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NEO iDSD vs ZEN DAC+ZEN Blue+ZEN CANはどちらが買いか?

NEO iDSD アイキャッチ画像
NEO iDSD
NEO iDSD
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NEO iDSD:7つの注目ポイント

  • PCM768/DSD512対応の高音質USB DAC
  • 最新コーデックのBluetoothでスマホ・DAP等とワイヤレス接続
  • MQAフルデコードとS/PDIF入力でMQA-CDに対応
  • XLRバランス出力端子と可変ボリュームにより、アクティブスピーカーやパワーアンプ等と好相性
  • iPower II 5Vが付属
  • 縦置により、デスクトップに設置しやすい
  • リモコン付属
NEO iDSD

NEO iDSDは、USB DACにBluetoothレシーバーを内蔵しS/PDIF入力に対応したiFi audioのミドルレンジDACです。一方で、同じくiFi audioのZEN DAC・ZEN Blue・ZEN CANを組み合わせるとNEO iDSDに近い機能を実現することができます。

NEO iDSDに近い機能
ZENシリーズはS/DIF入力がない
ZEN CANのバランス入力は1系統のみ

この記事では、NEO iDSDとZENシリーズの組み合わせた場合の機能やスペックの違いを見ていくことにします。

4.4mmバランスのオーディオセレクターの登場により、ZEN DACとZEN Blueのバランス出力をZEN CANに入力できるようになりました。

目次

音声入力:S/PDIF入力ならNEO iDSD

  • NEO iDSDはUSBとS/PDIF(同軸/光)によるデジタル音声入力に加えBluetoothによるワイヤレスデジタル音声入力を持っています。
  • ZENシリーズの場合、USBはZEN DACでBluetoothはZEN Blueで対応しますがS/PDIF入力に対応した製品はありません。
リアパネル比較

CDプレーヤーでのMQA-CD再生やTV・ゲーム機とのデジタル音声接続まで視野に入れるならNEO iDSDの選択と言うことになります。

※NEO iDSDはMQAフルデコード対応によりMQA-CDをハイレゾ再生することができます。

NEO iDSD
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音声フォーマット

USB

iFi audioのUSB DACの魅力の1つは対応する音声フォーマットの広さです。世の中には山のような数のDACがありますが、リニアPCM・DSDに加えMQAに対応したDACはiFi audio以外ではLotooやM2TECH、MYTEKなど結構限られます。

NEO iDSDZEN DAC
PCMmax 768kHzmax 192kHz
DXDmax 768kHzmax 384kHz
DSDmax DSD512max DSD256
MQAフルデコード対応フルデコード対応

上の表のとおりNEO iDSDとZEN DACの対応する各音声フォーマットは同じでも、その内容は全く異なることがわかります。ZEN DACでMQAを再生するには音楽再生ソフトにAudirvana(Win/Mac)を使う必要がありますが、NEO iDSDは音楽再生ソフトを選びません。

※ZEN DACが新仕様でフルデコード対応になったことで、多くの音楽再生ソフトでMQA音源をハイレゾ再生できるようになりました。

Bluetooth

Bluetoothの音声フォーマットについてもiFi audioは先進的です。Bluetoothレシーバーについては、NEO iDSDとZEN Blueは互角と言っても差し支えないでしょう。

対応フォーマット:AAC, SBC, aptX, aptX HD, aptX Adaptive, aptX LL, LDAC, LHDC/HWAコーデック

S/PDIF

ZENシリーズでS/PDIFは入力できず比較しようがないので、NEO iDSDならではのS/PDIF入力のメリットを紹介します。

上記のUSBの箇所でMQAフルデコード対応とありますが、S/PDIF入力があることでCDプレーヤーでMQA-CDをハイレゾ再生できる点がNEO iDSDの魅力の1つです。S/PDIF出力対応のCDプレーヤーをNEO iDSDとデジタル接続して利用します。

