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「アクティブスピーカーは低音質で低出力」は嘘。間違いだらけのスピーカー選び。

アクティブスピーカーとパッシブスピーカーは次のように情報発信されているのが一般的ですが本当でしょうか?

  • アクティブスピーカーはアンプを内蔵しているので省スペースだが、音質が悪く低出力。
  • パッシブスピーカーは別途アンプが必要で省スペースとはならないが、高音質で大出力で好みのサウンドが楽しめる。

つまり、音質や出力はパッシブスピーカー>アクティブスピーカーと説明されています。

そもそもアクティブスピーカーと紹介されているものは真のアクティブスピーカーではない

実はスピーカーにはアクティブスピーカーとパッシブスピーカーの他にもアクティブとパッシブの中間のスピーカーがあります。そして、前述のアクティブスピーカーはこの中間のスピーカーを指して説明されているので、アクティブスピーカーが低音質で低出力という情報は明らかな誤りです。

左:パッシブスピーカー、右:アクティブスピーカー、下:セミアクティブスピーカー

この記事を読んで正しいスピーカーの知識を身につければ、良いスピーカーで良い音を聴くことができるようになります。

セミアクティブスピーカー

アクティブスピーカーとパッシブスピーカーの中間に位置するスピーカーを他と明確に区別して説明されることはないので、オーディナリーサウンドではセミアクティブスピーカーと名付けています。そしてPCスピーカーのほとんどはセミアクティブスピーカーです。

それではセミアクティブスピーカーとはどんなスピーカーでしょうか。

アクティブスピーカーとパッシブスピーカーの混合ダブルス

セミアクティブスピーカーはステレオペアで1つの商品となっていて、1台がアクティブスピーカー、もう1台がパッシブスピーカーといった構成です。1台はパッシブスピーカーですからアクティブスピーカーと言い切るには違和感があります。スポーツで例えれば混合ダブルスのようなものです。

セミアクティブスピーカーの見分け方

純粋なアクティブスピーカーは左右のスピーカーどおしをケーブルで接続することは基本的にありませんが、セミアクティブスピーカーは左右のスピーカーをスピーカーケーブルで接続します。ここがアクティブスピーカーとセミアクティブスピーカーの違いです。

また、パッシブスピーカーは電源を必要としないので電源コネクターがありませんが、アクティブスピーカーは内蔵アンプを動作させるために電源が必要で電源コネクターがあります。


引用:FOSTEX PM0.3Hのマニュアル

FOSTEX PM0.3Hのマニュアルではそれぞれをアクティブスピーカーとパッシブスピーカーと説明しています。ZEN DACに接続するアクティブスピーカーとしても紹介されているJBL One Series 104のマニュアルではアクティブスピーカーをマスタースピーカー、パッシブスピーカーをエクステンションスピーカーと呼び、両者をスピーカーケーブルで接続するように説明されています。

アクティブスピーカーとセミアクティブスピーカーの見分け方
セミアクティブスピーカースピーカーケーブルで左右のスピーカー同士を接続する
アクティブスピーカー左右のスピーカーのどちらにも電源コネクターがある

注)左右のスピーカーをケーブル接続するからセミアクティブスピーカーであるとは限りません。HEDD MK2シリーズやADAM Sシリーズをデジタル入力で使う場合は左右スピーカーもデジタルケーブルで接続しますが、これは1本のケーブルでステレオチャンネルを扱うデジタルケーブルの性質上カスケード接続する必要があるからです。

セミアクティブスピーカーの特徴

セミアクティブスピーカーは左右スピーカーで次のような差異があります。

  • 外観が異なる
  • 内容積が異なる
  • 重量が異なる

セミアクティブスピーカーは左右スピーカーの外観が異なります。製品によって差異は様々ですがFOSTEX PM0.3Hの場合は、アクティブスピーカー側には本体正面にパワーインジケーターがあるのに対してパッシブスピーカー側にはありません。

