MQA-CDユーザーなら既にご存知かと思いますが、http://www.mqa.co.ukからMQA TagRestorerなるツールをダウンロードできるようになっています。
※MQAサイトによると2018/9/26現在はWindows版のみのようです
※Mac版もリリースされました(2018/11/9追記)
MQA TagRestorerと共にインストールされるPDFによると
MQA CD をリッピングした場合、ファイルがポータブルプレーヤーや再生ソフトウェアによって認識されないことがあります。この問題を解決するため、MQA は、ファイル名とヘッダーを認識しオーディオファイルに復元するシンプルなアプリケーションを開発しました。
出典:ユーザーガイド(MQA CD Ripping_ja-jp.pdf)
とあります。
以前にオーディナリーサウンドで試した環境では、通常にリッピングしたFLACがネイティブのMQAとしてMQA対応のLiberty DACで再生されていることを確認しているので、特にこのツールを必要としていませんでした。しかし折角提供されていることもあり先日試してみた次第です。
【MQA再生環境】
リッピング:
いつもと変わらずCUERipperをPureReadドライブの組み合わせでイメージファイル(Cue Sheetを埋め込んだFLAC)を作成
再生ソフト:
JRiver Media Center 24 および foobar2000 ver.1.3.7(共にWin, ASIOドライバー)
DAC:
MYTEK Liberty DAC
MQAとして再生されていることの確認手段:
Liberty DAC の再生ステータスを示すインジケーターが青色点灯(通常のPCMはオレンジ、DSDは白)
MQA TagRestorerのインストール
リンク集のMQA TagRestorerからダウンロードできます。※無償です
リンク先はco.ukにもかかわらずページ下部は日本語になっていて親切。
MQA TagRestorer ダウンロード
MQAのサイトからダウンロードしたZIPファイルを解凍後に「MQATagRestorerInstaller.msi」をダブルクリックしてインストールしました。
スタートメニューからMQAタグ・リストアをクリックしてアプリを起動します。
MQA TagRestorerの操作
操作はとてもシンプルでファイルをウィンドウにドラッグ&ドロップするだけです。
暫くすると元のファイルがあった場所にMQAという名称のサブフォルダが作られてその中に新しいファイルが作られます。
当初は試したファイルが埋め込みCue SheetのFLACとのことで、正しく動作できるか不安もありましたが大丈夫でした。
元のファイル(例):
Hi-Res CD Sampler for Classics (MQA).flac
MQA TagRestorerが作ったファイル(例):
Hi-Res CD Sampler for Classics (MQA).mqa.flac
このようにファイル名の拡張子flacの前に”.mqa”が追加されています。
foobar2000で各々のプロパティを開くと次のような差異がありました。
オリジナル
MQA TagRestorer使用
MQAEncode情報とORIGINALSAMPLERALEが追加されています。(水色の選択箇所)
ファイルサイズもほんの少しですが増えていました。
再生
この時、残念ながらLiberty DACがなかったのでMQA再生の確認はできませんでしたが、CDクォリティとしては再生されました。(MQA TagRestorerを使わなくてもネイティブMQAとして正しく再生されていたので問題ないかと思われます)
リッピングしたMQAファイルがハイレゾ(ネイティブのMQA)で再生できない場合は、このMQA TagRestorerを使うと良いようです。Mac版も早くリリースされると良いですね。※リリースされました
追記:MQAとして認識されないMQAファイルをMQATagRestorerで正常再生(2021/9/16)
MQA-CDからリッピングしたFLACをAudirvana(Win)とhip-dac(MQAレンダラー対応)で再生すると、16bit44.1kHzで再生されたため、MQAとして再生されるように対処しました。
解決方法は簡単で、MQATagRestorerでMQAタグを復元させるだけです。復元されたFLACファイルを同一環境で再生すると無事にMQAとして認識されハイレゾで再生することができました。以下がその様子です。
対象となるファイルをMQATagRestorerにドロップします。
新規に作られたMQAサブフォルダのFLACファイルをAudirvanaで表示すると、アルバム一覧のサムネイルにMQAマークが現れ、トラックリストではサンプリング周波数が高くなっていることがわかります。
再生すると、24bit176.4kHzのMQAを32bit88.2kHzで再生していることがわかります。※おそらくhip-dacのレンダラーにより176.4Hzではなく88.2kHzで再生されていると思われます。
hip-dacはMQAを再生中であることをマジェンタ色のLEDで示していました。