オーディオのライトサイド

HEDD Audio旧製品の製品情報と過去記事です。Series ONEはMK2シリーズの登場により販売終了になりました。

MK2シリーズ(現行製品)

目次

Series ONE:コンパクト&リーズナブルな高音質スピーカー

Series ONEの4モデル(Type 05 / Type 07 / Type 20 / Type 30)は、VSTやAudio Units対応のプラグインソフトで無償提供されるHEDD Lineariserと連携して利用することをおすすめします。MK2シリーズに内蔵されたHEDD Lineariserと同様の効果を得ることができます。

Type 05

Type 05

Type 05モデルは、真の多用途機だといえます。この強力なパフォーマンス、デジタルとの接続性、そしてコンパクトなサイズは、放送局、レコーディングスタジオ、マルチチャンネル・セットアップ、VoIP 会議のための理想的な選択肢です。Type 05は、6インチ(15cm)ウーファーと高解像度のエアーモーション・トランス (HEDD AMT) による2ウェイシステムです。44 Hz から 50 kHZ までの周波数範囲における高い精度を提供します。

Type 05は、全てのSeries ONEスタジオモニターと同様に、モジュール・コネクタシステムがオプションで搭載可能です。スタンダードアナログXLR, RCA接続以外にも、背面に用意された空のスロットルにDante(Audio-over-IP)入力カードをセットして利用できます。仕様

後継機種:HEDD TYPE 05 MK2

Type 07

Type 07

Type 07スタジオモニターの持つ汎用性とパワフルな音を古典的なニアフィールド・モニターと同じように説明することは正しくありません。
一見、このモデルの標準的なサイズや7インチ(約18cm)ウーファーとエアモーショントランス(HEDD AMT)の伝統的なセットは、技術の向上を見て取ることができないかもしれません。しかし、その各種構成要素、特にケーシング方法、アンプ、およびダイヤフラムの内部配線等の注意深い調整によってこのモデルは、開発初期の段階から私たちを驚かせるほどの音波の安定性、強度、空間性、そして透明性を創り出しました。2×100ワットアンプと非常に良くバランスのとれた周波数応答により、Type 07モニターは、この適度なサイズとスマートなデザインからは想像を超える程の音量と音質を提供します。
これは正に、Type 07が適しないオーディオ分野がほとんど無いということの理由です。というのも、この優れたデザインは、放送環境においてもレコーディングやミックスダウン・スタジオと同じように素晴らしい役を果たしてくれるからです。

Type 07は、Series ONE全てのモデルと同様、XLR及びRCAコネクタが付いています。更に、デジタル機能への広範囲な対応を可能にする空のスロットも備えています。現時点では、Dante(Audio-over-IP)トランスポートを処理できるHEDD ブリッジ・モジュールを提供しています。仕様

後継機種:HEDD TYPE 07 MK2

Type 20

Type 20

HEDDタイプ20は、滑らかで接地面積の小さなキャビネットに凝縮された、最先端の3ウェイシステムです。それはマスタリングやレコーディング、または洗練されたホームスタジオの両方にベストな選択です。そのコンパクトなキャビネットは、フルレンジモニタリングシステム(サブベースを使用しない)の完全なスキルセットとして、簡単に設置できる便利な寸法です。

タイプ20は、強固なゴム状にコーティングされたキャビネットをベースにして、独自設計のハニカムサンドイッチウーファー(7 “ベース/ 4″ミッドレンジ)とHEDDエアモーション・トランスフォーマー・トゥイーターを搭載し、素晴らしく生き生きとした音源再生を実現します。 3つの300W DクラスICEpowerモジュールは、これらのアナログスピーカーのアンプセクションとして強力にユニットをドライブします。この小型モニターのサウンドは、まるで魔法です。

あなたはこの特別な3ウェイシステムから得られるすべての利点を手軽に利用できます。
Type20は、より良いダイナミクスと、その正確なサウンドステージ全体での3次元性の向上を提供すると同時に、ワイドレンジで素晴らしい明瞭さを兼ね備えていることで多くの方に注目されるでしょう。タイプ20は、32Hz から50kHzまでの再生可能周波数の範囲で、最も複雑で難しいオーディオ情報を的確に管理することができます。そしてそれは最高レベルのデジタル拡張可能なアナログモニターとして定義されます。
タイプ20は、多用途なHEDDブリッジシステムを組み込んでいます。標準的なアナログ接続(XLR / RCA)のほかに、Dante (Audio-over-IP)用のオプション入力カードをスピーカーのバックパネルの空スロットに差し込むことができます。仕様