NuPrime CDT-9
S/PDIFV出力対応CDプレーヤー: NuPrime CDT-9

音声出力

音声出力についてみてみましょう。

NEO iDSDはアンバランス(RCA)とバランス(XLR)の2系統出力であることに対して、ZEN CANは4.4mmバランス1系統のみです。パワーアンプやアクティブスピーカーのバランス入力は一般的にXLRですから、ZEN CANとパワーアンプ(またはアクティブスピーカー)を接続するにはコネクター変換アダプターとして中継ケーブルを使ってこの先にXLRケーブルを接続します。

4.4 to XLR
4.4 to XLR cable

リモコン、電源アダプター等の同梱品

NEO iDSDはZENシリーズにはないリモコン対応機能があり、リモコンも同梱されています。リモコンで音量調整や入力切換ができる点はNEO iDSDのアドバンテージです。

NEO iDSD

電源については、NEO iDSDはiPower II 5Vが付属します。ZENシリーズ(ZEN DAC・ZEN Blue・ZEN CAN)は別途で電源アダプターを用意しなくても動作しますが、この場合はZEN DACはUSBから電源供給を受けるバスパワーとなります。

NEO iDSDにおすすめの高音質スピーカー

パッシブスピーカーとプリメイン/パワーアンプ

NEO iDSDの音質を遺憾なく発揮するために高音質のスピーカーを選びましょう。NEO iDSDは縦置きレイアウトが可能でライン出力を音量調整できることからデスクトップオーディオのDACとして利用するのにも向いています。

可変ライン出力は次の二つのメリットがあります。

  1. ヘッドホンとスピーカーに専用ボリュームを割り当て可能:
    プリメインアンプを接続する場合は、プリメインアンプでスピーカーを音量調整できるのでNEO iDSDのボリュームはヘッドホン専用に割り当てることができます。※NEO iDSDのライン出力は固定にすればよいでしょう。
  2. プリメインアンプを自由な場所に置ける:
    デスクトップオーディオの場合などDACやプリメインアンプの設置場所に悩まされることも多々あります。NEO iDSDのライン出力を可変にすることでプリメインアンプで音量調整しなく済むことから、プリメインアンプをデスクトップに置く必然性は薄れ好きな場所に置くことができます。
NEO iDSD おすすめ組み合わせ
ヘッドホンRODE NTH-100
プリメインアンプNmode X-PM5
スピーカーamphion Argon1
組み合わせ例

NEO iDSDにおすすめのプリメインアンプ/パワーアンプ

NEO iDSDにおすすめのパッシブスピーカー

アクティブスピーカー

NEO iDSDのバランス出力は標準的なXLR端子ですから、高音質なアクティブスピーカーとXLRケーブルで容易かつ高コスパに接続できる点はZEN DACやZEN CANに無いメリットです。バランス入力対応のパワーアンプは一般的に高級機で高額ですが、アクティブスピーカーであれば同等以上の音質を遥かに低予算で実現することができます。音質と価格バランス的にHEDD TYPE 07 MKII、HEDD TYPE 05 MKII、ADAM A7Vをおすすめします。

TYPE 07 MKII
TYPE 07 MKII
ADAM A7V
ADAM A7V
TYPE 05 MKII
TYPE 05 MKII

縦置きできるNEO iDSDとアンプ内蔵のスピーカーは、省スペース&高音質でデスクトップオーディオにも最適です。

まとめ

ZEN DACシリーズでUSB DACとBluetoothレシーバーを揃えてこれらを入力切換して使うには、ZEN DAC・ZEN Blue・ZEN CANを揃えることになり、本体価格の合計は99,000円(税込)になります。

最終的な出力はZEN CANのバランス出力ですから上流となるZEN DACやZEN Blueとはバランス接続が理想的ですが、ZEN CANのバランス入力は1系統のみですからZEN DACかZEN Blueどちらか1つとはアンバランス接続するしかありません。ということで、ZEN CANに繋ぐためのケーブルとしてRCAケーブル(LR)と4.4mmバランスケーブルを用意することになります。RCAケーブルにZEN DACの付属品を使うにしても4.4mmバランスケーブル(税込14,300円)を揃えることになります。

4.4mm to 4.4mm cable

電源をみてみると、ZEN BlueとZEN CANは付属の電源アダプターを使うのに対してZEN DACはバスパワーというのもアンバランスですから別途でiPower 5V(税別6,800円)を揃えることになります。

さて、ここまででZENシリーズの場合にいくらかかっているでしょうか?

