スピーカーにはスピーカーケーブルでつなげば良いんだよね?
スピーカーの種類によって使用するケーブルの種類は異なります。
どんな種類のスピーカーかよく確かめた上でケーブルを選びましょう。
スピーカーケーブルとは、パッシブスピーカーをプリメインアンプやパワーアンプにつなぐためのケーブルです。アクティブスピーカーを音楽プレーヤーやDACにつなぐ時は、RCAケーブル・XLRケーブル・その他のラインケーブルを使います(スピーカーケーブルは使いません)。
この記事を読めばパッシブスピーカーをつなぐためのケーブルと、アクティブスピーカーをつなぐためのケーブルについて理解することができます。
パッシブスピーカーのケーブル
パッシブスピーカーはプリメインアンプやパワーアンプ等のスピーカー出力端子が付いたアンプを使うことが前提のスピーカーで、接続にはスピーカーケーブルを使います。関連記事:スピーカーで音楽を聴くにはパワーアンプが必要
次の画像は、ATOLL MA100(パワーアンプ)とamphion Arogon0(パッシブスピーカー)の接続例です。
パワーアンプの「+」とパッシブスピーカーの「+」を、同じく「-」と「-」をスピーカーケーブルでつなぎます。通常はステレオ2チャンネルですからスピーカーケーブル2本を使います。
スピーカーケーブルをつなぐためのパワーアンプとパッシブスピーカーの端子の種類はバナナプラグ・Yラグ・その他様々ですから、端子の種類を確認してスピーカーケーブルを選ぶ必要があります。ケーブルを直に接続できる端子もあります。
アクティブスピーカーにスピーカーケーブルは使わない
アクティブスピーカーにスピーカーケーブルは使えないので注意してください。
パッシブスピーカーケーブルという名称であれば間違いも少なくなるでしょうが、パッシブスピーカーのほうがアクティブスピーカーよりも歴史が長い為に単にスピーカーケーブルという名称になったと思われます。
ホームオーディオにも採用され始めたスピコン(speakON)
speakON(スピコン)はプロオーディオで標準のスピーカーケーブルのコネクターです。高い信頼性と容易な接続を兼ね備えています。XLR端子同様にノイトリック製コネクターが広く使われています。
パワーアンプのBenchmark AHB2は一般的なスピーカー出力端子とspeakON(スピコン)端子が搭載され、speakONの使用が推奨されています。
ANALYSIS PLUSのスピーカーケーブル3タイプ Clear Oval/Black Oval 12/Silver Ovalを使うとspeakONコネクターを利用できます。※オーディナリーサウンドのショップでは注文時にケーブル両端の各々のコネクターをバナナ/Yラグ/スピコンから選択可能です。
PCスピーカー(アンプ内蔵)につなぐケーブル
パッシブスピーカー2台の片方に2台分のアンプを内蔵した一般的なPCスピーカー(簡易アクティブスピーカー)は、音楽プレーヤーやDACとつなぐためのケーブルと2台のスピーカーをつなぐためのケーブルを使います。※通常、付属品としてスピーカーに同梱されています。
何故、それぞれのスピーカーで種類の異なるケーブルを使うのかについては「スピーカーとアンプの基礎知識」のPCスピーカーの場合を参照してください。
PCスピーカー(アンプ内蔵)の入力端子とケーブルのコネクター
片方のスピーカーには音楽プレーヤーやDACとつなぐための入力端子があります。PCスピーカーは多くの場合アンバランス接続ですからRCAまたは3.5mmステレオの入力端子です。RCAまたは3.5mmステレオコネクターのケーブルを使います。
更に左右のスピーカーをつなぐための端子もあります。この端子につなぐのはスピーカーケーブルです。
上の図からもわかるように、PCスピーカーの多くは片方がアクティブスピーカーでもう片方がパッシブスピーカーという構成です。オーディナリーサウンドではこのような構成のスピーカーを簡易アクティブスピーカーと呼んでアクティブスピーカーと区別しています。