後継機種:HEDD TYPE 20 MK2

Type 30

Type 30

HEDDタイプ30は、プロフェッショナル・スタジオモニターのニーズと要求を満たす特別なミッドフィールド・モニターです。
Tyoe30は、洗練されたスタジオスペースまたは放送局関連設備にかかわらず使用できるオーディオモニターです。この3ウェイシステム構成のモニターは、様々なフィールドでのアプリケーションで理想的に働きます。水平に配置された2つの7インチウーファー、4インチミッドレンジウーファー、HEDD AMTツイーター、そして4×300ワットのアンプは、30Hz~50kHzまでの超広帯域をドライブします。この卓越した技術的事実だけが、自らを物語ります。タイプ30の開発中に、構成要素の一群が生み出す音響的精度は我々を魅了しました。低域と中域の再生時に非常に高い忠実度を有することや、HEDD AMTの鮮やかで、透明な高周波特性のプロデュースがもたらすものです。

2つのより小さなスタジオモニターと同様にTyoe30は、私たちが提供するHEDDブリッジモジュールを受け取れる入力カードシステムとXLR, RCAコネクタを装備しています。これらのモジュールは、さまざまなデジタルオーディオプロトコルの中でも現在はDante (Audio-over-IP)に対応しています。仕様

後継機種:HEDD TYPE 30 MK2

仕様比較一覧

  Type 05 Type 07
Drivers
ウーファー 1
直径 6″ (152mm) 7.2″ (182mm)
ボイスコイル径 1,5″ (38mm)
コーン素材 UHC cone (Ultra Honeycomb Composite)
ツイーター 1
タイプ HEDD AMT(HEDD Air Motion Transformer)
ダイヤフラム径 2″ (56mm) 相当
Input コネクター
アナログバランス / アンバランス XLR / RCA
Digital/HEDD Bridge オプション Dante / Audio-over-IP
基本データ
アンプ (ICEpowerR) 2 × 50W 2 × 100W
入力ゲイン -30dB…+6dB
High Shelf EQ > 2kHz ±4dB (20kHz値)
Low Shelf EQ < 200Hz ±4dB (50Hz値)
周波数特性 45Hz – 50kHz 38Hz – 50kHz
周波数特性 ±1.5dB 52Hz – 20kHz 45Hz – 20kHz
THD 90dB/1m > 100Hz ≤0.5%
最大音圧 (正弦波100Hz – 3kHz/1m) ≥103dB ≥107dB
最大音圧 ピーク(ペア/1m) ≥111dB ≥116dB
クロスオーバー周波数 2.3kHz
入力インピーダンス 10kΩ/47kΩ
重量 6.7kg 9.6kg
寸法 Height x Width x Depth 308mm × 180mm × 228mm 370mm × 220mm × 300mm
保証 ご購入より1年間
  Type 20 Type 30
Drivers
ウーファー 1 2
直径 7.2″ (182mm) 7″ (182mm)
ボイスコイル径 2″ (51mm) 2″ (50mm)
コーン素材 UHC cone (Ultra Honeycomb Composite)
ミッドレンジ 1
直径 4″ (120mm)
ボイスコイル径 1.25″ (32mm)
コーン素材 UHC cone (Ultra Honeycomb Composite)
ツイーター 1
タイプ HEDD AMT(HEDD Air Motion Transformer)
ダイヤフラム径 2″ (56mm)相当
Input コネクター
アナログバランス/アンバランス XLR / RCA
Digital/HEDDブリッジ オプション AES67 Revenna, Dante, AES3/EBU
基本データ
アンプ部 (ICEpowerR) 3 × 300W 4 × 300W
入力ゲイン -30dB…+6dB
High Shelf EQ > 2kHz ±4dB (20kHz値)
Low Shelf EQ < 200Hz ±4dB (50Hz値)
周波数特性 32Hz – 50kHz
周波数特性±1.5dB 40Hz – 20kHz
THD 90dB/1m > 100Hz ≤0.5%
最大音圧 (正弦波100Hz – 3kHz/1m) ≥110dB ≥116dB
最大音圧 ピーク(ペア/1m ) ≥120dB ≥126dB
クロスオーバー周波数 250Hz/2.5kHz
入力インピーダンス 10kΩ/47kΩ
重量 15kg 22.8kg
寸法 Height x Width x Depth 280mm × 358mm × 338mm 280mm × 530mm × 338mm
保証 ご購入より1年間