ZEN DAC33,000NEO iDSD137,500
ZEN Blue33,000
ZEN CAN33,000
iPower 5V電源アダプター
※ZEN DAC用
14,300
4.4mmバランスケーブル
※ZEN DAC – ZEN CANの接続
14,300
RCAケーブル
※ZEN DAC付属品を使用時
4.4mm – XLRバランスケーブル
※ZEN CANをXLRバランスで出力
19,800
ZENシリーズの計(税別)
リモコン非対応
147,400円NEO iDSDの計(税別)
リモコン付属
137,500円

NEO iDSDはZENシリーズで揃えるよりも9,900円安くなります。しかもNEO iDSDは付属のリモコンでリモート操作ができます。音声フォーマットを含むスペックもNEO iDSDが上回っていますし、設置スペースやコンセントの確保の上でもNEO iDSDが有利です。※NEO iDSDは縦置きできるためデスクっトップなどでも使いやすいデザインといえます。

ZENシリーズは今あるシステムのDACやBluetooth等の機能追加・強化として導入するのに適したコストパフォーマンスの高い製品といえます。

NEO iDSD

仕様

フロント/リアパネルの仕様

NEO iDSD
  1. OLEDディスプレイ
  2. 多機能ロータリー・コントローラー
  3. 入出力切り替え/Bluetoothペアリングボタン
  4. 電源ボタン
  5. 4.4mmバランスヘッドフォン出力
  6. 6.3mmシングルエンドヘッドフォン出力
NEO iDSD
  1. XLRバランスライン出力(固定/可変)
  2. RCAシングルエンドライン出力(固定/可変)
  3. S/PDIF同軸入力(PCM44.1~192kHz/MQAフルデコード対応)
  4. S/PDIF光角入力(PCM44.1~192kHz/MQAフルデコード対応))
  5. USB3.0-Bオーディオ入力(PCM44.1~768kHz/DSD64~512/MQAフルデコード対応))
  6. DC5V電源入力
  7. Bluetoothアンテナ

主な仕様

デジタル入力USB3.0-Bメス(USB2.0互換)S/PDIF(同軸/光)Bluetooth 5.0
対応フォーマット(USB)DSD512/256/128/64DXD(768/705.6/384/352.8kHz)PCM(768/705.6/384/352.8/192/176.4/96/88.2/48/44.1kHz)MQA(フルデコード対応)
対応フォーマット(S/PDIF同軸、光)PCM(192/176.4/96/88.2/48/44.1kHz)MQA(フルデコード対応)
対応フォーマット(Bluetooth)AAC, SBC, aptX, aptX HD, aptX Adaptive, aptX LL, LDAC, LHDC/HWAコーデック

ライン出力

ライン出力レベルXLR:6.3V/7.7V最大(可変)、4.4V(固定)
RCA:3.2V/3.9V最大(可変)、2.2V(固定)
ライン出力インピーダンスXLR:100Ω以下
RCA:50Ω以下
S/N比-112dB(A)@0dBFS(XLR/RCA)
ダイナミックレンジ117dB(A)以上@-60dBFS(XLR/RCA)
THD+N0.0015%以下@0dBFS(XLR/RCA)

ヘッドフォン出力

ヘッドフォン出力レベル4.4mmバランス:2V/6.2V最大 12Ω – 600Ω負荷6.3mmシングルエンド:1V/3.3V最大 12Ω – 600Ω負荷
ヘッドフォン出力パワー4.4mmバランス:68.6mW以上@600Ω、1040mW以上@32Ω6.3mmシングルエンド17.6mW以上@600Ω、295mW以上@32Ω
出力インピーダンス1Ω以下
S/N比112dB(A)@3.3Vシングルエンド、6.2Vバランス)
ダイナミックレンジ120dB(A)
THD+N0.0015%以下(125mW@32Ω)
消費電力無信号時:~0.5W最大出力時:~2.5W
入力電圧DC 5V/2.5A、AC100-240V、50/60Hz(iPower 5V付属)
サイズ214×146×41mm
重量970g
保証期間12ヶ月
標準的な小売価格137,500円(税込)
JAN5060738783472

