Audirvanaは、MacとWindowsに対応した高音質音楽再生ソフトです。FLAC, MQA, DSD, Apple Lossless, AIFF, WAV , M4A, MP3, WavPack, Cue Sheets, APE等を再生可能です。
概要
- Mac版とWindows版があり、1ライセンスで2台のPCで利用できる
- スマホ、タブレットでAudirvanaをリモート操作できるAudirvana Remoteアプリ(iOS版とAndroid版)を無償で利用できる
- 機能が少ないぶんとっつきやすい
- MQAコアデコーダー搭載により安価なMQAレンダラー対応DACでMQA再生できる
- オーディオプラグインに対応している
- Mac版:Audio Unitsプラグイン対応
- Windows版:VST 3プラグイン対応
- 音楽ストリーミング配信サービス(qobuz、HIGHRESAUDIO、TIDAL)に対応している※いずれも日本ではサービスインしていません
セットアップ
ダウンロードとインストール
AudirvanaはWindows版、Mac版共に30日フリートライアル版が提供されています。
First Name, Last Name, Emailを入力してI accept the user License termsにチェックを入れ、Download for WindowsまたはMacOSをクリックすることでダウンロードとインストールが始まります。
Windows版ver.3.4.916.0を例にインストール手順を掲載します。



次に「Windowsセキュリティの重要な警告」が表示されるので「アクセスを許可する」をクリックします。
アップデート

アップデートの操作はWindows版とMac版で異なります。
- WIN:設定画面の「全般 > ライセンス」の下にバージョンが表示され、その右の「更新を確認」をクリックすることでアップデートの有無を確認します。アップデートがあれば引き続きアップデートを実行できます。
- MAC:「Audirvana > 更新の確認」メニューで確認します。設定画面に確認するためのボタンはありません。
アンインストール
Mac版AudirvanaはMacの通常のアンインストール方法と同じです。
Windows版Audirvanaをアンインストールするには次の何れかを実行します。
- Windowsの「設定 > アプリと機能」でAudirvanaをクリックすると表示される「アンインストール」を選択する。
- スタートメニューのAudirvanaを右クリックして「アンインストール」を選択する。
※コントロールパネルの「プログラムのアンインストール」ではアンインストールできません。Audirvanaがここにはリストアップされないからです。
ライブラリー管理フォルダーの指定
設定画面からAudirvanaの再生対象となる音楽ファイルを保存したフォルダーを指定します。
- 設定画面の「ライブラリ > フォルダを追加」でフォルダーを指定します。

オーディオデバイスの設定
Audirvanaの出力先などの設定方法は、Win/Mac版の各ページをご覧ください。
ミュージック ブラウズ
再生する音楽に辿り着くための手段はシンプルでわかりやすいユーザーインターフェイスが提供されています。
一般的なライブラリ(データベース)とプレイリストの他に”お気に入り”がユニークです。
画面左にある文字列(ライブラリ/お気に入り/プレイリスト)から選択します。

ライブラリ
ライブラリを選択すると右隣に”トラック”、”アルバム”、”アーティスト”が表示されます。

トラック

ライブラリのトラックがリスト表示されます。右の”フィルタ”を使って絞り込みができます。
アルバム

ライブラリのアルバムがサムネイル表示されます。右の”フィルタ”を使って絞り込みができます。
サムネイルは「表示 > ズームイン/ズームアウト」メニューで拡大縮小できます。ショートカットを使うのが便利です。(Mac版)
Win版はCtrl+マウスホイールでズームイン/ズームアウトできます。
アーティストのサムネイルのズームインアウトも同様です。
アーティスト

ライブラリのアーティストがサムネイル表示されます。※アルバムと同様にズームインアウトできます。
アーティストは隣のプルダウンメニューから以下の項目を選択できます。

サムネイルをクリックすると対象アーティストのアルバム一覧がサムネイル表示されます。ここで優れた点は、そのアーティストの曲が含まれているオムニバス盤などを「出演」として一緒に表示してくれることです。

「アルバム」と同じく画像サムネイルは「表示 > ズームイン/ズームアウト」メニューで拡大縮小できます。ショートカットを使うのが便利です。
お気に入り

ライブラリのお気に入りアイコン(ハートマーク)をクリックすると”お気に入り”に追加されます。お気に入りはトラック/アルバム/アーティスト単位で追加することができます。
プレイリスト