PM0.3H
FOSTEX PM0.3H:片方のスピーカーのみにパワーインジケーターあり

アクティブスピーカー側はアンプを内蔵しているのにパッシブスピーカーはアンプを内蔵していないので、内容積が異なります。内容積はスピーカーの音に影響を与えるので、理屈上で左右スピーカーの特性が異なってきます。※スピーカーの内部は空洞です。

また、アンプの有無により左右スピーカーの重量が異なることも多少なりとも音に影響を与える要因となります。

こうして書くとセミアクティブスピーカーのデメリットばかり目立ちますが、低価格化のための有効な手法でしょうし決定的に音を悪くする要素とも言えません。費用対効果の伴った音質であれば仕組みにあまり拘る必要はありません。

アクティブスピーカー vs セミアクティブスピーカー

セミアクティブスピーカーについて理解していただいたところで、アクティブスピーカーとセミアクティブスピーカーの違いについて説明します。

アクティブスピーカーとセミアクティブスピーカーの違い
セミアクティブスピーカーステレオペアのうち1台のスピーカーにステレオアンプを内蔵
廉価
低出力
アクティブスピーカースピーカー単位にアンプを内蔵(多くはアンプを複数搭載)
比較的高価
高出力

※音質は一概には評価できないが、仕組みと価格の違いからアクティブスピーカーが有利

セミアクティブスピーカーの価格帯は千円台から2万円程度が中心です。自ずと高品質のパーツは使えず内蔵アンプの出力も低く目で音質もそれなりです。しかし、アンプとパッシブスピーカーを同じ予算で組むよりも音質的に有利です。

アクティブスピーカー(ペア)の価格帯は数万円台から数十万円台が中心です(下は数千円台から上は数百万・数千万円台)。セミアクティブスピーカーよりも高品質のパーツが使われ内蔵アンプも大出力です。仕組みと価格の違いから音質的に有利です。

アクティブスピーカー vs パッシブスピーカー

既にお分かりかと思いますが、廉価なセミアクティブスピーカーと価格度外視のパッシブスピーカーでは比較の対象にならないのは明白ですし、アクティブスピーカーに対して過小評価されているのが実情です。

アクティブスピーカーは本当に低出力か?

発信されている多くの情報では前述のようにアクティブスピーカーは低出力とされています。

ペアで4万円を切るADAM Audio T5Vは1台あたり50W(ウーファー用)と20W(ツイーター用)のアンプを搭載しています。一般家庭で音量を最大にすることは至って危険な程の大音量です。

参考までに、オーディナリーサウンドのリファレンスである2機種の場合、ADAM S2Vは300W(ウーファー用)と50W(ツイーター用)のアンプを、HEDD Type 20は300W(ウーファー用)と300W(ミッドレンジ用)と300W(ツイーター用)のアンプを搭載しています。

このように、アクティブスピーカーのアンプ出力は、パッシブスピーカーに使うアンプの出力に劣るどころか同等以上の出力を持っているのが真実です。

アクティブスピーカーは本当に低音質か?

音質についても発信されている多くの情報では前述のとおりアクティブスピーカーは低音質とされています。

ペアで4万円を切るアクティブスピーカーのKRK RP5G4は、これで十分とも思わせる高音質なスピーカーです。それでは、同じ4万円以下の予算でKRK RP5G4に遜色のないパッシブスピーカーとアンプの組み合わせを見つけることはできるでしょうか?スピーカーとアンプの予算配分は様々ですがアンプ代を切り詰めたとしてもスピーカーに割り当てられる予算はせいぜい3万円程度です。私はこの条件でKRK RP5G4や前述のADAM Audio T5Vに匹敵するパッシブスピーカーとアンプの組み合わせを見つけることができません。

あわせて、過去にアクティブスピーカーと有名かつ人気の高いパッシブスピーカーを比較した事例を紹介します。アクティブスピーカーは先代のHEDD Type 05で、パッシブスピーカーはアメリカの超有名メーカー(アルファベット3文字)のロングセラーの定番人気モデル(4桁の数字)、これにつながれたアンプは国産の高級ブランドです。

HEDD Type 05は5インチウーファー2ウェイでそのパッシブスピーカーは30cm(12インチ)3ウェイと、サイズも価格も本来なら比較にならない程の開きがありますが、結果は小型のHEDD Type 05の圧勝でパッシブスピーカーのオーナーさんも同様の意見でした。補足)低音の量感だけは30cmウーファーのパッシブスピーカーに分があることは言うまでもありませんが、低音の質感では逆転していました。

好みのサウンドが楽しめるのはアクティブとパッシブどちら?

