小音量でもスピーカーで高音質に音楽を堪能できるデスクトップオーディオ。DTMのモニタースピーカーを机上で使う場合も1種のデスクトップオーディオと言えます。しかし、デスクトップでスピーカーを使うにはクリアしなければならない2つの課題があります。
1つはスピーカーの振動対策、もう1つはスピーカーを最適な向きに配置することです。
デスクトップでクリアしたい2つの問題
デスクトップは振動に弱い
デスクトップに限った話ではないのですがスピーカーは設置面からアイソレートして振動を周りに伝えないようにすることが大切です。※伝わった振動は音を濁らせる原因になります。これを回避するためにスピーカースタンドやインシュレーターなどを使います。
振動が伝わりにくいしっかりした接地面にスピーカーを置くのが望ましいのですが、デスクトップの場合は余程頑丈な机でない限り振動しやすい不利な環境と言えるでしょう。※天板の下には通常引き出しがあり、この空洞部分も悪影響があると思われます。
デスクトップにスピーカーを置くと高さが低過ぎて音質が悪くなる
スピーカーをデスクトップに直置きまたはインシュレーターを利用して設置すると、次のような問題が起こります。
- スピーカーの音(主に高音)がリスナーの耳に向かっていない。(青線)
- スピーカーと机の天板が近すぎるため反射音の悪影響をもろに受ける。(赤線)
高い音は直進性が強いためスピーカースタンドを使ってツイーターの位置を耳の高さに調整します。スピーカーを高い位置に置くことで机の天板からの反射音を防ぐことにもつながります。
スピーカーを傾けることで天板からの反射音を防ぎ、高い音を耳の方向に合わせることもできます。
ツイーターを耳の高さにあわせるのが基本
ツイーターの位置が高すぎても高音不足の音になります。スピーカーを上下逆さまに置く、横向きに置くなどの工夫でツイーターを耳の高さに近づけることができます。
デスクトップにこそ優れたスピーカースタンドが必要
今ではネットでデスクトップオーディオの写真を見かけるようになりました。大抵は、机にスピーカーを直置きしてるんじゃないかと思われるような設置や、インシュレーターは使っていても机の天板の影響をもろに受けそうな低い位置に置かれていることがほとんどです。
インシュレーターの高さはたかが知れているのでデスクトップの反射音の影響が大きくなってしまいます。そればかりかツイーターが耳の高さよりも遥かに低くなる場合が多いので、音質や音のバランスに悪影響を与えてしまいます。※かがみこんでツイーターの高さで聴いてみるとよくわかります。
「デスクトップスピーカーで鉄則の設置方法を測定に基づいて紹介」をご覧いただけば、デスクトップで多用される小型スピーカーのセッティングが如何に大切であるかがわかります。ハイエンドスピーカーを使えばどうにかなるといった話ではありません。
スタンドを使わないのは裸足で外を歩くようなもの
外を歩く時に靴を履くこととスピーカーをスタンドに乗せることは同じようなことです。トップアスリートは高性能なランニングシューズを使います。
スタンドを買う費用をスピーカーの予算に追加してより高性能なスピーカーを手に入れた方が良さそうな気がしますが答えは真逆です。特にデスクトップオーディオの場合はスピーカースタンドも必ず予算に含めておきましょう。
卓上型スピーカースタンド
DYNAUDIO SF1
サイドボード、ローボード、シェルフへのコンパクトスピーカーやセンタースピーカーの設置に最適なソリューションです。小型または中型のコンパクト スピーカーをサイドボード、棚、またはデスクに配置するための理想的なベースです。
SF1 は最小限の労力またはスペースでスピーカーのパフォーマンスを最適化します。
さらに、傾斜したスピーカーは、より魅力的な外観になり、どんなインテリアにもエレガントに溶け込みます。SF1 Baseはマットブラックまたはシルバーからお選びいただけます。Dynaudio Emit M10 と M20、DM 2/6 と 2.7、Excite X14 と X14A、Xeo 3 または Xeo 4、そしてもちろん、他の無数のコンパクトスピーカーとの使用に最適です。
Gravity GSP3102
GSP3102はスピーカーの高さと角度(仰角)を調整できる卓上型のスピーカースタンドです。
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