オーディオのライトサイド:OrdinarySound

iPhoneやAndroidスマホアプリで簡単オーディオチェック

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血圧を知るには血圧計、車の速度はスピードメーター、体重だって身長だって計測器を使わなければ具体的にどんな状態であるかを知ることはできません。オーディオ機器で聴いている音楽がどの程度忠実に本来の音を再現できているかを知るにも計測器を利用することになります。

パソコンと測定用マイクを使った測定が望ましいのですがiPhone・iPad・Androidスマホで手軽に測定することもできるので、まずは気軽にスマホの測定アプリを使ってみるのもよいでしょう。無料アプリとスマホ内蔵マイクを使えば何も買い足す必要もありません。

PCと測定用マイクを使った測定については、スピーカー再生環境の測定:概要と必要なものをご覧ください。

目次

スマホアプリと内蔵マイクで簡易的オーディオ健康診断

通常、スマホやタブレットにはマイクが内蔵されていますから、この内蔵マイクと無料アプリで”オーディオ機器で再生している音は耳元にどのように届いているのか”を知ることができます。

測定用信号の準備

測定するには20Hz~20kHzのスイープ信号をスピーカーから再生する必要があります。PCの再生音をスピーカーから出力できる場合は、次の記事でスイープ信号を再生することができます。PC以外でWAVEファイルを再生できる場合は同じく次のページからダウンロードして再生していただいても構いません。ダウンロードした音声ファイルをCDに焼いてCDプレーヤーで再生する方法もあります。

再生時にはアンプのボリュームに気をつけてください

測定アプリのインストールと設定

以下はアプリのETANI RTAを使っての説明です。その後にETANI RTAが配信終了(2019年2月28日)になったため、代わりとしてAudio Frequency Analyzer(iOSのみ、有償)またはKRK Audio Tools(無償)を使ってみてください。

測定アプリは無料のETANI RTAを使います。※Android版は残念ながらリリースされていないようです

ETANI RTAをインストールしたら開いて「条件設定」をタップして下のスクリーンショットのように設定します。

ETANI RTA起動画面
条件設定画面
条件設定画面の「戻る」で元の画面に戻します。

iPhone(iPad)のマイクの位置を確認してください。オーディナリーサウンドで使っているiPad mini 4のマイクは赤丸の部分です。※側面ではなく背面のマイクをスピーカーに向けて測定しました

iPadのマイク

iPhone(またはiPad)を内蔵マイクの位置を意識してスピーカーに向けて構えます。(普段聴いている場所で内蔵マイクが耳の高さの位置になるようにしてください。)

マイク設置位置

水平方向の位置は、ふだん音楽を聴いている場所
垂直方向の位置は、耳の高さにマイクの高さをあわせる

「測定」をタップしてすぐさまスイープ信号を再生します。左チャンネルから音が数秒間聴こえてきます。※操作に少し慣れが必要かもしれません。何故なら無償版ETANI RTAは15秒間しか動作しないからです。有償のPro版はこの限りではないようです。

再生が終わるとこのような結果になりました。

左チャンネル測定結果のグラフ

※結果は環境によって異なります。

※スクリーンショットを撮っておくとよいでしょう。

※より正確な結果が得られるように、測定時の再生音量は可能な範囲で大きめにしてみてください。

次に右チャンネルを測定するので、先程と同じ位置にiPhone(iPad)を構えて「測定」をタップし、すぐさまスイープ信号を再生してください。今度は右から数秒間、音が聴こえます。

右チャンネル測定結果のグラフ

右チャンネルは上のようになりました。

測定結果の検証

いかがでしょうか。左チャンネルと右チャンネルのグラフを比較すると形が結構異なっていますね。

今回もオーディナリーサウンドのリファレンススピーカーHEDD Type 20で再生しているので、PCと測定用マイクを使った以前の結果と比較してみます。

HEDD Type 20

左チャンネル

iPadとETANI RTA

ETANI RTA 左チャンネル

PCと測定用マイク

PC測定 左チャンネル

右チャンネル

iPadとETANI RTA

ETANI RTA 右チャンネル

PCと測定用マイク

PC測定 右チャンネル

左右チャンネル共にiPad内蔵マイク(とiPadアプリ)で測定した周波数特性は測定用マイク(とPCアプリ)の場合と概ね同じ結果と言っても差し支えないでしょう。125Hz付近に大きなピークがある点をはじめ全帯域に渡って山(ピーク)や谷(ディップ)は似たような形に描かれています。iPad内蔵マイクの場合、流石に50Hz以下の音圧が測定用マイクと比べて落ち込んでいるのはやむを得ないでしょう。

このように、本格的な測定器を揃えなくても、まずはiPhoneやiPadと無料アプリで簡易的な計測ができます。

ここで得た結果から大切な課題が見えてきます。大きな課題は低域の大きなピーク(今回の例では125Hz)を無くすことと、左右の周波数特性のバラツキを均等にすることです。

オーディオ機器をどれだけグレードアップしても測定で見えてきた課題の対策には何の役にも立ちません。

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