オーディオインターフェイスのアナログ入出力はバランス接続が一般的です。エントリークラスの1万円台の機種でさえバランス入出力ですから、ホームオーディオやポータブルオーディオの「普及機=アンバランス、高級機=バランス」とはかなり事情が異なります。
最近は4.4mmコネクターでバランス対応したローコストなUSB DACも増えてきましたが、これに対応するバランスケーブルが一般的なバランスケーブル(XLRや6.3mmTRS)と比較するとかなり割高であることから安易にバランス対応機種が安くなったとは言い難い状況です。
オーディオインターフェイスの出力端子と接続先の入力端子は様々なパターンがあり、これに合わせたケーブルが用意されています。この記事では接続端子のパターンと選択するケーブルについて説明しています。
出力
オーディオインターフェイスのライン出力は主にアクティブスピーカーやプリメイン(またはパワー)アンプにつなぎます。一般的にオーディオインターフェイスにはヘッドホン端子が装備されているので、ヘッドホンアンプとして使うこともできます。
出力端子の種類と適合するプラグ
オーディオインターフェイスのアナログ出力端子にはバランス接続の6.3mmフォーンTRSやXLR、アンバランス接続のRCA等のプラグを接続します。
ヘッドホン端子はアンバランスの6.3mフォーンTRS(ステレオフォーン)が一般的です。ヘッドホンケーブルのプラグが3.5mmフォーンの場合は、3.5mm to 6.3mm変換アダプターを利用します。
オーディオインターフェイスの出力はバランスが主流で、接続端子の多くは6.3mmTRSです。ホームオーディオで6.3mmTRSはヘッドホンの接続端子として使われますが、プロオーディオ機器ではヘッドホン以外にもバランス接続端子として標準的に使われています。
オーディオインターフェイスによってはアナログ出力端子の他にデジタル出力端子が付いた機種もあります。
接続先によって異なるケーブルの種類
オーディオインターフェイスの出力に適合するケーブルでアクティブスピーカーやアンプに接続します。ケーブルのもう片方のプラグは接続先の入力端子に適合するものを選びます。以下がその例です。
オーディオインターフェイスの出力端子が6.3mmフォーンTRSで接続先の入力端子がXLRの場合:
オーディオインターフェイスの出力端子が6.3mmフォーンTRSで接続先の入力端子がコンボジャックの場合:
出力先の入力端子がWharfedale Pro Diamond Studio 5-BT/7-BTのようにコンボジャックの場合は、6.3mmTRSフォーンプラグでもXLR(オス)プラグでもバランス接続できます。(コンボジャックについては「オーディオケーブルの種類と選び方」のコンボジャックをご覧ください。)
ケーブルは上記の6.3mmTRS – XLR(オス)のバランスケーブルでも、6.3mmTRS – 6.3mmTRSのバランスケーブルでも利用できます。ケーブルについてはバランス接続端子とオーディオケーブル:種類と接続事例をあわせてご覧ください。
オーディオインターフェイスの出力端子と接続先の入力端子がXLRの場合:
オーディオインターフェイスの出力端子がXLRで接続先の入力端子がコンボジャックの場合:
XLRケーブルまたは、XLR(メス)- 6.3mmTRSバランスケーブルで接続します。ケーブルについてはバランス接続端子とオーディオケーブル:種類と接続事例をあわせてご覧ください。
オーディオインターフェイスの出力端子と接続先の入力端子がRCAの場合:
RCA(アンバランス)出力にも対応したオーディオインターフェイス
SSL 2+(Solid State Logic)はバランス出力に加えてアンバランス(RCA)の出力も可能なオーディオインターフェイスです。
アンバランス出力可能なオーディオインターフェイスは、プリメインアンプやアンバランス入力のアクティブスピーカーなどに接続できて活用範囲が広がります。
※SSL2+はRCA出力(アンバランス)の他に6.3mmフォーンTRS出力(バランス)も可能です
ケーブル接続時の注意点
ケーブルを接続する時は、機器の電源が入っていないことを確認しましょう。電源が入った状態で接続すると、機器の破損につながる恐れがあります。
バランス非対応機器とオーディオインターフェイスの出力を接続する方法
バランス出力のオーディオインターフェイスをバランス入力端子を持たない機器と接続するにはどうすればよいでしょうか。
接続先にRCA入力端子がある場合
バランス出力とアンバランス(RCA等)入力を接続するための変換ボックス(ART Clean Box Proなど)を使います。オーディオインターフェイスのバランス出力を変換ボックスのXLRに、プリメインアンプ等のRCA入力を変換ボックスのRCAにケーブル接続します。
RCA出力端子を持つオーディオインターフェイス(SSL2+等)は、RCAケーブルでRCA入力端子に接続します。
多くのオーディオインターフェイスの音声出力はバランス出力ですから、一般的なプリメインアンプ等のアンバランス入力(RCA)に接続することは避けましょう。※アンバランス接続も可能なオーディオインターフェイスもあるので、接続する前に各オーディオインターフェイスのマニュアルを確認してください。
接続先にS/PDIF入力端子がある場合
S/PDIF出力端子を持つオーディオインターフェイス(iD44、Apollo x6等)は、S/PDIFケーブルでS/PDIF入力端子に接続します。
GALILEO 238 Plus (SOMMER Cable)のTRS – XLRバランスケーブル
写真のケーブルは、SOMMER Cableのハイエンドオーディオに特化した仕様GALILEO 238 Plus のTRS-XLR(M)ケーブルです。コネクターは、XLRが定番のNeutrik NC3MXX-B、TRSがHICON(SOMMER Cable)のHI-J63S04。
ケーブル長とコネクターをチョイスできます。(お問い合わせ)
購入時にプラグをチョイスできるAnalysis Plusのケーブル
Analysis Plusの多くのケーブルは購入時にプラグの種類を選択することができます。
マイク入力
オーディオインターフェイスにマイクを接続してPC等のホストデバイスに出力するには、マイクアンプを搭載したオーディオインターフェイスを使います。多くのオーディオインターフェイスはマイクアンプを搭載していますが、新たに入手する場合はマイクアンプ搭載か否か・マイク入力チャンネル数は?等は事前に確認することをおすすめします。
コンデンサーマイクを使う場合は、コンデンサーマイクに電源を供給するファントム電源を搭載したオーディオインターフェイスを使いますが、こちらも多くのオーディオインターフェイスに搭載されています。