※仕様は予告なく変更になる場合があります。

製品情報

NEO iDSDは、最高の柔軟性を実現すべく設計され、水平にも垂直にも置くことのできる、スマートなアルミニウム筐体です。OLEDディスプレイは現在のフォーマットやボリュームレベル等の必要情報を表示し、なめらかな動きの多機能ロータリー・コントローラーが複雑で多機能であるにもかかわらず、NEO iDSDをシンプルに使用することを可能にしています。OLEDディスプレイは、筐体の水平/垂直を自動認識し、表示の向きが切り替わります。

NEO iDSD
NEO iDSD

※214×146×41mmのNEO iDSDは、水平に置くだけでなく、付属のアルミニウム製スタンドを使用して縦置きすることもできます

NEO iDSDは3つの動作モード、固定ライン出力、可変ライン出力、ヘッドフォン出力を備えており、すべての基本を冷静沈着にカバーしています。純粋な固定ライン出力を備えたDACとして使用すれば、オーディオ・システム内の別のプリメインアンプやプリアンプに接続することができます。可変ライン出力を備えたDAC&プリアンプとして使うこともでき、これはパワーアンプやアクティブスピーカーに接続する場合には理想的です。そしてもちろん、ヘッドフォン・ユーザーのみなさまは、優れたアンプ・ステージを利用してすばらしい「ヘッドファイ」システムを実現することができるのです。

ケーブル経由で接続しようと、最新フォーマットのBluetooth経由で接続しようと、NEO iDSDの一段上のデジタルエンジンとフルバランス・アナログ回路が魅力的なサウンドを生み出します。音楽やマルチメディアが輝き、次世代の音楽、AV、ゲーム体験をいっそう高めてくれます。

カスタムデザインのデジタルエンジン

NEO iDSD の「デジタルエンジン」は、 iFi が幅広く使用しているバーブラウンのDACチップを基本にしています。ナチュラルサウンドの「音楽性」と「トゥルーネイティブ」のアーキテクチュアによって
アーキテクチュアによって、音質、DA変換回路、双方の観点からiFiの初期製品から採用しているものです。iFiはこのDACチップに豊かな経験を持っておりおり、最上の音質を引き出す方法を知っているということです。しかし、NEO iDSDの音質にはDACチップの本来備わった音質が内在しているものの、模範的なDACステージを生み出すために、特定のDACチップの選定以上のものが数多く含まれています。

そういった重要な部品のひとつが、USBやS/PDIFデジタル入力経デジタル入力経由で受信したオーディオ・データを処理するXMOSチップです。NEO iDSDは、処理能力を大幅に高めた新開発の低レイテンシーのXMOSマイクロコントローラーを使用しています。現世代の8コアのチップと比較すると、この新しい16コアのICは、2倍のクロック・スピード(2000MIPS)と4倍のメモリー(512KB)を実現するとともに、最新のスーパースピードUSB規規格にも準拠しています。このXMOSファームウェアはiFi社内のデジタル開発チームがプログラミングしているので、音質を最適化し、バーブラウンのDACとの完璧な組み合わせを確保することができるのです。

その他にもiFiのGMT(グローバルマスタータイミング)フェムト精度クロックやインテリジェントメモリバッファなど、広範なジッター除去技術がデジタルステージへ適用されています。また、iFiのGTO(Gibbs Transient Optimised)デジタルフィルターが組み込まれています。今後、ファームウェアアップデートにより、別のデジタルフィルターを適用することを予定しています。

※GTOデジタルフィルターの詳細:http://ifi-audio-jp.blogspot.com/2018/11/blog-post.html

すべてのフォーマットが最高の品質で

NEO iDSDはハイレゾ・オーディオの最高フォーマットへの対応を実現しており、32ビット、768kHzまでのまでのPCMフォーマット、DSD512までのDSD、そしてシングルスピードとダブルスピードのDXDに対応します。
バーブラウンのDACチップの4チャンネル「トゥルー・ネイティブ」設計によって、PCMとDSDは別々の経路を通るので、DSDもPCMも「ビットパーフェクト」、つまりネイティブの形でアナログ変換に送られます。これは他のブランドのDAC機器では、それほど見られるものではありません。DSD対応と謳っていても、そういったDACの多くはDSD信号をPCMに変換しているのです。