HEDD過去記事

※amebroに掲載していた過去記事です

アイキャッチ画像

HEDD LINEARISER 紹介ビデオに日本語字幕版が追加 with Megadeth

2017-09-03

HEDD LINEARISERのリリースに伴って、HEDD-Japanさんから日本語字幕付きのYouTubeがアップされています。是非ご覧ください。

ビデオでは近日発売予定のアクティブスピーカー HEDD Type 20 が使われていますが、HEDD LINEARISER は HEDD の全モデルで適用可能です。

HEDD LINEARISER

ビデオでクラウス・ハインツ氏が”今まで聞こえなかったサウンドが聞こえてくるでしょう”と語っているように元々高性能なスピーカーが更に高性能になります。

現在、様々なジャンルの音源で Lineariser を評価していますが、効果がわかりやすかった一例はヘビーメタル系です。倍音成分を多く含む極端に歪んだギターサウンドの場合は、複数のギターパートの分離が悪くグシャとした音でしたが、Lineariser により各々のパートが分離して聴こえます(リニアフェイズ化による定位感の向上によるものと思います)。

結果、今まで以上にキモチよく楽しめます。(^o^)

1分25秒あたりからの演奏で Lineariser の効果がよくわかりますが、音源は YouTube (VEVO) よりも CD や Spotify のほうが明らかな違いが確認できました。

ともすると軽視しがちなロック&ポップスの音質も侮れません。

【速報】 HEDD LINEARISER 正規版リリース

2017-08-29

先日お伝えした HEDD LINEARISER の正規版がリリースされました。

[http://www.hedd-japan.com/hedd-lineariser.html]

ダウンロードしてベータ版と差し替えてみます。

HEDD LINEARISER

【速報】 HEDD LINEARISER ベータ版を試用しました

2017-08-24

HEDD LINEARISER とは、独 HEDD が提供する HEDD スタジオモニター(アクティブスピーカー)をリニアフェイズ化するためのパソコンのプラグインソフトウェアです。

今回、ベータ版を試用する機会に恵まれたのでWindowsのVSTプラグインを早速使ってみました。
注)HEDD LINEARISER ベータ版についての HEDD Japan 様へのお問い合わせは差し控えていただくようお願い致します。

HEDD LINEARISER

一般的には、音楽制作の DAW (Digital Audio Workstation) ソフトのプラグインとして使いますが、VST プラグイン対応の音楽再生ソフトでも使えることになります。今回は、ポピュラーな foobar2000 での動作を確認しました。

操作はいたって簡単で、接続しているHEDD スピーカー(Type 05 / Type 07 / Type 20 / Type 30) を選択するだけです。今回は一般家庭で使いやすい Type 05 を使用しました。

オプションとして full range / >100Hz / Minimum Phase の選択があり、それぞれでレイテンシー(遅延)が異なるので目的に合ったものを選べばよいでしょう。音楽再生用なら僅かな遅延は問題にならないので full range (100ms) にしました。

効果の程ですが、位相周波数特性をリスニングポジション (70cm) とスピーカー前面 (10cm) の位置で測定したグラフを紹介します。

横軸が周波数(30Hz~20,000Hz)、縦軸(右目盛)が位相で0度を中心に±180度で折り返し表示になっています。

スピーカー前面 (10cm)

LINEARISER 適用前

位相周波数特性

LINEARISER 適用後

位相周波数特性

リスニングポジション (70cm)

LINEARISER 適用前

位相周波数特性

LINEARISER 適用後

位相周波数特性

周波数による位相のずれは少ない方が望ましく0度を中心に平らなことが理想的ですが、LINEARISER による効果はてき面であることがグラフからよくわかります。

音としては特にベースやキック等の低域のリアリティが増したような印象を受けました。

ロックなスピーカーを求めて – HEDD type 05(高域ブースト)を実測

2017-09-01

HEDD type 05 と Klipsch RB-41Ⅱ の比較の続きです。

ロック・ポップス系で今一つ元気の足りない音源の場合は、HEDD type 05 のリアパネルで高域をブーストすると効果的であることを書きました。

聴感上は良い感じで改善しましたが周波数特性はどのように変化したのか?実測したのが下のグラフです。緑の線が HEDD(ノーマル)、青の線が HEDD(高域ブースト)、茶の線はKlipsch です。

