ADAM Audio SシリーズS2V内蔵DSPのルーム補正術

ルームコレクション(ルーム補正)は高音質に音楽再生するための最重要事項です。

通常はルーム補正に適したイコライザーが必要となりますが、ADAM AUDIOのフラッグシップであるSシリーズは内蔵DSPのイコライザーを使ってルーム補正することができます。

DSPは本体リアパネルのノブとディスプレイを使って設定することも、PC(Win/Mac)とUSB接続してリモート設定することもできます。

※PCとUSB接続してもUSBスピーカーとして利用することはできません。DSPの操作をPCの画面上でおこなうためのものです。

ADAM S Series DSP
Sシリーズのリアパネル
S2V
S2Vのリア

PCを使うと本体のみの操作に比べて格段に快適な補正ができるようになります。

S Series
S CONTROLアプリ
下段のEQ1~EQ6を使ってルーム補正が可能

ADAM Sシリーズでルーム補正する2つのメリット

ADAM Sシリーズ内蔵のDSPでルーム補正する主なメリットは2つです。

  1. ADAM Sシリーズに接続するどのようなソース(プレーヤー)でもルーム補正の対象となる。
  2. 6バンドのパラメトリックイコライザーによる柔軟なエディットと本体に3パターン保存できるユーザープリセットで、補正後の修正変更に柔軟に対応できる。

ADAM Sシリーズにはアナログ(XLR)とデジタル(AES/EBU)の2系統入力があるので、様々なソースをルーム補正した状態でリスニングできるようになります。

また、補正値を数パターン作っておいて本体に保存(最大3パターン)することで、その時々に合わせた補正を瞬時に切り換えることができる点もSシリーズでルーム補正するメリットです。イコライザーの補正値は本体メモリー以外にもファイルとして保存・読み込みできるので無限大の補正パターンを簡単に利用できます。※イコライザーで作った補正値をファイル保存するにはS CONTROLアプリを利用します。

EQ 1~ EQ 6のパラメーター

DSPのEQ 1からEQ 6までの6バンド・パラメトリック・イコライザーはすべて20Hzから20kHzまでの周波数を設定でき、Q(帯域幅)と±12dBのカット・ブーストができるためルーム補正用のイコライザーとして適しています。

以下の値を設定することができます。

Hz20,22,24,26,29,32,36,40,45,50,56,63,71,80,90,100,112,125,140,160,180,200,224,250,280,315,355,400,450,500,560,630,710,800,900,1k,1.1k,1.2k,1.4k,1.6k,1.8k,2.0k,2.3k,2.5k,2.8k,3.2k,3.6k,4.0k,4.5k,5.0k,5.6k,6.3k,7.1k,8.0k,9.0k,10.0k,11.2k,12.5k,14.0k,16.0k,18.0k,20.0k
Q 0.1~20 ※0.1~1:0.1ステップ、1~20:1ステップ
dB -12.0~12.0 ※0.1ステップ

Room EQ Wizardで測定、S Controlアプリで補正

ADAM Sシリーズに内蔵されたイコライザーを使ってルーム補正する方法は、他のイコライザーを使って補正する方法と変わりはありません。

まずRoom EQ Wizardで測定した結果から部屋の影響が大きい周波数帯域(大きなピークが発生している箇所)から順にイコライザーで逆補正を掛けていきます。※ディップに対してイコライザーでブーストはしません。特にデジタル音源の場合、ブーストすると曲のどこかでクリップしてしまう可能性があります。

※2020/8/11:測定マイクに高精度のiSEMcon EMX-7150を使って再測定、再補正した結果にアップデートしました。更に良い結果を得ることができました。

S2V補正前(左右チャンネル)

左右共に120Hz付近に最大ピーク→部屋の影響
更に、左右の周波数特性はばらついています

下のグラフは、補正前の測定結果と、S ControlアプリでADAM S2Vのイコライザーをリモートコントロールして補正した後の測定結果です。左右チャンネルごとに測定・補正しています。茶:補正前、緑:補正後

S2V左チャンネル

120Hz付近の最大ピークと共に全体の目立ったピークがとれています

S2V右チャンネル

同じく120Hz付近の最大ピークと共に全体の目立ったピークがとれています

次のグラフは、補正後の左チャンネル(緑)と右チャンネル(茶)を重ねて表示したものです。

補正によりピークが大幅に解消
また左右チャンネルの特性ばらつきも改善が見られます

補正後の音が、見通しの良いピントの合った音となったことは言うまでもありません。

参考までに、左チャンネルのイコライザー設定を掲載します。

EQ2からEQ4の3つのモジュールを使って大まかに補正しただけですが、上のグラフからもわかるようにこの程度でも十分な補正効果が音に現れています。

Sシリーズ内蔵イコライザーを使い始めたばかりですから、イコライザーの特質(特にQの効き具合)をもっと把握すればよい良い補正ができるかもしれません。

ADAM AUDIOのSシリーズは、ルーム特性にあわせて柔軟な補正カーブを描ける6バンド・パラメトリック・イコライザーを内蔵しているため別途イコライザーを用意する必要もなくシンプルにスピーカーのポテンシャルを最高の状態まで引き出すことができます。ADAM AUDIOのフラッグシップですから音質の素晴らしさはお墨付きです。

高度なEQをDSPに搭載しルーム補正に対応するADAM AudioのSシリーズ

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