!

関連記事:高音質再生のためにやっておくべきたった一つの事:音響特性の改善

電力消費にも気配りを

自宅で音楽を聴く時間が増えると消費電力にも気を使いたいところです。特にこれから気温が上がりエアコンを頻繁に使うようになると、消費電力の高い機器の使用は避けたいものです。オーディオ機器の中でも消費電力の高いものの代表がアンプですが、特に高級なオーディオアンプの中にはびっくりするほど消費電力の高いものも存在します。省電力で高音質なクラスDのアンプは、これからますます主流になっていくことでしょう。

小音量で高音質なスピーカーとはどんなスピーカー?

通常イメージする高音質なスピーカーは、30cm以上の大口径ウーファーを搭載した大型スピーカーです。
低い周波数まで再生するには大口径ウーファーが有利ですからそう考えるのも無理はありません。

しかし、大口径ウーファーは必然的に振動板面積が大きいぶん重くなるために、高レスポンスな再生には不利となります。立ち上がりが遅く余韻も必要以上に長くなるため歯切れの悪い音になりがちです。また、少しでもレスポンスを高めるには大パワーを入力する必要があるため自ずと大音量になってしまいます。小音量で高音質には向きません。

一方で、小口径ウーファーは振動版の重量が軽くなる分だけ高レスポンスで、小音量でも小気味よく反応してくれます。低い周波数まで再生する能力として小口径ウーファーは不利ですが、7~8インチもあれば通常は満足できる低音域をカバーします。それでも低音不足と感じる場合は、パッシブラジエーター搭載機や小口径のダブルウーファー搭載機を選択することで大口径ウーファーに匹敵する低音再生能力を実現してくれます。

次の画像はパッシブラジエーターを搭載したamphion Argon3S(左)とダブルウーファーのIK Multimedia iLoud MTM(右)です。

Argon3Sは6.5inch(18cm)ウーファーとリアに搭載されたパッシブラジエーター、iLoud MTMは3.5inchが2発のダブルウーファー搭載機です。Argon3Sが幅19cm、iLoud MTMが幅13cmと低音再生能力を犠牲にせずに小型である点もメリットです。

Argon 3S
Argon3S:フロントにウーファー&ツイーター、リアにパッシブラジエーター

低音域をカバーするもう一つの方法はサブウーファーを追加することです。スピーカーを出来るだけ小型にしたい場合は、サブウーファーは有効な手段です。

ニアフィールドに適したスピーカー

一般的にデスクトップ用とされる安価で簡易的なアクティブスピーカー(PCスピーカー)では高音質なパッシブスピーカーにかないませんし、大型のパッシブスピーカーはニアフィールドでは真価を発揮できません。

それではどんなスピーカーがニアフィールドに適しているのでしょうか?

アクティブクロスオーバーを搭載した本格的なアクティブスピーカー(パワードスピーカー)や一部のパッシブスピーカーの中にはニアフィールドで聴くことを主目的としているものがあり、これらを使うことがニアフィールドで高音質再生するための近道です。

マスタリングにも使われるモニタースピーカー
ADAM S3V

画像はマスタリングスタジオに置かれたモニタースピーカーADAM S3Vです。スピーカー手前のミキシングコンソールは1m程度の奥行きですからニアフィールドリスニングであると言えます。ADAM S3Vはミッドフィールドモニターなのですが、ミッドフィールドモニターでさえもニアフィールドリスニングに使われる好事例と言えるでしょう。

モニタースピーカーは録音時の粗探しだけが目的のスピーカーではなくマスタリングにも使われる高性能高音質なスピーカーであることがわかります。

コアキシャルを進化させたIsoFlareのFyne Audioはニアフィールドにも有効

2ウェイ以上のマルチウェイスピーカーを近距離で聴く場合は、遠距離で聴く場合に比べて各スピーカーユニット間の距離が相対的に離れるために定位の面で不利になりがちです。Fyne AudioのIsoFlareを採用したスピーカーはウーファーとツイーターが同軸に配置されているため定位に優れています。従来のコアキシャル(同軸)スピーカーは音軸の一致と引き換えに鋭い指向性が余儀なくされますが、IsoFlareはこの欠点をカバーします。

おすすめのニアフィールドスピーカー

小型のスピーカーであればパッシブスピーカーであれアクティブスピーカーであれニアフィールドリスニングの対象になりますが、ここでは設計段階からニアフィールドリスニングを意識して作られた高音質なニアフィールドモニタースピーカーを紹介します。


ニアフィールドモニタースピーカーの他にもニアフィールドリスニング向けの高音質なスピーカーはありますから次の記事を参考にしてください。サイズ別にスモール:デスクトップスピーカー、ミディアム:小型スピーカー、ラージ:ブックシェルフスピーカーと便宜上名付けています。※別に明確な定義があるわけではありません。

超小型ニアフィールド用アンプ&スピーカーセット

日本の新生ブランドUSE(ユニークサウンドエクスプローラー)のTHEATER BEATは、高音質平面スピーカーユニットを搭載した幅90mmのスピーカー2台とデジタルアンプがセットになったニアフィールド用オーディオシステムです。

ニアフィールドスピーカーを高音質再生するために

ニアフィールドスピーカーを高音質で再生するためには様々な工夫が必要です。

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スピーカースタンド

スピーカースタンドは必需品と考えてください。人にとっての靴、車にとってのタイヤのような存在です。関連記事:スピーカースタンド、インシュレーターおすすめ14選

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セッティング(設置する位置)

スピーカーは置き方次第で音質はいかようにも変化します。正しいセッティングを身につけましょう。

関連記事:スピーカーを正しく設置(セッティング)して高音質化する方法

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ルームアコースティック対策

ニアフィールドリスニングに限らずスピーカーで聴く場合は、ルームアコースティック対策なしでまともな音はしません。関連記事:スピーカーの音質向上に最も効果的なたった一つの方法

関連情報

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