ルームアコースティック測定のすすめ for Music Lovers:測定キット販売も

部屋は音質を左右する最大のオーディオ装置

大衆車から高級車に買い換えても、デコボコな悪路での乗り心地が改善されることはありません。

オーディオも同じことで、オーディオ機器やアクセサリー類をグレードアップするだけでは本質的な音質の向上は期待できません。

何故なら通常の部屋は道路に例えると未舗装のデコボコ道だからです。通常の部屋では特定の音域が何倍にも増幅されて再生されてしまいます。この結果、音域バランスが不自然になるばかりか増幅された帯域よりも高い音がかき消され不鮮明な音になってしまいます。※マスキング効果と呼ばれます

関連記事:高音質再生のためにやっておくべきたった一つの事:音響特性の改善

部屋の音響特性(ルームアコースティック)を改善することは、オーディオ機器をグレードアップするよりも音質改善に遥かに効果的であると断言できます。舗装道路を走る大衆車はデコボコ道を走るスポーツカーを横目に軽く抜き去っていきます。

どうすればコストを掛けずに舗装道路をつくれるか

道路であればデコな部分を削ってボコな部分を埋めてやれば平らな道になります。その上に舗装を施せば舗装道路が出来上がります。

音も基本的には道路と全く同じことをすればよいのです。音のデコボコを均す方法は手段的にもコスト的にも様々ですが、一番手短かでしかも確実な方法はイコライザーをオーディオシステムに追加することです。部屋の影響によるデコボコをイコライザーで逆補正すれば平らな道のできあがりです。※イコライザーの場合はボコは埋めない方がよい

そうはいっても具体的にイコライザーでどの周波数帯域をどの位に設定すればよいのか聴感のみに頼って実践できる人は滅多にいません。ルームアコースティックの状態を具体的に知ることが出来れば、イコライザーで容易に補正することができます。補正した状態で再測定を繰り返せば精度の高い補正が出来上がります。

ルームアコースティックを簡単に調べる方法

部屋の音響特性(ルームアコースティック)は部屋ごとに異なります。たとえ間取りも構造物も同じ部屋であっても室内の家具や装飾品は住む人次第ですし、スピーカーの種類や置き方もそれぞれだからです。

ですからルームアコースティックの状態は部屋ごとに調べるしか方法はありません。

ルームアコースティックの状態を調べるなど何とも難しそうに思えますが、PCの測定アプリと測定用マイクを使えば、音響特性の基本的かつ重要な部分を簡単に知ることができます。例えば、120Hz前後の帯域が他の帯域に比べて10dB上昇している、などがグラフによって視覚的にわかります。

関連記事:スピーカー再生環境の測定:概要と必要なもの

どれをどこで買えばよいのか難しくて面倒なのでセットにしました

ルームアコースティックを知るには何を揃えたらいいのかわかったにしても意外に全部がいっぺんに揃うところはほとんどありません。通常のオーディオショップだとほぼ何も手に入らないはずです。

測定Aセット:既にPC(Win / Mac)にDACを接続して音楽を聴いている方々が手軽にルームアコースティックを調べられるセット

できるだけ多くの方々に使っていただけるように極力コストを抑えたベーシックなセットです。手持ちのDACはそのままで、セットに含まれるオーディオインターフェイスはマイクアンプ&ADCとして使います。
※Linuxは実際に試していませんが、測定アプリとオーディオインターフェイスはLinux対応です
マイクは特定のアプリ専用のものですが、実際に試して実用になることを確認しています。※高域の測定結果に若干の癖がでます(実際よりもハイ上がりに測定される傾向です)

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測定Bセット:Aよりも更に信頼性の高いマイク(プロクラス)を使いたい人向けのセット

Aセットのマイクをグレードアップしています。このマイクは内容からすると安価な誰にでもすすめられる測定用マイクです。元々が大変高精度なマイクですが、一台ごとに性能測定したデータが付属のUSBメモリーに入っていて測定アプリ(Room EQ Wizard)に読み込ませれば完璧です。

オーディオインターフェイスもマイクに合わせてグレードアップしています。

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セットに含まれる内容


PCを持っていれば測定時にiD4をADCおよびDACとして使えるので別途DACは必要ありません。レコードやネットワークオーディオで音楽を聴く人がルームアコースティックを知るにも有効なセットです。