周波数特性グラフ
茶色:Klipsch 緑色:HEDD 青色:HEDD(高域ブースト)

HEDD の高域を最大にブーストするとカタログスペックどおりに2,000Hz から徐々にブーストされて20,000Hz で4dB ブーストされているのがわかります(青の線)。また、ブーストすることによりノーマルの HEDD と Klipsh の高域特性の差が縮まっています。

ただ、どんなソースでもこの設定でOKという訳ではありません。高域が出過ぎる曲もあるので、様々な曲を楽しむにはブースト量を控えるべきでしょうし、更に良いのはあらゆるソースでベスト(=好み)のリアパネルノブ位置を見つけて、後は元気のないソースには別のイコライザー等をかけるのが良さそうです。

リアパネル
リアパネルのイコライザーとボリューム

HEDD アクティブスピーカーはリアパネルの2バンドイコライザーで低域と高域を簡単かつ効果的に調整できる点も魅力です。一般的なプリメインアンプのトーンコントロールではここまで効果的な調整は出来ないと思います。

ロックなスピーカーを求めて – HEDD type 05

2017-08-24

前回は Klipsch RB-41Ⅱ を実測して聴感上と変わらない高域寄りな特性であることがわかりました。低域不足と散々書きましたが ^^; 、小口径10cmウーハーと言えどももう少し低域は欲しいところです。

一方、HEDD Type 05 は Klipsch 比較では大きなボディですが、コンパクトスピーカーで有名な JBL 4312M とほぼ同じサイズでデスクトップとしても利用できるアクティブスピーカーです。

こちらは以前紹介したとおりに極めてフラットな周波数特性で低域も実測で50Hzまで出ておりサイズとしては申し分ない低域特性です。聴感上も2台の低域の差は歴然で HEDD は重心のグッと下がったヘビーボトムサウンドが楽しめます。(一般的にはこの程度の低域の量感が迷惑防止の意味も含め程よいと思っていて、これ以上求めるなら防音対策が必要かなと思います)

高域はというと、60~70年代ロックやメタル系の場合、Klipsh と比較すると曇った感じでもっと元気が欲しいと感じてしまいます。そこで試しに高域をグッと持ち上げてみました。

どうやったのか。HEDD アクティブスピーカーのリアパネルには低域と高域のバランスを調整するためのつまみがそれぞれついています。

リアパネル
写真右上の LOW SHELF, HIGH SHELF で低音、高音のバランス調整が可能
奥まっているのでマイナスドライバーを使って回しました

高域の出方に Klipsch とかなりの差があったので高域のつまみを最大にしてみました。

ハハッ。高域不足の印象はさらっと解消!Klipsch と同程度に高域が持ち上がり遜色がないどころかむしろ好ましい傾向の高域が聴けるようになりました。どういうことかというと、Klipschの場合は平面的な音で曲によってはやかましく聴こえる場合もありますが HEDD の場合は立体的な音で品のある音はちゃんと品よく鳴っています。

あの有名なスピーカーで我慢してるなら、いや満足していてもHEDD Type 05は一度聴いてみる価値のあるアクティブスピーカーです。

今回は試しに高域調整つまみを最大にしてみましたが、どんなジャンルでもこれで良いとも言えないでしょうから、次回はKlipsh同様に実測してみる予定です。

ロックなスピーカーを求めて – Klipsch RB-41Ⅱを実測

2017-08-22

元気いっぱいのKlipsch RB-41Ⅱはロックを元気よく聴かせてくれるスピーカーですが低域が寂しいのがタマニキズ。どんな周波数特性なのでしょう。

Klipsch RB-41Ⅱ単独ではわかりにくいので比較として HEDD Type 05 もあわせて測定しています。茶色が Klipsch、緑色が HEDD です。※スピーカーは前回の写真のとおりの配置です。

周波数特性グラフ
茶色:Klipsch 緑色:HEDD

※音響処理をしていない一般的なマンションの一室で安価な測定マイクを使っての測定結果(スピーカー前10cm)です。無響室での測定と同じにはならないため細部を厳密に見るには適しませんが、大まかな傾向を見るには十分に参考になります。近距離測定ですがグラフを見る限りは部屋の影響もいくらか受けているみたいですね。

