オーディオのライトサイド
ADAM Sシリーズ
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正規輸入品

S SERIES – リファレンスモニターのフラッグシップ機

S Seriesは、長年にわたる自社開発によって実現した高度なエンジニアリング・イノベーションと、最先端のCADテクノロジーを駆使することで誕生したADAMのフラッグシップ・モニターです。深い帯域まで伸びたローエンドと情報量の多いミッドレンジを提供し、これまで以上にハイパワーな再生能力を持つ一方で、歪みは極限まで低減されています。通常のアナログ接続に加え、将来を見据えたデジタル接続性を備えています。

S2V
S2V
S3V
S3V
S5V
S5V
S3H
S3H
S5H
S5H
目次

ADAM AUDIO S Seriesを選ぶ理由

ADAM AUDIOのフラッグシップであるSシリーズは既に数多くの実績を持っているためかスピーカーとしての本質である音質以外の機能についてあまり多く語られていないように思います。

Sシリーズは音質ばかりでなく様々な魅力を持ったスピーカーですから、この点についてご紹介します。

  • ルームチューニング対応のDSPを内蔵
  • AES3デジタル入力
  • マウンティング・アクセサリー(S2V,S3V,S3H)
  • 5年間保証

ルームチューニング対応のDSPを内蔵

ADAM SシリーズはDSPを内蔵しておりイコライザーによるルームチューニングが可能です。

本体リアパネルのOLEDディスプレイとプッシュボタン/ロータリーエンコーダーからアクセスすることも、PC(Win/Mac)ソフトからリモートコントロールすることもできます。

本体リアパネル
本体リアパネル
S Control
S Control(PCアプリ)

ルーム・イコライザー

ロー/ハイ・シェルビングフィルターとEQ1~6(6バンド・パラメトリック・イコライザー)でルームチューニングに対応(主にパラメトリック・イコライザーを使用)

ADAM S2V内蔵DSPによるルームチューニングの記事をあわせてご覧ください。

プリセット機能

DSPはファクトリープリセット(変更不可)2種類とユーザー定義プリセット3種類を切り替えて使用することができます。※S3Hはファクトリープリセット3種、ユーザー定義プリセット2種類

ルームチューニングのためのイコライジングはユーザー定義プリセットに保存します。

次のグラフはS2Vのファクトリープリセット2種類(PureとUNR)とルームチューニングのために保存したユーザー定義プリセット USER 1の3種類を使った状態で測定した左チャンネルの結果です。※右チャンネルも3種のプリセットの差は同傾向です

周波数特性グラフ
PURE:青、UNR:茶、補正後(USER 1):緑

どうやらファクトリープリセットのUNRは、PURE(ノーイコライジング)の上下(6kHz以上と300Hz以下)を若干(1~2dB)持ち上げたもののようです。

部屋の特性を加味しての結果ですから、元々がルームアコースティック対策された部屋でない限りはファクトリープリセットの出番は無いように思います。UNR的なイコライジングは2つのシェルビングフィルターで再現できそうです。

AES3デジタル入力

Sシリーズはアナログ入力(XLRによるバランス)の他にAES3デジタル入力を標準装備しています。対応フォーマットは最大で24bit/192kHzですからDACすら不要の極めてシンプルでかつハイエンドなシステム構築が可能です。クリエイターはもとよりリスナーにとって喜ばしいことですね。

AES3の接続は左右何れかのスピーカーにソースを接続して、そのスピーカーの出力をもう片方に入力するデイジーチェーンです。それぞれのスピーカーに左信号入力、右信号入力を割り当てます。

S2Vのリアパネル。AES3のINとOUTがあります。(クリックで拡大)
その下のUSBはS CONTROLアプリ用でUSB DAC機能はありません。

S2V

S Controlアプリの使い方

S Controlは、ADAM SシリーズとPC(Win/Mac)をUSB接続してADAM SシリーズのDSPをリモート操作するためのソフトです。※左右スピーカー各々の設定で接続しなおします。

S Control
起動時の画面

4つのノブとボタンは左から順に

Input SourceAES L / Analog / AES R
入力をアナログまたはAES(デジタル)から選択します。AESの場合は、左チャンネルならAES L、右チャンネルならAES Rです。※AESはカスケード接続のためスピーカーごとにチャンネルアサインします。
Volume-60dB~+12dB
最大ボリュームをここで設定します。※音量調整はオーディオインターフェイス等のボリュームコントローラーでおこないます
Delay0mS~5mS
リスニングポジションと左右のスピーカーの距離が異なる場合にここで調整します。0.1mSステップで設定可能です。通常は0mSのままで構いません。
Active PresetPURE/UNR/User 1/User 2/User 3
ファクトリープリセットのPUREまたはUNR、ユーザープリセットのUser 1~User 3から選択します。
ActionRead / Store / Reset
Readで本体の設定値を取得して表示します。
StoreでS Controlで変更した値を本体のDSPに書き込みます。
Resetで初期状態に戻します。