モニタースピーカー(アンプ内蔵)につなぐケーブル
アンプを内蔵したモニタースピーカーにスピーカーケーブルは使いません。パワーアンプやプリメインアンプ等の入力端子に接続するラインケーブル(XLRケーブル、RCAケーブル等)を使います。ラインケーブルをインターコネクトケーブルと呼ぶこともあります。
モニタースピーカーにはアンプを内蔵していないパッシブスピーカーもあります。パッシブスピーカーですからプリメインアンプやパワーアンプとスピーカーケーブルで接続します。
アンプ内蔵モニタースピーカーの入力端子とケーブルのコネクター
アンプを内蔵したモニタースピーカーの一般的な入力端子はXLRまたはRCA(下の画像上段)ですから、接続にはXLRケーブルまたはRCAケーブルを使います。入力端子がコンボジャック(画像中段)のモニタースピーカーはXLRまたは6.3mmTRSケーブルを使うことができます。スピーカーによっては6.3mmTS(アンバランス)にも対応したコンボジャックが付いています。
バランス接続にはXLRまたは6.3mmTRSを、アンバランス接続にはRCAを使います。
少数派ながら、6.3mmTRSの入力端子が付いたスピーカー(下の画像下段)もあります。
左中:コンボジャックでバランスとアンバランスに対応
左下:TSRでバランスに対応
アンバランス出力機器をバランス入力のアクティブスピーカーにつなぐ方法
スマホやパソコンのヘッドホン端子、ホームオーディオ機器の多くはアンバランス出力です。これらをアクティブスピーカーとバランス接続する方法は「バランス接続端子とオーディオケーブル:種類と接続事例」の「アンバランス バランス変換」をご覧ください。
デジタル入力端子を持つモニタースピーカー
アンプ内蔵モニタースピーカーの中にはHEDD Audio MK2 SeriesやADAM Audio S Series等デジタル入力に対応した機種があります。
モニタースピーカーの多くのデジタル入力端子は民生用規格のS/PDIFではなく業務用規格のAES/EBUです。アナログでいうところのRCAとXLRのような関係です。
AES/EBUのデジタル出力端子を持つプレーヤーやDAC/オーディオインターフェイスからデジタル音声を受け取ります。
Bluetoothスピーカーはケーブル不要
Bluetoothスピーカーはワイヤレススピーカーの一種ですから送信側の音楽プレーヤーがBluetoothに対応していればケーブルは必要ありません。
Bluetoothに対応していない音楽プレーヤーやテレビをケーブルで接続してスピーカーで聴けるようにアナログ/デジタルの外部入力端子の付いたBluetoothスピーカーもあります。
まとめ
- スピーカーケーブルは、パッシブスピーカーをプリメインアンプやパワーアンプにつなぐためのケーブル
- アクティブスピーカーを音楽プレーヤーやDACにつなぐには、ラインケーブルを使う
「アンプとスピーカーはスピーカーケーブルでつなぐ」は必ずしも正しい説明ではない
この記事を読んで既に理解していただけたと思いますが、「アンプとスピーカーはスピーカーケーブルでつなぐ」と表現すると誤解が生じるので気を付けたいものです。
例えば、聞き手が「アンプ」をヘッドホンアンプと解釈し「スピーカー」をアクティブスピーカーと解釈して、ヘッドホンアンプのライン出力端子とアクティブスピーカーの入力端子をスピーカーケーブルでつなごうとするようなことが起こってしまいます。
スピーカーケーブルのFAQ
- スピーカーはスピーカーケーブルで接続するのですか?
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スピーカーケーブルで接続するタイプのスピーカーと、スピーカーケーブル以外のケーブル(RCAケーブルやXLRケーブル等)で接続するタイプのスピーカーがあります。前者はパッシブスピーカーで後者はアクティブスピーカーです。ケーブルの種類を間違えると機器の破損の原因になるため注意が必要です。