やはり、というか想像以上に低域がスコンと落ちてますね。高域はというと、1,000Hz あたりから上が結構盛り上がっています。

HEDD のグラフと比較することでも、低域不足(200Hz 以下でHEDDを大きく下回っている)とハイ上がり(1,000Hz 以上でHEDDを大きく上回っている) であることがよくわかります。

※グラフは把握しやすいようにスムージングしています。

聴感的にはどうでしょうか。

ロック&ポップス系のエレキベースが使われている曲でも低域不足は明らかですが、Bluetooth スピーカー等の低域の足りない音に慣れていてあまり気にならない人もいるかもしれません。ベーシストなら明らかに低域不足を指摘するでしょう。

ジャズ系のウッドベースが使われている曲は、更に低域不足を感じます。また、曲によってはシンバル等が目立ち過ぎてやかましく聴こえる場合も多々あります。

※「家庭で測定してもその度に結果が異なるのであてにならない」という声を聞きます。個人的には測定の度に結果が異なるといった経験はなく、むしろ月・年単位程の時間経過でも同様の結果を得られています。あてになるかどうかの意見が分かれるのはおそらくマクロで捉えるかミクロで捉えるかの違いもあるでしょうし、測定条件の不備や環境変化によって結果が異なることも考えられます。

低域不足の対策としてスピーカーと(スピーカー背面の)壁との距離を調整するといった方法をとれる場合もありますが、生活空間で可能な調整範囲(=スピーカー設置位置)には自ずと限界があります。

ロックなスピーカーを求めて – HEDD type 05 vs Klipsch RB-41Ⅱ

2017-08-20

ロックなスピーカー
どちらもロックなスピーカーとしての面構えは合格ですね

最近、デスクトップはこんな感じです。
「GENELEC は?」って? 勿論ありますが流石に並べきれないので。

目的はタイトルのとおりで、ロックなスピーカーを再度検証しようという企みです。

まずは Klipsch を。
なるほどいろんな方がロック向きと称せられる訳がわかります。ロックを元気よく鳴らしてくれます。
今日の一般的なフラット志向のスピーカーでロックを聴くと、曇った元気のないサウンドでイマイチな曲が多いのですが、Klipsch RB-41Ⅱはこの不満を解消してくれます。特に60~70年代のロックとメタル系全般で効果的です。流石、ハードロックカフェ御用達メーカー!
ただし良いことずくめばかりとも言えません。低域が足りません。”ドンシャリ”ならぬ”シャリ”サウンド、かな。

次回はKlipsch RB-41Ⅱのマイク測定結果をご紹介する予定です。

オーディオの未来がここに – HEDD アクティブスピーカー

2017-07-28

HEDD のオフィシャルサイト(HEDDおよびHEDD-Japan)を覗くと、HEDD Bridge なるものが案内されています。

HEDD Bridge はHEDD アクティブスピーカーのリアパネルに差し込んで機能拡張するためのオプション群で、現在5種類のHEDD Bridge が発売予定されています。

HEDD Bridge
①がHEDD Bridgeの拡張スロット部
HEDD Bridge
スピーカー背面①のメカクシ板を外してHEDD Bridgeを装着

予定されているHEDD Bridge は全て入力機能を拡張するオプションで、図の左4つはデジタルケーブル接続、右端はワイヤレス接続できるようになるようです。

HEDD Bridge

HEDD Type 05 をお借りしています – 7(まとめ)

2017-07-19

お借りしていたHEDD Type 05 は泣く泣く昨日返却しました。(ノ_-。)

ずっと置いていたいと思えるほどの素晴らしいアクティブスピーカーでしたよ。

普段使っている10cm ウーハーの GENELEC 8320A と比較すると

  • HEDD Type 05 は約半分の価格
  • デスクトップに置けるコンパクトサイズではあるが、8320Aと比べるとかなり大きい(JBL4312M とほぼ同サイズ)
  • ウーハーの口径がカタログスペックで15cmと大きいため重低音再生に有利
  • GENELEC SAM 相当の室内音響を最適化する機能は持たず別途、機器が必要
  • 共にスピーカーごとにデジタルアンプ2基を搭載した最先端のアクティブスピーカー
  • RCA入力端子があるため一般的なプレーヤーとの接続が簡単

GENELEC 8320Aを普段使っていると、これ以上のものは必要ないのでは?と思えるほどのクォリティですが、音源によってはもう少し重低音が欲しいと感じるのも事実です(これを補うためのサブウーハー7350Aが用意されています)。こんな時 HEDD Type 05に切り替えると、かなりのレベルで満足させてくれます。