4つのノブの変更はStoreによって本体に書き込まれます。アプリからの変更はリアルタイムに変更されません。

右下の「Open」でイコライザーが表示されます。

イコライザー表示

EQ1~EQ6はパラメトリックイコライザーです。適用中心周波数は何れも20Hz~20kHzで、現在のバージョンではステップ単位での指定となります。

EQ1~6のパラメーター

Hz 20/22/24/26/29/32/36/40/45/50/56/63/71/80/90/100/112/125/140/160/180/200/224/250/280/315/355/400/450/500/560/630/710/800/900/1k/1.1k/1.2k/1.4k/1.6k/1.8k/2.0k/2.3k/2.5k/2.8k/3.2k/3.6k/4.0k/4.5k/5.0k/5.6k/6.3k/7.1k/8.0k/9.0k/10.0k/11.2k/12.5k/14.0k/16.0k/18.0k/20.0k
Q 0.1~20 ※0.1~1:0.1ステップ、1~20:1ステップ
dB -12.0~12.0 ※0.1ステップ

※QはHzで指定した中心周波数からどの程度の範囲でイコライジングするかを決める重要なパラメーターです。値が大きいほど適用範囲が狭くなることに注意してください。

ルームチューニングでフラットにするためにLow ShelfとHi Shelfを使うことはあまりないと思います。最後の仕上げとして好みで調整すれば良いでしょう。

イコライザー設定はUser 1~User 3のStoreで本体に書き込まれます。

User PresetのSaveを使ってイコライザー設定をPCに保存しておくと、後から読み込むことができます。保存した設定をもう一台のスピーカーに読み込むなどの利用方法があります。

プリセットのファイル保存形式はxmlなので、複数のプリセットを比較する場合はS Controlアプリを使うよりもxmlエディタで開いた方が便利です。

nametypegainfrequenyq
User Preset 1low shelf020 
User Preset 1parametric eq-9.612513
User Preset 1parametric eq-3.620010
User Preset 1parametric eq-3.622410
User Preset 1parametric eq-2.43156
User Preset 1parametric eq-2.24506
User Preset 1parametric eq-2.414006
User Preset 1high shelf020
Excelではこのように表示されます

マウンティング・アクセサリー(S2V,S3V,S3H)

S2V,S3V,S3Hは家庭用途としては決してコンパクトサイズではないにもかかわらず、壁や天井に取り付けることのできるオプションが用意されていてフレキシブルな設置ができる点も嬉しいところです。