TIDAL「Masters」やMQA-CDなどで使用されているMQAフォーマットも、USBとS/PDIF(同軸、光)入力入力で対応しており、新しい16コアのXMOSチップによって384kHzまでのMQAのフルデコードが可能です。つまり、MQAレンダラーによる最後の「アンフォールド(展開)」だけではなく、「3つのアンフォールド」によるフル・デコーディング処理が内部で実行されるということです。世界中の幅広い機能を備えたDACでは、MQAが重要な検討要素になっています。TIDAL「Masters」のみならず、MQAローカル音源再生や、CDトランスポートによるMQA-CD再生においても、NEO iDSDによるMQAフルデコード再生が優れたサウンドを最大限に活用するすばらしい手段となるのです。

これまでに聞いたこともないようなBluetooth

USB、S/PDIFによる入力に加えて、NEONEO iDSDiDSDではワイヤレスのBluetoothも対応しています。しかしこれは、今まで一般的にイメージされるBluetoothの音質ではありません。iFiのZEN BlueのBluetoothレシーバーやAuroraのワイヤレス・ミュージック・システムを聞いたことがないなら、これは初めての体験になるでしょう。

iFiは、ZEN BlueとAuroraを発売した時、クアルコムの新しいQCC5100 Bluetooth ICを使用した最初のオーディオ・ブランドになりました。このチップを専用回路と組み合わせて、聴感的に優れた「Bluetoothエンジン」を開発し、今回これをNEO iDSDにも組み込んでいます。Bluetoothの便利さと幅広い機器への対応性は広く認識されていますが、多くの人々はBluetoothの音がどれほど良いかを理解していません。なぜなら、彼らはベーシックで時代遅れの装置で基本レベルの音質を体験しているだけだからです。

クアルコムのaptX AdaptiveとaptX HD、ソニーのLDAC、ファーウェイのLHDCを含を含む、現行のすべてのハイレゾBluetoothオーディオ・コーデックコーデックをサポートしています。他にも、通常のaptXとaptX Low Latency、AAC、SBC(「ごく普通の」Bluetooth コーデッコーデック)に対応しています。つまり、Bluetoothの規格内で可能な限りすべてのコーデックに対応しているということです。また、iFiの「Bluetoothエンジン」はワイヤレスでアップデートすることが可能なので、将来的にはNEO iDSDにさらにコーデックを追加することが可能です。

NEO iDSDはBluetooth機器とのペアリングを7件まで「記憶する」ことができるので、機器の切り替えが簡単で、しかも最新のBluetooth5.0の規格により、受信レンジも不足ありません。また、現在のハイレゾBluetoothコーデックコーデックのサンプリングレートに対応しています。24ビットの処理能力を持ったコーデックで、aptX AdaptiveとaptXHDが48kHzまで、LDACとLHDCは96kHzまでです。

PureWave回路設計回路設計 — パワーのバランス

どのようなDAC兼ヘッドフォンアンプでも、デジタル・ステージは全体のストーリーの半分にすぎません。重要なアナログ回路の話になると、多くの機器は性能が不足しています。バランス・ディファレンシャル・アナログ回路設計は、左右チャンネルをフルに分離することで信号経路内のノイズとクロストークを減少させる能力によって、長い間高く評価されてきました。しかしこれはシングルエンドの回路に比較するとより複雑でコストがかかるので、ハイエンドのハイファイ・コンポーネントトだけに用いられるのが伝統でした。

iFiは、製品のシリーズへ徐々にフル・バランス回路を導入してきました。まずフラッグシップのProシリーズシリーズに、続いてエントリー・レベルのZENシリーズの機器に導入したのです。これらの中間に位置するNEO iDSDは、新たに開発されたバランス・シンメトリカル・デュアルモノ・トポロジーを採用し、短くダイレクトな信号経路を実現しています。これは、このNEO iDSDのために特別に開発されたもので、iFiではこの回路設計を「PureWave」と呼んでいます。並外れたリニアリティーと最少のノイズと歪みによって達成された、純粋な音を表す名称なのです。