「最近追加した項目」がプレイリストの中に自動で作られます。
「プレイリスト」の横の「+」アイコンをクリックするとプレイリストを作ることができます。プレイリストをまとめるフォルダを作ることもできます。
プレイリストのポップアップメニュー
- 手動プレイリストを追加
- スマートプレイリストを追加
- フォルダを追加
- プレイリストをインポート
フィルタ
「ライブラリ > トラック または アルバム」は、表示された項目を「フィルタ」で絞り込むことができます。例えば「1968年リリースのロックとブルース(”リリース年”の”ジャンル”)」のような曲一覧を簡単に作ることができます。
サンプルレートやビット深度、その他様々な項目で多重絞り込み可能です。
絞り込み可能な項目
- アーティスト
- グループ
- アルバム
- アルバムアーティスト
- 作曲者
- ジャンル
- 指揮者
- アンサンブル
- ソリスト
- 年
- 年代
- スタイル
- 楽器
- 評価
- アルバム評価
- ファイルタイプ
- サンプルレート
- ビット深度
- オーディオチャンネル数
- MQA真正性
楽曲のメタデータ編集
曲名やジャケット写真の編集については「Audirvanaの使い方:タグ・ジャケット写真編集」をご覧ください。
MQA、DSDの再生
Audirvanaの特徴の1つにMQAとDSD対応があります。
中でもMQA対応は注目機能で、MQAコアデコーダーを搭載しているのでiFi audioの安価なDACでMQAフォーマットの音楽ファイルを再生することができます。
MQA再生
AudirvanaのMQAコアデコーダー機能を活かして、iFi audioのポータブルDACであるhip-dacでMQAファイルを再生してみます。
設定は、Audirvanaのオーディオデバイス設定画面のMQAの項目で「MQAレンダラー」を選択するだけです。



DSD再生
同じくhip-dacでDSD再生です。
Win版
オーディオデバイス設定画面のDSDの対応レートに「DSD64, DSD128, DSD256」が表示され、各フォーマットのDSDファイルを再生することができました。
hip-dacのボリューム両サイドのLEDはフォーマットに応じた色(DSD64とDSD128はシアン、DSD256は青)になりました。
Mac版
オーディオデバイス設定画面のDSDの対応レートに「DSD64, DSD128」が表示され、各フォーマットのDSDファイルを再生することができました。
hip-dacのボリューム両サイドのLEDはフォーマットに応じた色(DSD64とDSD128はシアン)になりました。
DSD256は再生できましたが、hip-dacのLEDは青にはならず黄になります。Audirvana画面右下には32/352.8kHzステレオと表示されます。※DSD256をネイティブ再生しないのは、hip-dacのスペックによる制限です。
Macとhip-dacでDSD再生する際の注意点は、hip-dacのページもあわせてご覧ください。
Audirvana活用術
Win/Mac共通の活用術です。Mac固有の活用術は、「Audirvana for Mac:Mac定番の高音質音楽再生ソフト」をご覧ください。
アーティスト名の”The”を無視してソートするには
Audirvanaはアーティスト名の先頭に”The”がある場合にこれを無視してソートするオプションがありません。このためThe Band(バンド)は”T”ではじまるアーティスト名として表示されます。

これを避けるには、アーティストを選択してタグアイコン(画面右端の赤丸)をクリックします。

アーティスト名と並べ替え名を編集するパネルが表示されるので、「並べ替え」で”The “を削除して「保存」します。
アーティストごとにこの作業を繰り返す必要があるので面倒ですが、”The”の並べ替えの問題を回避することができます。※設定項目に”The”を無視できるオプションは見当たりません
アーティスト名を別々に入力して(=feat.にしない)音楽の楽しみ方を広げる
CDデータベースなどで取得されるアーティスト名が一人でない場合、「〇〇〇 feat. ×××」などとなっているのが一般的です。
Audirvanaはアルバムと曲(トラック)に複数のアーティストを割り当てることができるので「feat.」で一綴りになっているアーティストを別々にすることができます。
Lady Marmalade(映画ムーランルージュの主題歌)はリッピングした時にアーティスト名が「Christina Aguilera, Lil’ Kim, Mya and P!nk」と一綴りになっていましたが個々のアーティスト名に振り分け直しました。

その後にトラック”Lady Marmalade”のアーティストが表示されている部分から”P!nk”をクリックすると…

P!nkのアルバム一覧が表示されます。アルバム:ムーランルージュはサントラ盤なのでその中にP!nkの参加している曲が含まれているといった意味で”出演”のくくりにムーランルージュが表示されるということでしょうか。

