ZEN DACの特徴は以下の3点です。
- 低価格ながらもPCM(~384kHz)、DSD(~12.4MHz)、MQAフルデコード対応。
※2021年の新仕様でMQAはレンダラー対応からフルデコード対応になりました。 - ボリュームノブで可変出力(可変/固定切り替えスイッチ付)
- バランス/アンバランス出力対応
ZENシリーズのDACラインナップ
ZEN DACのつなぎ方
入力はUSBのみと極めてシンプル
ZEN DACはUSB入力専用ですから正真正銘のUSB DACです。そしてこのDACにヘッドホンアンプが内蔵されたUSB DAC&ヘッドホンアンプです。※USB DACにカテゴライズされるDACにはNEO iDSD等USB以外のデジタル入力に対応した機種もあります。
おすすめUSBケーブル
出力はバランス(4.4mm)とアンバランス(RCA)で可変/固定出力に対応
ZEN DACの音声出力はアンバランス(シングルエンド)としてRCA端子を、バランスとして4.4mm端子をリアパネルに持っています。更に、音声出力をフロントパネルのボリュームと連動させるか、連動せずに一定の音量にするかを選択するスイッチがあります。
アナログ(アンバランス) | RCA | 可変または固定出力 |
アナログ(バランス) | 4.4mm |
ZEN DACの出力先で音量調整できなくてもZEN DACで音量調整することができるため、パワーアンプや本格的なアクティブスピーカー(モニタースピーカー)に直結できます。プリメインアンプなど出力先で音量調整できる場合は、ZEN DACを固定出力にしてZEN DACのボリュームをヘッドホン専用に割り当てることができます。
電源はバスパワー/セルフパワー両対応
電源はUSBのバスパワーでもACアダプターからも供給することができます。
※UAB3.0ケーブルは付属されますが、ACアダプターは付属されません。
製品マニュアルには以下のように記載されています。
ヒント:Zen DACは5Vで稼働します。USBバスパワーでも動作しますが、iFiの iPower 5Vといった超低ノイズ電源アダプターを使用して、電源の品質を上げることができます。
ifi-audio.jp/manual/iFi-ZEN-DAC-Manual-Ver2.0J.pdf
iPower IIは5年ぶりのアップデートとなるiPowerの後継機です。
ZEN DACにおすすめの高音質小型スピーカー
ZEN DACの最大の魅力は低価格ながらもPCM、DSD、MQAとあらゆるハイレゾフォーマットに対応していることです。
パッシブか?アクティブか?
デスクトップやベッドサイドなどで設置スペースが限られているならアンプを内蔵したアクティブスピーカーがおすすめです。パッシブスピーカーを活用するならコスパの高いプリメインアンプ/パワーアンプがよいでしょう。音量調整はZEN DACに任せられるのでプリメインアンプやパワーアンプを邪魔にならない場所に設置することもできます。
バランス接続か?アンバランス接続か?
ZEN DACのバランス端子は4.4mmで、接続先となるアクティブスピーカーやプリメインアンプ/パワーアンプはXLRまたは6.3mmTRSバランスのプラグで接続することになるので、ケーブルの選択肢が限られケーブル代も高めになります。これを踏まえるとバランス接続の場合はスピーカーは買い替えなくても済むようなグレードの高いものをおすすめします。
とりあえず手軽に始めたいのであれば、アンバランス接続でコスパの高いアクティブスピーカーやパワーアンプを選びましょう。
既に4.4mm to XLRのバランスケーブルを所有していて、接続に6.3mmTRSのバランス入力端子のアクティブスピーカーを使う場合には、XLR to TRSケーブル(または変換アダプター)を使うことで、新たに4.4mm to 6.3mmTRSバランスケーブルを用意しなくて済みます。
詳細は4.4mmバランス to XLR(または6.3mmTRS)ケーブルをご覧ください。
パッシブスピーカー
パッシブスピーカーを使う場合はスピーカーの他にスピーカーを駆動するためのアンプ(プリメインアンプまたはパワーアンプ)が必要になります。※プリメインアンプ/パワーアンプとパッシブスピーカーはスピーカーケーブルで接続します。
RCAケーブル接続(アンバランス)
RCAケーブルで接続できる小型で高音質なパワーアンプにATOLL MA100があります。
MA100に接続する小型で高音質なパッシブスピーカーとしてamphionのHelium410やArgon0などがあります。サイズや予算に合わせて選んでください。
