チューブ・マイク・プリアンプやフォノイコライザー等で人気のART(米)のミキサー型USBオーディオインターフェイスUSB MIXの紹介です。
CDよりも小さなオーディオインターフェイス
ART USB MIXは、寸法:41H×101W×121Dmmと幅・奥行きはCD(120mm)よりもコンパクトな サイズのオーディオインターフェイスです。

価格も1万2千円(税別標準価格)と安価ながらスチールボディのしっかりした作りでWebの写真で見るよりも高い質感を持っています。
このサイズにもかかわらず3系統のアナログ入力、アナログ出力、ヘッドホン出力を装備したUSB 2.0(Windows、Mac、Linux)対応のART USB MIXはどのような活用法があるでしょうか。
活用法
- ボリューム付きのUSB DACとして
- レコードやカセットを音楽ファイルに保存するためのUSB ADCとして
- 室内音響測定のためのマイクアンプ&USB ADCとして
- スタンドアローンのミニ ミキサーとして
ボリュームコントローラー付きのUSB DAC(バランス/アンバランス対応)
Windows / MacにUSB接続してDAC(16bit 32/44.1/48kHz)として利用すれば、高音質アクティブスピーカー(またはパワーアンプ&パッシブスピーカー)に出力して高音質なオーディオシステムが出来上がります。アクティブスピーカーやパワーアンプで問題となりがちなボリューム操作もART USB MIXのボリュームノブで解決します。
メイン出力はバランス/アンバランス出力共に対応しています。
コネクターは1/4フォーンでTRSプラグを接続すればバランス出力に、TSプラグを接続すればアンバランス出力になります。

RCA入力のアクティブスピーカーやパワーアンプにアンバランス接続する場合は、HPR-000またはHPR-000X2ケーブルを使うことで変換アダプターを経由せずに直結できます。
ホームオーディオでバランス出力となるとある程度ハイグレードなDACを選択するか、ローコスト機であれば4.4mmバランス出力をXLRに変換する特殊なケーブルが必要となります。ART USB MIXは低価格でありながらアンバランス出力にもバランス出力にも対応しています。ケーブルも低価格なものを選択できます。
バランス出力対応DACとして比較的安価なLIBERTY DAC。ART USB MIX同様、1/4フォーンTRSでバランス出力します。

ZEN DACはバランス出力対応の安価なDACですが、バランス出力ケーブルもZEN DACと同額のコストがかかります。
対応ケーブル:White Barrel
ART USB MIXに最適なスピーカー
スタジオモニターの世界的トップブランドADAM AudioのエントリーとなるTシリーズT5V / T7Vは、価格を超えた高音質アクティブスピーカーですが、コスパを活かした組み合わせとなるとDACの選択肢も限られてきます。
T5V / T7Vに限らず多くのアクティブスピーカーは、スピーカー入力の手前にボリュームコントローラーが欲しくなりますが、ボリュームノブを持ったART USB MIXは一般的なUSB DACと異なり別途ボリュームコントローラーは不要です。
7万円以下でオーディオセットを考えているなら、USB MIXとTシリーズは検討してみる価値が大いにあります。
ADAM Audio T5V / T7VよりももっとコンパクトなマイクロスピーカーならiLoud Micro MonitorやiLoud MTM(イタリアIK Maltimedia)がおすすめです。
iLoud Micro MonitorはアナログとBluetoothの入力によりPCとスマホの両方に接続することが可能です。

iLoud MTMはiLoud Micro Monitorの上位モデルでコンパクトにもかかわらず自動音場補正機能を内蔵した本格派です。

レコードやカセットを音楽ファイルに保存するためのUSB ADC(バランス/アンバランス対応)
ラインレベルのステレオアナログ信号をデジタルに変換するADC機能により、レコードやカセットをPCで録音して音楽ファイルにすることができます。
メイン出力と同様にバランス入力にもアンバランス入力にも対応した柔軟な設計です。

TIPS:入力信号をPCに送り出す際はMAIN MIXを経由
USB MIXで録音する時に最初につまずいたのが、MAIN MIXを経由してPCに送り出されることだったのでメモしておきます。MAIN MIXのボリュームを絞り込むとPCに信号は行かないので注意してください。
ART USB MIXには録音編集ソフトのAudacityがバンドルされています。AudacityはWindows / Mac / Linuxに対応しているのでART USB MIXを購入するとすぐにPCで録音をはじめられるようになります。
関連記事:Audacityの使い方
室内音響測定のためのマイクアンプ&USB ADC
USB MIXはファンタム電源対応のマイク入力を1チャンネル装備しているため、通常のマイクは勿論のこと測定用のマイクも接続することができます。
コネクターはリスナーにはあまり馴染みのないXLRと1/4フォーンTSのコンボジャックになっていて、XLRプラグ(オス)でも1/4フォーンTSプラグでも接続できます。※コンボジャックはオーディオインターフェイスでは一般的な仕様です。

※こちらの入力(CH1)もライン入力と同様にMAIN MIXを経由してUSBに送り出されます。
スタンドアローンのミニ ミキサーとして
ART USB MIXはPCとUSB接続しなくても単独で3チャンネル入力のミキサーとして利用できます。
PC接続時はUSBバスパワーで電源供給されますが、スタンドアローン時は付属の変換アダプターを使ってコンセントからUSB端子に電源供給されるようになります。マイク入力端子があるので、ちょっとしたセミナーやイベントにも活用できます。
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