※NEO iDSDのフル・バランス・ディファレンシャル・アナログ回路設計はもっとも扱いのむずかしいヘッドフォンでもその能力を最大限に引き出します。

有名なハイエンド・オーディオ・エレクトロニクス・エンジニアで、バランス回路の開拓者としてよく知られ、現在はiFiの技術顧問を務めているジョン・カールが、トルステン・レッシュが率いるiFi社内のテクニカル・チームと密接に共同して、この設計を完璧なものにしました。全体にわたって高品質な部品が使用されていますが、その中には超低歪みのiFi特製オペアンプ、多層セラミックのTDK C0Gコンデンサー、MELF薄膜抵抗器、そしてムラタと太陽誘電のインダクターが含まれています。これらは同種の製品よりも高価ですが、低ESR(等価直列抵抗)、ハイ・リニアリティー、低歪みといった、クラスをリードする品質が音質に大きな効果を発揮しているのです。

ヘッドフォンアンプ・ステージは、高感度なインイヤーモニターから莫大な電流を要求するプレーナー型ヘッドフォンに至るまで、どんなタイプのヘッドフォンを駆動しようと、パワーと安定のバランスを保ちます。バランス・ヘッドフォン・ソケットから32Ωで1000mW以上の出力を継続して供給することができるのです。最高度の解像度を保つために、ボリュームは精密なマイクロプロセッサーでコントロールされた抵抗ラダー経由で、アナログ領域で調節します。

NEO iDSDの低ノイズ・広帯域の電源供給回路はリニア・レギュレーションを採用し、優れたPSRR(電源電圧変動除去比)を示します。PMOSデバイスを使用したBiCMOS半導体テクノロジーが超低歪みと優れたトランジェント・レスポンスを実現します。これがiFiのiPower AC/DCアダプターと組み合わされて、同種の機器よりも著しくノイズを低減します。iPower 5V(単体では6,800円[税別])がNEO iDSDに同梱されています。

オーディオ・フォーマット、サンプリング・レート、ボリューム・レベル、入力モードを表示するOLEDディスプレイは明るさを調節することができます。これらのオーディオに関係のない制御信号は、設定を変える時にだけ「目覚める」SilentLineデザインによって、オーディオ信号に電気ノイズが干渉することもありません。FETベースのスイッチ切り替えをマイクロコントローラーが、設定を変えるときにのみ動作し、音質に有害な干渉を根絶することができるのです。

性能測定値の観点では、こういった細部への惜しみない注意が0.0015%以下のTHD(全高調波歪み率)、120dB以上のSNR((SNSN比)に結実しています。どの価格帯でもきわめて印象的な数値です。聴感上は、これによって明瞭度とテクスチュアが増し、よりダイナミックで魅力的なパフォーマンスが実現します。まったくシンプルに言って、まさにアーティストが意図したとおりの音楽が、より多く聞こえるのです。

高い接続性

NEO iDSDは3つのデジタル入力端子を装備しています。エイシンクロナスUSB-B、S/PDIF同軸、S/PDIF光です。これら3つのデバイスは同時に接続することができ、しかもBluetoothでも接続できます。

バランス出力を装備しているので、NEO iDSDのフル・バランス回路を最大限に活用することができます。フロントパネルには、6.3mmシングルエンド・ヘッドフォン出力に加に加えて、4.4mmペンタコンバランスヘッドフォン出力も装備されているので、バランス接続が可能なヘッドフォンで使用することができます。高品質なヘッドフォンやインイヤーモニターは、ますますこの4.4mmペンタコン端子を備えるようになっています。オプションでケーブルを4.4mmペンタコン用にアップグレードできるようになっている機種も増えています(負荷の大きなヘッドフォンには特にこの出力をお奨めします)。背面パネルには、NEO iDSDをアンプやアクティブ・スピーカーに接続するためのRCAシングルエンシングルエンド出力端子に加えて、ハイエンド・ハイファイの標準であるバランス接続を可能にするためのXLRバランス出力を備えています。


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