4.4mm – XLRケーブル接続(バランス)
バランス接続に対応したプリメインアンプ/パワーアンプは一般的に高額ですからZEN DACと価格バランスの取れたアンプはなかなか見つかりません。NmodeのX-PM7 MKIIはバランス接続対応のプリメインアンプ、NuPrimeのSTA-9Xはバランス接続対応のパワーアンプです。パッシブスピーカーは2Way+パッシブラジエーターのArgon3Sです。
アクティブスピーカー
パワーアンプを内蔵したアクティブスピーカーはZEN DACと直結できるのでパワーアンプ不要で省スペースのメリットもあります。
RCAケーブル接続(アンバランス)
アンバランス接続ができてペア10万円以下のZEN DACにおすすめのアクティブスピーカーは、ruarkaudio MR1 mk2とWharfedale Pro Diamond Studio 5-BT / 7-BTです。
いずれのスピーカーもアンバランス入力に加えてBluetoothでワイヤレス接続も可能ですからBluetoothレシーバーを追加しなくてもZEN DACとワイヤレスを使い分けることができます。
ZEN DACのファミリーにBluetoothレシーバーのZEN BlueがあるためZEN DACと相性が良さそうに見えますが、ZEN DACとZEN Blueを直接つなぐことはできずZEN CANなど更にもう一台を追加しなければUSBとBluetoothを使い分けることができないため注意しましょう。
ZEN DACとruarkaudio MR1 mk2の組み合わせは、スピーカーもヘッドホンも利用する場合に便利な組み合わせです。なぜならMR1 mk2は本体と付属リモコンで音量調整可能ですから、ZEN DACのライン出力は固定にすることでZEN DACのボリュームをヘッドホン専用にできるからです。
Diamond Studio 5-BT / 7-BTはいずれもアンバランス入力とバランス入力に対応するので好みでどちらを選択しても構いません。ただし、ZEN DACに使えるバランスケーブル(4.4mm to XLR、4.4mm to TRS)は2万円近くするため、数千円からケーブルを入手できるアンバランス接続がおすすめです。バランスケーブル代をスピーカーの予算に割り当てれば、よりハイパワー・ハイグレードなスピーカーが手に入ります。※例えば、ZEN DACとDiamond Studio 5-BTをバランス接続で揃えるよりも、ZEN DACとDiamond Studio 7-BTをアンバランス接続で揃えた方が安上がりになります。
バランス接続はアンバランス接続の約2倍の出力になるので、アンバランス接続で音量不足を感じるようになったらバランス接続に変更しても良いでしょう。
2万円のケーブルと2万円のアクティブスピーカーよりも4万円のアクティブスピーカー
2万円クラスの人気のアクティブスピーカー(PCスピーカー)の多くは、片方はアクティブスピーカーでもう片方はパッシブスピーカーの簡易アクティブスピーカーです(左右のスピーカーをスピーカーケーブルでつなぐタイプ)。安価な簡易アクティブスピーカーは安価なパッシブクロスオーバーが使われアクティブスピーカーのメリットを活かしきれません。関連記事:スピーカーとアンプの基礎知識 > PCスピーカーの場合
ですから安価な簡易アクティブスピーカーに高価なケーブルをつなぐよりも、高価なスピーカーに安価なケーブルを使った方が音質的に遥かに有利です。
2万円のケーブルと2万円台のアクティブスピーカーの予算で、より高音質なADAM Audio T5Vが手に入ります。
アンバランス接続で出力が半分になるとは言え家庭で聴くには十分に大出力ですから、ケーブル代を押さえて代わりに確かなスピーカースタンドを使うことをおすすめします。
4.4mm – XLRケーブル接続(バランス)
ZEN DACをフル活用するなら高音質なアクティブスピーカーが一押しです。小型デスクトップスピーカーのハイエンドとも言えるHEDD AudioのTYPE 05 MK2はZEN DACとバランス接続しましょう。ADAM Audioの新作、A4V・A7VやWharfedaleのDiamond Studio 5-BT/7-BTはXLRのバランス入力に加えRCAのアンバランス入力にも対応しています。
ZEN DACの上位機種も新製品が続々登場です!
ZEN Airシリーズ
ZEN AirシリーズはZENシリーズのエントリーモデルの位置づけとなります。4.4mmバランス端子が無くなりアンバランス(RCA)入出力になっています。