iLoud MTM:天才ミニスピーカーで最高の音楽体験を

高音質スピーカーだからといって設置しただけではそのスピーカーのポテンシャルを発揮することはできません。スピーカーを置く位置やルームアコースティック対策をする必要があります。

IK MultimediaのiLoud MTMは、設置状況に応じて自身のポテンシャルを最大限に引き出す機能を内蔵した新世代のアクティブスピーカーです。

レイアウトフリーなコンパクトスピーカー

手前:iPad mini、奥:23inchディスプレイ

サイズは写真を見てのとおりで、弟分のiLoud Micro Monitorよりは大きいですがそれでも264 mm(H) x 160 mm(D) x 130 mm(W)とコンパクトなスピーカーです。幅僅か130mmはデスクトップはもとより、テレビの両サイドにも置きやすいサイズです。

容易に最適レイアウトできる親切デザイン

側面の写真のとおり、基本的にはスピーカーに付属のスタンドを取り付けて使います。このスタンドが優れモノで、耳の方向にスピーカーが向くように仰角を調整できます。

デスクトップに設置したスピーカーで机の上に直置きしているのでは?と思うような写真をよく見かけますが、スピーカーの振動が机にもろに伝わりますし机の天板の反射音が発生し音を濁らせるので最優先で避けたいところです。iLoud MTMなら専用スタンド付属で振動も反射も心配いらずです。

また、別売りのインシュレーターを使って直置きは避けているけれど、スピーカーが耳の方向に向いていない(胸やおなかあたりに向いている)場合がほとんどです。特に高い音は指向性が狭く高域不足になるためスピーカーは耳の方向に向けるのが原則ですが、通常のスピーカーではなかなか上手くセッティングできません。

もしもスピーカーが耳の方向を向いていなければ、反対に耳の方向になる位置に体を動かして聴いてみてください。高音が良く聴きとれるようになるはずです。

iLoud MTMは低い位置に設置しても上方向に傾けられるので耳の方向に向けることが容易です。この他にもマイクスタンドに取り付けるためのネジ穴があるのでスピーカーを自由な高さに設置することができます。

スピーカーを横置きする場合に備えて、横置き用にスピーカーの下に敷くパッドまで付属しています。

このように使う人のことを熟慮した親切デザインのコンパクトスピーカーです。

マニュアルから拝借しました
左:付属スタンドとマイクスタンドのネジ穴2つ。
右:付属スタンドを取り付けた状態。レールで仰角を調整

iLoud MTMは上下左右にシンメトリーなバーチャル同軸スピーカーですから横置きにしても性能を損なうことはありません。

横置きのために付属するパッド

ARC内蔵:カメラに例えればオートフォーカス

iLoud MTMの機能やスペックについてはiLoud MTMの商品ページに譲るとして、ここでは注目の機能であるARCについて見ていくことにします。

カメラではオートフォーカス機能は今や当たり前です。ピントの合っていない写真はいただけません。音楽再生も写真同様にピントのあっていない音はいただけませんが現実にはピンぼけの音で聴いています。

※ピントの合っていない音とは一言で表現すると”ベールをかぶった不鮮明な音”です。どんなに高級なスピーカーでもピントを合わす機能を持っているものは数えるほどしか存在しません。詳しくは「フォーカスの合った音ってどんな音?」を参照してください。

ホームオーディオで広く使われているパッシブスピーカーにオートフォーカス機能を持たせることは機構上不可能です。アンプ内蔵のアクティブスピーカーなら可能ですが、そんな機能を持ったアクティブスピーカーは高価なものの中に僅かに存在するのみです。

ARC(Advanced Room Correction)は、ルームアコースティックを最適化するIK Multimediaの実績ある技術で既にPCアプリケーションとして提供されていますが、iLoud MTMには何とこのARCが内蔵されています。しかも簡単操作で瞬時に最適化してくれる点でPCアプリケーション版にも勝っています。(続く)

iLoud MTMに内蔵されたARCの凄さ

高価な専用機器(100万円前後)を使わずにルームアコースティックを最適化するための手段としては、測定マイクとPCアプリを使う方法が一般的ですが他にも色々と道具を揃える必要があります。(詳細は「スピーカー再生環境の測定:概要と必要なもの」を参照してください。)

iLoud MTMは最適化に必要なものが(マイクスタンドを除いて)すべてパッケージに同梱されています。※マイクスタンドがなくても動作しますが、ちゃんとやるなら揃えたいアイテムです。カメラ三脚も流用できます。

最適化するために使う同梱品は、測定マイク(単体でも発売されているMEMS Microphoneです!)、測定マイクとiLoud MTMを接続する専用ケーブル、測定マイクをマイクスタンドに取り付けるためのマイクホルダーです。※これだけでも1万円以上の価値があります。

必要なものが全て同梱されている点も評価に値しますが、それ以上に凄いのが最適化の手早さです。マイクをセットしたらiLoud MTMのリアパネルのボタンを長押しするだけです。その後、4秒程の測定と数秒の最適化を自動で行ってくれます。たったこれだけです。

他社にもiLoud MTMのようにパッケージングされた高価な製品はありますが、最適化する際にはPCに専用アプリをインストールしてアプリから操作する必要があったりします。iLoud MTMの場合はPCは必要ありません。

シンプルに簡単に短時間でルームアコースティックの最適化をやってのける他に類を見ない点が、iLoud MTMを天才と呼ぶ所以です。

ARCによる最適化前後の測定

iLoud MTMのARC機能は左右のスピーカーごとにボタンを2秒長押しするだけでルームアコースティックを最適化する驚きの機能ですが、はたしてどの程度最適化されているのでしょうか。

ここではRoom EQ Wizardを使って最適化する前と最適化されたiLoud MTMをいつものようにリスニングポジションで測定してみました。

注)本来は測定マイクにiSEMcon EMX-7150を使いたかったのですが手元にないのでiLoud MTM付属のマイクを使っています。このマイクは高域が少し持ち上がる傾向ですから、これを念頭に以下のグラフをご覧ください。補正後も10kHzkら20kHzにかけて若干上昇していますが実際はフラットであると考えられます。聴感上も違和感はありません。

音圧周波数特性

左側スピーカーの最適化前(茶)と最適化後(緑)の音圧周波数特性

右側スピーカーの最適化前(茶)と最適化後(緑)の音圧周波数特性

左右スピーカーの最適化後の音圧周波数特性

位相周波数特性

左側スピーカーの最適化前(赤)と最適化後(緑)の位相周波数特性

右側スピーカーの最適化前(赤)と最適化後(緑)の位相周波数特性

iLoud MTMは位相周波数特性においても一般的なスピーカと比較して優れていますが、ARCで補正すると更に良くなっていることがわかります。

iLoud MTMの最適化機能は操作は実に簡単ですが、最適化の結果は通常の自動補正機能と遜色ないといえる素晴らしい結果を出してくれました。

勿論、聴感上でも最適化したサウンドはピントの合った心地良い音です。

(続く)

ブラックフライデー・キャンペーンがチャンス

2019年12月5日まで驚きの価格でご提供しています。

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