再度、前述のように発信されている多くの情報では「アンプと組み合わせることで好みのサウンドが楽しめるのはパッシブスピーカーである」とされていますが、これには前提条件があります。

まず、好みのサウンドの組み合わせをチョイスするには膨大な時間がかかりますし、店頭の試聴だけでは判断を誤ってしまいます。更に限られた予算で選択できる組み合わせには限りがあるので思ったほど自由なチョイスは出来ず、ついつい予算オーバーになりがちです。

一方でアクティブスピーカーの場合はほとんどの機種にイコライザーが付いているので、ハイ上がり気味やロー上がり気味など簡単に好みのサウンドに仕立てることができます。HEDDのアクティブスピーカーMK2シリーズは実にユニークなスピーカーで、完璧と言えるほどの位相特性に加えてバスレフスピーカーとしても密閉型スピーカーとしても利用できるので好みのサウンドを実に簡単に切り替えて利用することができます。

以下の2つの記事でHEDD MK2シリーズの位相特性やバスレフ/密閉切り替えについてレポートしているのであわせてご覧ください。

全てのパッシブスピーカーがアンプ選びに悩まされるわけではありません。素性の良いパッシブスピーカーに同じく素性の良いアンプを組み合わせれば、沼にはまることなく高音質に好みのサウンドを楽しむことができます。

amphionのパッシブスピーカーがその好事例です。

amphion

まとめ

一般的にスピーカーにはアクティブスピーカーとパッシブスピーカーがあると紹介されていますが、実際にはもう1種類、アクティブスピーカーとパッシブスピーカーでペアを成すセミアクティブスピーカーが存在します。※セミアクティブスピーカーという用語は一般的には使われていません

一般的に発信されている情報で説明されているアクティブスピーカーはこのセミアクティブスピーカーのことを指しているので、アクティブスピーカーとパッシブスピーカーのメリット・デメリットを正しく評価していません。

補足)このことが原因でアクティブスピーカーが正当評価されずに日本のガラパゴスオーディオの原因の1つであるとしたら実に残念なことです。(こればかりが原因とは思いませんが。。。)

ここでセミアクティブスピーカーと呼んでいるスピーカーのほとんどは、PCスピーカーと呼ばれるパソコン接続を想定した廉価なスピーカーです。PCスピーカーという名称だからパソコンに接続するには最適で必要十分なスピーカーであると錯覚しがちですが、実際はパソコン内蔵のスピーカーからの改善が認められる程度の音質と捉えるのが妥当です。

数千円から2万円程度のPCスピーカーでは、YouTubeやmp3などの非可逆圧縮音源の音質でさえクリアすることはできませんから、より高音質なスピーカーの使用が望まれます。

3種類のスピーカーの特徴を挙げると次のようになります。

スピーカーの種類と特徴のまとめ
セミアクティブスピーカーステレオアンプを内蔵したアクティブスピーカーとアンプを内蔵しないパッシブスピーカーでペアを成すスピーカー。
数千円から2万円程度の低価格帯が中心のためアンプ出力は低く、音質は多くを望めない。
省スペース。
アクティブスピーカースピーカーごとに複数のアンプを内蔵したスピーカー。
高音質で大出力。
省スペース。
パッシブスピーカー別途アンプが必要で省スペースには向かない。
コストを度外視すれば高音質で大出力。
資金力と根気があれば好みのサウンドを楽しめる。

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