色々な音楽を再生してみましたが、ロック系、中でもメタル系等は Type 05程度の低音再生能力があった方が楽しめるかもしれません。

HEDD アクティブスピーカーのラインナップ

昨年末に発売されたばかりの HEDD(Made in Germany) は、現在4種類のアクティブスピーカーが用意されています。

シリーズ1
Type 05(左上)、Type 07(右上)、Type 20(左下)、Type 30(右下) ※ Type 20 は近日発売予定

位置づけとしては最もコンパクトで一般家庭でも使いやすい Type 05、一回り大きく低音再生能力を高めたType 07、Type 20とType 30は3ウェイユニットで更に大きくなりますがサイズばかりでなくグレードも1ランク上という位置づけだそうです。因みにType 20はType 30のウーハーが1つになった格好です。

詳細仕様はHEDD-Japan 製品ページを参照してください。

私が試聴してきたType 07とType 05ですが、6畳程度の小さな部屋ではType 05 、それ以上の部屋ではType 07が、サイズばかりでなく各々のスピーカーのポテンシャルを発揮できるように感じています。(後の評価で、6畳でもType 07やType 20の真価を発揮できることを確認

HEDD Type 05 をお借りしています – 6(より細かな補正)

2017-07-15

前回はオーディオ・インターフェースRME Babyfaceのイコライザーで顕著な部分だけをエディットしました。今回はより細かく補正可能なイコライザーを使ってよりフラットな本来の音を目指しました。

いつものように結果から。左チャンネルのリスニングポジションでの特性で、前回と同じく茶:補正前、緑:補正後です。

周波数特性グラフ

同様に右チャンネル

周波数特性グラフ

左右共に今回は第2、第3~のピークも抑え込んでいます。

その結果としてバラバラだった左右の周波数特性が近似値になって”ピンぼけ”は更に改善され、アクティブスピーカー HEDD Type 05 の本来の性能を存分に発揮できるようになります。

このように、補正することで部屋の悪影響を大幅に改善できるのですが、実践するには少しだけ敷居が高いので誰にでも薦められる方法とは言いづらいですね。

なにより、道具を揃える必要があります。

  • マイクとマイクスタンド
  • マイク入力可能なパソコン用オーディオ・インターフェース
  • 測定ソフト
  • 補正用イコライザー
  • その他マイクケーブル等々

そして測定と補正の操作方法を少し学ばなければなりません。^^;

ちょっと面倒ですね。

でも、HEDD Type 05 アクティブスピーカーは価格を優に超える音質ですから、そのままでも十分に音楽を楽しむことができます。(^o^)
気になる場合は背面に低域と高域を調整するつまみがあるのでそれを使ってみるのも良いでしょう。こんなところも通常のスピーカーでは真似出来ない嬉しい配慮ですね。

リアパネル

HEDD Type 05 をお借りしています – 5(イコライザーで簡易補正)

2017-07-13

前回、前々回のHEDD Type 05の記事で、一般の部屋でのスピーカー再生は本来の音ではなく劣化していることをお話ししました。一言で言うと”ピンボケ写真”のような音です。

そこで今回は周波数特性を変更することのできるイコライザーを使って改善を試みます。

イコライザーとして利用したのはRME社のオーディオ・インターフェースBabyfaceです。(現在は新型のBabyface Pro に置き換わっています)

結果から先に示すとこんな感じです。2本の線は各々リスニングポジションでの周波数特性ですが、茶の線は補正していない元の特性、緑の線はイコライザーを通して補正した結果の特性です。※左チャンネルのみを表示

周波数特性グラフ

グラフでわかるとおり、ピークが一番顕著な125Hz付近のみにイコライザーを適用した結果が正確に現れています。同様に右チャンネルが下のグラフです。

周波数特性グラフ

注)30Hz以下に差異が見られるのは環境ノイズによるものと思われます

イコライザー補正により顕著なピークを抑え込むことができ、全体として随分凸凹が均されました。

今回は部屋の影響が最も顕著な箇所だけをエディットした簡易的な補正ですが、音楽再生するとベールが剥がれてピントが合ってきたことが明確に体感できます。

次回は部屋の影響による周波数特性の乱れを、より細かく補正した結果を紹介する予定です。

HEDD Type 05 をお借りしています – 4(リスポジでは左右同じ?)