S Series

5年間保証

製品登録することで部品保証が5年間になる嬉しい安心サポートです。

WARRANTY

2年間の部品保証、製品登録によって5年間に延長可能

  • 最大で5年間の部品保証
  • 修理作業を含めた代理店保証は1年間

S Seriesラインナップ

S2V

S3V

S3H

S5V

S5H

製品の特長

S2VS3VS3HS5VS5H
ドイツ・ハンドメードのS-ART ツイーター
空気を4:1の比率で効率よく動かし、複雑な高域トランジェントもダイレクトに素早く再生
長時間の使用でも耳が疲れにくい
折りたたまれたダイアフラムがブレイクアップを防ぎ、ひずみを最小限に抑える
従来のピストン型のツイーターと比べ約2.5倍の有効面積があるため、優れたダイナミックレンジを実現
カスタム設計のELE低域ドライバー
Extended Linear Excursion (ELE) ドライバー
超軽量な素材、最適化された内部ダンパー、高剛性のHexaConeメンブレン、そして共鳴や歪みが極限まで押さえ込まれたフレームが、精度の高い設計で組み合わされ、高解像度かつ正確なオーディオ再生を実現
フロントに設置されたバスレフポート
コンプレッションの少ない低域再生壁面へ近接した設置も可能
最大SPL(ペア@1m)
コンパクトなサイズにも関わらず、大音量の再生でもコンプレッションとは無縁のパワフルな音
≥ 120 dB≥ 124 dB≥ 126 dB≥ 128 dB≥ 131 dB
音響的に最適化された重厚なキャビネット
不要なキャビネットの振動を防ぎ、キャビネット形状によって発生する音の回析を低減
新設計のアルミ削り出しHPSウェーブガイド新設計のアルミ削り出しHPS/MPSウェーブガイド
より広いエリアで均質な指向特性と安定した音像を実現
ミキシングコンソールや机などによって生じる一次反射を低減
カスタム設計のSMA磁気回路
Symmetrical Magnet Assembly (SMA)磁気回路
拡張されたシンメトリックな磁気フィールドがリニアでひずみの少ない駆動を可能にし、従来の設計に比べてボイスコイルの最大変位量が約3倍
インテリジェントなセルフ・クーリング設計によりパワーコンプレッション効果を抑制”
PWMとA/Bを組み合わせたアンプ構成
ウーファーの駆動に高効率なPWM ICE Power アンプ、S-ARTツイーターの駆動にはA/B級アンプを使用​
大音量でも小さ音量でもひずみの少ない再生
PWMを組み合わせたアンプ構成
ウーファー、ミッドレンジ、S-ARTツイーターの駆動に高効率なPWM ICE Power アンプを使用​
大音量でも小音量でもひずみの少ない再生
アナログXLR入力
バランス型に最適化されたライン信号入力
2年間の部品保証、製品登録によって5年間に延長可能
最大で5年間の部品保証
修理作業を含めた代理店保証は1年間
 DCHハイブリッド・ミッドレンジドーム型/コーン型のハイブリッド設計によるミッドレンジドライバー2タイプのドライバーの利点を併せ持ち、部分共振を抑制ツイーターとの統合的な設計により、非常に優れた中域の指向特性を実現
7”ウーファーを搭載した2way縦型モニター9″ウーファーと4″DCHミッドレンジを搭載した3way縦型モニター2 x 7″ウーファーと4″DCHミッドレンジを搭載した3way横型モニター12″ウーファーと4″DCHミッドレンジを搭載した3way縦型モニター2 x 10″ウーファーと4″DCHミッドレンジを搭載した3way横型モニター
​解像度の高いステレオイメージ解像度が非常に高くワイドなステレオイメージ
リニアな周波数特性
幅広い帯域で色付けのない再生能力
35Hz 〜 50kHz32Hz 〜 50kHz30Hz 〜 50kHz25Hz 〜 50kHz22Hz 〜 50kHz
カスタム設計のDSPエンジン
最適な周波数特性と最大限のダイナミックレンジを実現する理想的なクロスオーバー
部屋のアコースティック特性に最適化するためのEQオプションとプリセット機能
リミッター回路によるアンププロテクション、AES3デジタル入力、将来的な拡張のための基盤コネクタ、そしてソフトウェア・アップデートとPCコントロールを可能にするUSBコネクタ

Sシリーズ仕様一覧

 S2VS3VS3HS5VS5H
ウーファーユニット数11212
ドライバー口径7″ (178 mm)9“ (223 mm)7″ (178 mm)12“ (312 mm)10“ (265 mm)
ボイスコイル径1.5″ (39 mm)2″ (50 mm)1.5″ (39 mm)3″ (76 mm)3″ (76 mm)
コーン素材HexaCone
ミッドレンジユニット数 1
タイプ Dome / Cone Hybrid
ドライバー口径 4″ (100 mm)
ボイスコイル径 2.4″ (60 mm)
コーン素材 Carbon Composite
ウェーブガイド   MPS
ツイーターユニット数1
タイプS-ART
ダイアフラム面積4 inch² (2420 mm²)
同等ダイアフラム径2″ (56 mm)
ベロシティ変換比率4:1
ダイアフラム重量0.17 g
ウェーブガイドHPS
内蔵アンプ搭載数23434
ウーファー1212
タイプPWM
アンプ出力(RMS)300 W500 W700 W
ミッドレンジ 1
タイプ PWM
アンプ出力(RMS) 300 W
ツイーター1
タイプA/BPWM
アンプ出力(RMS)50W100 W
コントロール機能入力感度調整可
パラメトリックEQ6
ハイシェルフ・ルームEQ1
ローシェルフ・ルームEQ1
プリセット数5
ディレイ0 ms to 5 ms
入力コネクタアナログ入力XLR
入力インピーダンス48 kOhm
最大入力レベル+24 dBu
デジタルAES3
一般データパネルリア
周波数特性35Hz – 50kHz32Hz – 50kHz30Hz – 50kHz25Hz – 50kHz22Hz – 50kHz
THD > 100 Hz≤0.4 %≤0.3 %
Max. SPL (ペア@1m)≥120 dB≥124 dB≥126 dB≥128 dB≥131 dB
クロスオーバー周波数3 kHz250 Hz / 3 kHz
最大消費電力230 W550 W650 W900 W
重量11.0 kg25.0 kg26.6 kg52 kg72,6 kg
高さ mm
幅 mm
奥行き mm
346
222
338
536
293
380
280
585
380
698
390
520
430
885
500
部品保証通常2年間、製品登録で5年に延長
付属品パワーコード、マニュアル