測定セットから広がるシステムアップ

セットに含めるアイテムは上記のA/Bセットに限った話ではありません。

測定用マイクの選択肢はかなり限られますが、オーディオインターフェイスの種類は豊富でその多くは測定用マイクがつながるマイクアンプを内蔵しているので用途やシステムのグレードにあったものをチョイスできます。

例えばオーディオインターフェイスのADC(アナログデジタルコンバーター)はマイク測定以外にもレコードやテープのデジタル音源化にも使えるので、1チャンネル入力のかわりに2チャンネル以上の入力を持つオーディオインターフェイスに変更することで用途が広がります。自室の再生音を2本のマイクでステレオ録音してネットで聴いてもらうのも良いですね。流石にスマホで録音してはマイナスイメージにしかなりません。

関連記事:リスニング用途にオーディオインターフェイス(DAC/ADC)をすすめる2つの理由

ハイグレードなオーディオインターフェイスはホームオーディオ用のハイエンドDACに勝るとも劣らないほどの音質ですから、いっそのことDACをオーディオインターフェイスに置き換えてシステムをシンプルに使いやすくすることもできます。ほとんどのオーディオインターフェイスは出力ボリュームを持っているので、デジタル/アナログの入力数の多いオーディオインターフェースを使えばプリアンプを不要にすることもできます。

オーディオインターフェイスやADC製品の中にはモダンなデザインのフォノイコライザーを持った機種まであります。レコードプレーヤーに直結して高音質フォノイコライザーとしてレコード再生することも、レコードプレーヤーからダイレクトに高音質デジタル録音することさえ可能です。

この記事ではルームアコースティックの測定についての話をしていますが、その先には測定結果に基づくルームアコースティックの補正改善があります。補正するための手軽で堅実な手段としてイコライザーを使う場合は、高性能なイコライザー機能を持ったオーディオインターフェイスをはじめから選択することを推奨します。イコライザー機能を持たないオーディオインターフェイスの場合でも、PCソフトウェアによるイコライザーで処理することができます。

ハイエンドオーディオの世界には種類は少ないながらも一台でルームアコースティックの測定から補正までをこなすルームイコライザーが存在します。ハイエンドオーディオのルームイコライザーを使うと、大衆車でスポーツカーを追い抜くには非常に高額な高速料金(100万円オーバー)を払わなければならないことになります。

PCを使うことで同等以上の成果とフレキシブルなシステムが僅かなコストで手に入ります。

その他にもきりがないほどのシステムアップが考えられますが、オーディオインターフェイスは実にモダンなオーディオのコントロールセンターの役割を果たすことがわかります。

ルームアコースティックやオーディオインターフェイスなどについては、お気軽にお問い合わせください。

聴感だけに頼って闇雲に調整すると泥沼にはまります

ルームアコースティック対策に限らず音の調整(チューニング)を聴感だけに頼るのは危険です。
楽器のチューニング、例えばピアノの調律を考えれば理解できますが、ピアノの調律を自力で行う人はあまりいないでしょう。鍛え上げた専門のプロ(調律師)に依頼するのが常識です。楽器によってはチューニングの技術も進歩して手軽に楽器をチューニングできる楽器用のチューナーも広く普及しています。
オーディオもPC等を活用することによって聴感だけに頼らないチューニング方法を実現できるようになってきました。特にスピーカーで聴く場合の調整は、スピーカーのセッティングが基本であることに変わりはありませんが、ルームアコースティックに及ぶ調整には、PCと測定用マイクが楽器用チューナーの役割を果たすことになります。音楽再生ばかりがPCオーディオではありません。

マイクは測定用マイクを使います。測定してその結果を元に調整するために使うマイクですから信頼性の高いマイクでなければなりません。測定用マイクはその目的に応じた精度の高いマイクであるだけでなく、部屋の反射音も含めて音を拾う必要があるため無指向性の特性を持っています。ボーカルや楽器収録用のマイクでは代用できません。

補正に限らずイコライジングは難しいとよく言われます。確かにその通りで聴感だけに頼ったイコライジングは無限ループに陥ってしまいがちです。PCの測定アプリによる測定結果を元にイコライジングすれば泥沼に陥ることはありませんし、再調整する場合の道しるべにもなります。

勿論のことですが、測定データだけに頼るのではなく最終的には音楽を再生して実際に聴いてみる事が大切です。

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