2017-07-12

今回はイコライザーによる補正を予定していましたが、その前にリスニングポジションでの左右スピーカーの特性を見てみたいと思います。HEDD Type 05 を使っていますが、どんなスピーカーを使ってもあてはまることです。

下のグラフはリスニングポジションでの左右スピーカーの周波数特性を比較するためのものです。

周波数特性グラフ
水色:左 ピンク:右

如何ですか?至近距離測定では、2台のスピーカーの特性はほぼ一致していましたがリスニングポジションの場合は結構な差異が見られますね。これも部屋とスピーカーの位置関係により生じた結果です。

このように同じスピーカーでも置く位置によって特性は変化してしまいます。部屋に対して左右対称に2台のスピーカーを置くのが理想ですが生活空間の中では実現困難です。仮に左右対称に置いたとしても、左右の壁の材質が同じでなければ意味がありませんし家具なども左右対称を考慮しなければなりません。あり得ませんよね。(笑)

では左右の周波数特性が一致しないと、どのようなデメリットがあるのでしょうか。

写真に例えて一言で言うと、

「ピンぼけ写真をみているようなもの」

となります。

左右で周波数特性が異なると、ある音程は右寄りに聴こえ、また別のある音程は左寄りに聴こえてしまいます。こうなると本来は中央で演奏されている音が音程によって左右にブレてしまうことになるので音像の焦点が定まらなくなることにより”ピンぼけ写真”になってしまいます。ベールが掛かったような音です。

おわかりいただけたでしょうか。図解を加えた説明がわかりやすいのですが、また別に機会に譲りたいと思います。

次回は、部屋の影響により生じた低域のピークの対策として簡易的なイコライジングを紹介する予定です。

HEDD Type 05 をお借りしています – 3(周波数特性を実測2)

2017-07-11

前回、アクティブスピーカーHEDD Type 05の周波数特性を測定しました。その時はスピーカー自体の特性を得るために近距離(10cm)で測定しましたが、今回は実際に聴いている位置(リスニングポジション)での測定です。デスクトップに設置しているためリスニングポジションとスピーカ―との距離は70cmと近距離(ニアフィールド)です。

下の図はマイクの距離を変えて左側のスピーカーの周波数特性を測定した結果です。緑の線が前回と同じ至近距離(10cm)、茶の線がリスニングポジション(略してリスポジ)で70cmです。

周波数特性グラフ

至近距離と比べてリスポジでの特性は凸凹が目立つのがわかります。顕著な箇所は矢印部分(125Hz付近)で、200Hz以上の音量と比べると10dB(約3倍)ほどブーストされています。これは今回のHEDD Type 05に限ったことではなく、どんなスピーカーでも同様の現象が起こります。

音楽再生での影響をロック&ポップスで表現すると、低域全体がボワついて歯切れが悪くなります。その結果、音楽全体がベールに覆われた見通しの悪い状態になります。音階を持つ低音楽器(ベース等)では特定の音階(図のピークの部分)だけ強調されて不自然な演奏になってしまいます。

※一般的な家庭で再生している音楽は程度の差こそあれ部屋の影響によりこのような状態で聴かれています。

下の図は右側のスピーカーを同様に測定した結果です。こちらも矢印部分(125Hz付近)のピークが目立っていて左スピーカーと同様の影響を受けていることがわかります。

周波数特性グラフ

このままでは折角の高性能スピーカーHEDD Type 05 の本領を発揮することはできないので、簡易的にイコライジングして補正した様子を次回ご紹介しようと思います。

HEDD Type 05 をお借りしています – 2(周波数特性を実測)

2017-07-10

お借りしているHEDD Type 05はジャンルを選ばない高音質なアクティブスピーカーです。スペック上の周波数特性(±1.5dB):52Hz – 20kHzも高音質を物語る数値の一つと言えるでしょう。そこで測定用マイクを使って実測してみました。

反射音などの部屋の影響を少しでも抑えてスピーカー自体の特性を測るためにマイクはスピーカー全面の10cmの位置として左右各々のスピーカーを測定しました。

周波数特性グラフ
横軸は音の高さで、可聴帯域と言われている20~20,000Hz の範囲。縦軸は音の大きさ。

グラフの茶色と緑色は左右各々のスピーカー特性です。無響室ではありませんしリスニング用に配置したスピーカー位置での測定ですから、カタログスペックほどはフラットな特性になりませんが、グラフからは次の事が言えます。

