なぜリッピングしなければならないのか?
音楽CDメディアの2つの問題点
意外に脆いCDメディア
音楽CDはデジタル化された音声データが盤面に記録されていて、一見すると永久保存版のメディアであるかのように錯覚してしまいます。
しかし記録面全体が保護される事なく露出していて汚れやキズが付きやすい構造になっています。
軽微な汚れやキズであればエラー訂正により記録された音声データを正しく読み取ることが可能ですが、記録された音声データを読み取れない程の汚れやキズがあるとその個所は類推され作り出された補間データが使われます。※盤面が更に酷い状態の場合は再生が止まります。 つまり、CDはちょっとした汚れの付着で、ピュアオーディオでもビットパーフェクトでもなくなるということです。
汚れやキズ以外にも経年劣化により盤面が剥離して再生できなくなってしまうこともあります。※保存状態次第でしょうが、想定耐用年数よりも実際は短いようです。
CDプレーヤーは作られなくなった
インターネットの普及により音楽の配信手段がCDメディアからインターネット配信に移行しています。世界はもとよりCD消費大国の日本でも既にインターネット配信がCDを追い越したといわれています。
このような状況でCDプレーヤーは徐々に生産されなくなってきています。新製品が無いこともないのですが、数十万円から数百万円の高級品ばかりが目につきます。※某大手価格比較サイトを見ればよくわかります。
リッピングすれば解決できる
CDは状態の良いうちにリッピングしておきたい
保全性の弱いCDですから、できるだけ早い時期にリッピングして音楽ファイルにメディア変換しておきましょう。
音楽ファイルに変換したからと言って音質劣化することはありません。それどころか盤面の汚れによる読み取りエラーが起こらないので音質面でも有利です。PCをはじめ様々なプレーヤーで再生できる点も有利です。
ダメになったCDは二度と入手できないかも
CDは配信されなくなりつつあるメディアなので、ダメになったCDはまた買えばよいという考えは捨てた方が無難です。
リッピングせずにダウンロード配信で買い直す手段も考えられますが、持っているCDと同じ楽曲がダウンロードで入手できるとは限りません。ダウンロード配信している楽曲はまだまだ数が足りないからです。
これらのことから所有しているCDは余程メジャーな楽曲を除いては二度と再入手できないかもしれないと思ったほうが良さそうです。

何故かどんなメディアでも再版されないThird Worldの名盤The Story’s benn Told
これに限らず数えきれない数のCDが入手困難な状況です
ストリーミング配信は音楽CDの替わりにはならない
世界最大手のSpotifyをはじめ日本でも音楽ストリーミング配信サービスが幾分は利用されるようになりました。数千万曲の配信曲数を誇り、所有しているCDの多くはストリーミング配信でカバーされているのではないでしょうか。

だからと言って、もうCD(やその他の音楽メディア)を所有する時代は終わったとは言い切れません。
ストリーミング配信サービスはサブスクリプションですから解約したら聴けなくなるのは当然として、配信楽曲の内容は日々更新されているので昨日まで聴いていた曲が突然配信されなくなって聴けなくなることは決してレアケースではありません。オーディナリーサウンドもこのような状況に何度も出くわしています(一度配信されなくなった楽曲が復活したこともあります)。

All for You / Diana KrallもSpotifyその他で一時的に配信されなかったアルバムの一つ
更には配信サービスそのものが廃止になることさえあります。利用していたSonyのMusic Unlimitedは2015年に終了してしまいました。
「Music Unlimited」サービス終了のお知らせ
https://www.sony.jp/music-unlimited/
このように現状のストリーミング配信サービスは、例え音楽CDと同じ音源が配信されていたとしても代替手段としては頼りきれません。
もはやCDはレガシーなオーディオ
こんな訳で音楽CDはリッピングしておくことを強くおすすめします。リッピングしておけば、CDメディアがダメになってもCDプレーヤーがダメになってもパソコンその他様々な方法で再生できますから。
音楽メディアがCDからインターネット配信への移行が加速している状況で、CD再生は既にレガシーオーディオと呼ぶことができます。レコードプレーヤーが辿ったのと同様に、CDプレーヤーも高級化(高額化)が進み一部の愛好家のものになりつつあります。
音楽CDをリッピングすることによってメディア変換し、PCその他を利用したモダンオーディオに移行しましょう。