音の健康診断やってますか?やってみませんか?

音の健康診断やってますか?やってみませんか?

ドクター

血圧を知るには血圧計、車の速度はスピードメーター、体重だって身長だって計測器を使わなければ具体的にどの程度であるかを知ることはできません。オーディオ機器で再生している音楽が、本来の音で耳元に届いているかどうかを知るにも計測器を利用することになります。

PCアプリと測定用のマイクを使ってリスニングに適した状態で再生されているかどうかチェックすることをおすすめします。準備するものは、PCとPCアプリ、測定用マイクの他にオーディオインターフェイスやマイクケーブル、マイクスタンドと色々あるため即座に始められる方は少ないと思うので、iPhoneやiPadを使ってもっと手軽に測定する方法から先にご紹介します。

iPhoneやiPadを使った簡易的なオーディオ健康診断

通常スマホやタブレットにはマイクが内蔵されていますから、この内蔵マイクと無料アプリで”オーディオ機器で再生している音は耳元にどのように届いているのか”を知ることができます。※測定用マイクとPCアプリを使った測定事例については「高音質再生のためにやっておくべきたった一つの事:音響特性の改善」をご覧ください。

測定用信号の準備

測定するには20Hz~20kHzのスイープ信号をスピーカーから再生する必要があります。PCをスピーカーで再生する環境がある場合は、この記事でスイープ信号を再生することができます。PC以外でWAVEファイルを再生できる場合は同じくこのページからダウンロードして再生していただいても構いません。場合によってはダウンロードしたWAVEファイルをCDに焼いてCDプレーヤーで再生する方法もあります。

再生時にはアンプのボリュームに気をつけてください

測定アプリのインストールと設定

測定アプリは無料のETANI RTAを使います。※Android版は残念ながらリリースされていないようです

ETANI RTAをインストールしたら開いて「条件設定」をタップして下のスクリーンショットのように設定します。

ETANI RTA起動画面 条件設定画面

条件設定画面の「戻る」で元の画面に戻します。

iPhone(iPad)のマイクの位置を確認してください。オーディナリーサウンドで使っているiPad mini 4のマイクは赤丸の部分です。※側面ではなく背面のマイクをスピーカーに向けて測定しました

iPadのマイク

iPhone(またはiPad)を内蔵マイクの位置を意識してスピーカーに向けて構えます。(普段聴いている場所で内蔵マイクが耳の高さの位置になるようにしてください。)

マイク設置位置水平方向の位置は、ふだん音楽を聴いている場所
垂直方向の位置は、耳の高さにマイクの高さをあわせる

「測定」をタップしてすぐさまスイープ信号を再生します。左チャンネルから音が10秒間聴こえてきます。※操作に少し慣れが必要かもしれません。何故なら無償版ETANI RTAは15秒間しか動作しないからです。有償のPro版はこの限りではないようです。

 

こちらからWAVEファイルをダウンロードして再生しても構いません。(16bit 44.1kHz)

 

再生が終わるとこのような結果になりました。

左チャンネル測定結果のグラフ

※結果は環境によって異なります。

※スクリーンショットを撮っておくとよいでしょう。

※より正確な結果が得られるように、測定時の再生音量は可能な範囲で大きめにしてみてください。

 

次に右チャンネルを測定するので、先程と同じ位置にiPhone(iPad)を構えて「測定」をタップし、すぐさま下のファイルを再生してください。今度は右から10秒間、音が聴こえます。

 

こちらからWAVEファイルをダウンロードして再生しても構いません。(16bit 44.1kHz)

 

右チャンネル測定結果のグラフ

右チャンネルは上のようになりました。

測定結果の検証

いかがでしょうか。左チャンネルと右チャンネルのグラフを比較すると形が結構異なっていますね。

今回もオーディナリーサウンドのリファレンススピーカーHEDD Type 20で再生しているので、PCと測定用マイクを使った以前の結果と比較してみます。

HEDD Type 20

左チャンネル

iPadとETANI RTA

ETANI RTA 左チャンネル

PCと測定用マイク

PC測定 左チャンネル

右チャンネル

iPadとETANI RTA

ETANI RTA 右チャンネル

PCと測定用マイク

PC測定 右チャンネル

左右チャンネル共にiPad内蔵マイク(とiPadアプリ)で測定した周波数特性は測定用マイク(とPCアプリ)の場合と概ね同じ結果と言っても差し支えないでしょう。125Hz付近に大きなピークがある点をはじめ全帯域に渡って山(ピーク)や谷(ディップ)は似たような形に描かれています。iPad内蔵マイクの場合、流石に50Hz以下の音圧が測定用マイクと比べて落ち込んでいるのはやむを得ないでしょう。

このように、本格的な測定器を揃えなくても、まずはiPhoneやiPadと無料アプリで簡易的な計測ができます。

ここで得た結果から大切な課題が見えてきます。大きな課題は低域の大きなピーク(今回の例では125Hz)を無くすことと、左右の周波数特性のバラツキを均等にすることです。

オーディオ機器をどれだけグレードアップしても測定で見えてきた課題の対策には何の役にも立ちません。

Room Correctionカテゴリの最新記事