  • 低域から高域までほぼフラット
  • 左右スピーカーの特性もほぼ一致
    ※左右のばらつきは主に部屋の影響と思われる

当然のことながらカタログスペックに嘘偽りは無いと言える程の実測データがとれました。

測定用マイク
測定に使用したマイク:IK Multimedia のARC System2 同梱品

HEDD Type 05 をお借りしています

2017-7-8

HEDD-Japan さんからお借りしているアクティブスピーカー HEDD Type 05 をデスクトップに設置しました。※HEDDは期待のドイツの新興メーカーで過去ブログにも何回か取り上げてきました。

HEDD Type 05
高さ確保と振動対策に卓上スピーカースタンドと御影石を置きました

サイズ的には JBL 4312M とほぼ同じ。奥行きがあるのはアンプ内蔵だからと捉えればよいですね。デスクトップにも置けるサイズです。

Type 05
HEDD Type 05 : 308 × 180 × 228mm
JBL 4312M
JBL 4312M : 300× 181 × 180mm

色はマットブラックで表面はウレタンゴム?のコーティング仕上げのようです。振動を抑えるのに有効なのかもしれません。ツイーター(ハイルドライバー)の黄色がアクセントになっています。

HEDD AMT

詳細スペックはHEDD製品ページを見ていただくとして、概要としては

  • ツイーター:HEDD AMT (Air Motion Transformer)
  • ウーハー:152mm UHC cone (Ultra Honeycomb Composite)
  • ICEpower amp 50w を2基搭載(各々ウーハー、ツイーター専用として)
  • 周波数特性:45Hz – 50kHz、52Hz – 20kHz(±1.5dB)
  • バランス(XLR) / アンバランス(RCA) 入力
  • オプションによる各種デジタル入力

デジアン(ICEpower)によるバイアンプは勿論の事、52Hz – 20kHz(±1.5dB)のフラットな周波数特性はGENELEC同様に特筆ものです。家庭で一般的なRCA端子も嬉しいですね。

リアパネル
MADE IN GERMANY(写真中央)は頼もしいですね。

右上はRCA入力、中央2つのネジ穴でウォールマント等が可能。

聴いてみての印象は、各ジャンルを高次元に聴かせてくれる価格を超えたもの。ロック&メタルもいけます。期待を大きく上回る音質でした。(=⌒▽⌒=)

周波数特性の測定とイコライジングによる補正も行なったので乞うご期待!(^▽^)

HEDDアクティブスピーカーの魅力 ~ HEDD Type 05/Type 07/Type 30

2016-10-17

お借りしているHEDDアクティブスピーカーの特色を紹介します。

HEDD-Japanにも書かれていますが2つの大きな特色があります。

一つはHEDD AMTツイーターです。本家本元の最新ハイルドライバーユニットはウェーブガイドにより更に性能を高めているようです。

HEDD AMT

もう一つは背面にある拡張スロットです。
この拡張スロットには、近々発売予定の5種類のHEDDブリッジという入力カードのオプションを増設することが出来ます。

HEDD Bridge

例えば年内発売予定のB1-DANTEを増設すると、以前のブログに書いたDANTEによるAudio-over-IPに対応します。Windows/MacパソコンとLANケーブルで接続してオーディオシステムが完成したりします!

HEDDブリッジ

HEDD のアクティブスピーカーをお借りしています ~ HEDD Type 07

2016-10-14

HEDDはADAM Audioの創業者クラウス・ハインツ氏が設立したドイツのプロオーディオメーカーです。設立は昨年ですから、まだ知らない方も多いかと思います。

ADAM Audioは知らなくてもELACスピーカーのJETツイーターはご存知の方もいらっしゃるでしょう。JETツイーターはクラウス・ハインツがADAM Audio設立以前からELACに供給しているそうです。

今回、日本法人のHEDD JapanにType 07スピーカーを貸していただきました。

スペック的には HEDD AMT ツイーター+7インチウーハー、ICEpowerバイアンプ(2 x 100W)構成で、周波数特性38Hz – 50kHzですからハイレゾ音源も余裕です。
また±1.5dB周波数特性も45Hz – 20kHzで大変優秀です。

Ryu Mihoさんのアルバム「Call me」を聴いていますが、音源のクォリティを存分に引き出していると感じました。


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