このように、アーティスト名をキーワードに次々とアルバムや曲を渡り歩くことができます。Spotify等もこんな使い方ができますね。
外部キューシートが読み込めない場合は
Audirvanaが外部キューシートに対応していることがわかったので次々に外部キューシート(.cue)を音楽ファイルと同じフォルダーに置き始めています。
※ 後にAudirvanaのキューシート形式の限界を感じたので、通常の1トラック1ファイル形式に移行しました。
大抵のキューシートはアルバムをトラック単位で表示してくれて問題ないのですが、邦楽のアルバムでつまずいてしまいました。
Windows PCに保存している外部キューシートをMacの音楽フォルダーに置いても上の画面のようにアルバム全体が1つのトラックとして表示されてしまいます。
Windowsのメモ帳でcueファイルを開くと文字コードがANSIになっていたのでUTF8で保存して再度Audirvanaで開くとトラック単位で表示されるようになりました。
Audirvanaでキューシートを利用する際の注意点
内部キューシート
試しにオーディナリーサウンドがTuneBrowserやJRiver Media Centerでメインに再生している内部キュー形式のFLACを保存しているフォルダーを指定してみました。
LIBRARYのアルバム一覧やアーティスト一覧が画像付きで表示され、再生することを確認できました。
但し、内部形式のキューシートは対応していないのか、トラックリストは曲単位で表示さません。
関連記事:内部キューシートから外部キューシート(*.cue)を作るには
キューシート形式の音楽ファイルでは、タグに複数の値を入力しても無効になる?
Audirvanaは外部キューシート(.cue)に対応しているのですがタグ編集をしているうちに問題に差し掛かったので書き留めておきます。
AudirvanaはTuneBrowserやfoobar2000のようにアーティストタグやアルバムアーティストタグに複数の値を持たせることができます。1つの曲に複数のアーティスト名を付けたい場合、「〇〇〇 feat. ×××」と1つの文字列にせずに「〇〇〇」、「×××」と併記できます。アルバムが複数アーティストの共同制作の場合はアルバムアーティスト名を同様に併記できます。
活用事例としてはアーティスト名を別々に入力して(=feat.にしない)音楽の楽しみ方を広げるを参照してください。
キューシートを使わない一般的な1トラック1ファイル形式の音楽ファイルではタグに複数の値を入力しても問題ないのですが、キューシート形式の場合は、複数の値は入力できてもすぐさま元に戻されて複数の値を持たせることができないといった問題があります。
キューシートは1つのタグに複数の値を持たせることはできない(と思う)ので、TuneBrowserやJRiver Media Centerなどは内部データベースに複数の値が書き込まれますが、Audirvanaはそのようなことはやらずにあくまでキューシートの値をマスターとして内部データベースに反映しているような動作が見られます。
Audirvanaでタグに複数の値を持たせると他のローカルライブラリー管理アプリでは実現しそうにない楽しさ(音楽を渡り歩く)が 期待できるので、キューシート形式(1CD1ファイル)を諦めて通常の1トラック1ファイル形式で使ってみるかな?といった心境です。
Audirvanaを活かすアイテム

ストレージ、NAS、ミュージックPC
Audirvanaで数千~数万曲ものミュージックライブライリーを快適に楽しむには、PC標準搭載のSSDやHDDでは容量不足になりがちです。内蔵ストレージを交換できるPCなら高速・大容量のストレージに交換しましょう。
内蔵ストレージを交換できないPC(ノートPC、Mac等)の場合は、音楽ファイルを外付けストレージやNAS(Network Attached Storage)に保存することで容量不足を解決することができます。NASを利用する場合は安定した性能が出せるHUBを検討しましょう。
CDプレーヤーやレコードプレーヤーのようにPCを音楽専用に割り当てる(ミュージックPC)と、PCにまつわる様々な不具合を回避して快適に利用できます。
ストレージ、NAS、HUB、PCの具体的な情報はこちらをご覧ください。
MQA/DSD対応のDAC
MQAコアデコーダーを搭載するAudirvanaは、MQAレンダラーDACとの組み合わせでローコストにMQAを再生することができます。(参考ページ:MQAレンダラーDACについて)
iFi audioのhip-dacやZEN DACは、税込で2万円を切る低価格DACながらもMQAレンダラーを搭載したAudirvanaと相性の良いDACです。
更にiFi audioのhip-dacやZEN DACはDSD256(11.2/12.2MHz)にも対応しているため、Audirvanaとの組み合わせでDSDやMQAを手軽に楽しむのに最適です。
VST、Audio Units対応を活かせるオーディオインターフェイス
Audirvanaを使うメリットの一つにVST、Audio Unitsのオーディオプラグインが利用できる点があります。
Universal Audioのオーディオインターフェイスなら世界で最も本格的なアナログエミュレーションを利用できます。
高音質なAudirvanaを活かすスピーカー
Audirvanaは高音質な音楽再生ソフトです。音の出口となるスピーカーには高音質なものを選びたいものです。
Audirvanaのリモートアプリ(iPad mini)と高音質アクティブスピーカーADAM T5V
Audirvanaのリモートアプリ(iPad mini)と高音質アクティブスピーカーADAM T7V