S6X

  • ドイツ・ハンドメードの X-ARTツイーター & 2 x X-ART ミッドレンジ
  • 2 x 12“ ウーファー & 2 x 7.5″ ウーファー(ヘキサコーン)
  • アンプ合計出力:2250 W(RMS)/ 3150 W(音楽)
  • 周波数特性: 23 Hz – 50 kHz
  • Max. SPL: ≥133 dB(ペア @ 1m)

メインモニターのS6X とS7A Mk2 は、大規模なコントロールルームや映画スタジオでの使用を想定して設計されています。 左右対称の設計コンセプトを採用することにより、ADAMモニターの類い稀なるリアルな再生能力を更に高い音圧で実現することに 成功しています。音源に忠実な音楽再生を目標とするADAMの信念と一致するよう、S6XとS7A Mk2ではメインモニターでよくみられる 低域の過度な強調は避けられています。また、水平面での広い指向性と垂直面における若干狭めの指向性を狙うことによって、天井、 フロア、ミキシングコンソールからの反射を減少させることに成功し、大音量でもニュートラルなサウンド再生を実現しています。

進化したD‘Appolitoデザイン

S6XとS7AMk2 の重要な特徴 の1つとして、進化したD’Appolito Arrayとも言える水平対称なドライバーの配置が挙げられます。 7つのドライバーユニットの配置は、キャビネットのサイズを考慮しながらユニット間でのスムーズな帯域の移行が可能となるよう設計されています。 これに適切なクロスオーバー周波数とフィルタースロープの設定が組み合わされることで、リスニングポジションにおいて非常に安定した再生特性を 持つ指向特性が実現されています。また、垂直軸の放射角を絞ることによって天井、床、そしてミキシングコンソールからの反射が大幅に低減され ていますので、いわゆる「初期反射音」がモニタリング音に干渉することが少なくなり、より優れたステレオ音像と立体的な音の再生を提供します。

インパルス・カップリング

アルミニウムのハニカムコアを持つ高剛性素材Alucore®パネルの採用により、製品開発における更なる進化が成し遂げられました。S6XおよびS7A Mk2では、 すべてのドライバーユニットがこのAlucore®パネルにマウントされています。著しく高い剛性を誇るこのハニカム・プレートは音響的にデッドな特性を持ち、ドライバー とキャビネットの接合部として非常に優秀な機能を果たしています。

​S6X – 精度とパワーを併せ持つ

革新的なアプローチと音に関連するすべての領域に対する妥協のない取り組みにより、S6Xは現在入手 可能なアクティブモニタースピーカーの中でも最も大型かつ高性能な製品の一つであると言えます。ドライバー を水平対称に配置し、ダイアフラムの面積を十分に確保したことにより、非常にフラットな周波数レスポンスと 極めてリアリスティックなダイナミクス表現を全周波数帯域において可能としています。また、様々なルームアコー スティックや個人の嗜好に細かく適応できるよう、フロント側に充実したコントロールパネルが設備されています。

アンプ

内蔵されているアンプはアクティブ技術の利点を損なわないよう、各ドライバーと最大限ダイレクトに接続されています。 2つの12インチウーファーにはそれぞれ500Wのアンプが割り当てられており、その他の帯域を担当するユニットにはそれぞれ 250Wのアンプが割り当てられています。S6Xメインモニターは非常に高い精度と桁外れなパワー兼ね備えており、圧迫感や 耳障りな感じを与えることなく最大音圧レベル130dBを達成することが可能です。S6Xは大きな空間を持つコントロールルーム、 音楽スタジオ、またフィルムスタジオに最適な製品です。

コントロールパネル

フロントパネルに設けられたコントロール機能は、メインモニターのコントロール性を新たな段階へと導きます。 ±10dBのインプット・ゲインの他に、4種類のドライバーそれぞれを個別に調整することが可能なレベル コントロール、周波数スペクトラム両側の各シェルビングフィルター、そしてコントロールルーム内の定在波を 補正する3バンドパラメトリックEQが設備されています。パラメトリックEQは、全体のエフェクトと元の信号を 直接比べることができるよう、個別またはグループとしてバイパスさせることが可能です。

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