X-DP7は販売終了となりました
Nmode X-DP10のヘッドホンアンプレスモデルとも言えるX-DP7は、性能を落とすことなくプライスダウンされた魅力的なUSB DACです。
X-DP7とX-DP10の違いを比べる(※Nmodeサイト参照による)とともに、X-DP7の活用事例をご紹介します。
X-DP7の使い方
ドライバーのインストールと設定
パソコンでX-DP7を使う場合はドライバをダウンロードしてインストールします。
- Windows用
- MAC OS catalina用ドライバ ※更新日:2020年10月1日
※Windowsでは他にもJPLAY用のドライバーも提供されています。(上記のドライバーとは排他利用)
以下、Windowsの場合の説明です。
ドライバーをインストールするとWindowsのサウンドの再生タブに「X-DP7 USB Audio (Isoch)」が追加されます。詳細タブで32bit384kHzまで設定できることがわかります。
TuneBrowserで確認するとASIOとWASAPIにドライバーが追加されています。
TuneBrowserの設定からASIOコントロールパネルを開くと「SIC USB Audio Control Panel」が立ち上がります。※Windowsのコントロールパネルから開くこともできます。
SIC USB Audio Control Panelでは、バッファーサイズとモードを設定することができます。デフォルトでモードはIsochronousになっているのでBulk Petの各モード(mode 1~mode 4)に変更してみるのもよいでしょう。
外部機器との接続
X-DP7のリアパネルには豊富な入出力端子があるので必要に応じて接続します。
デジタル入力はパソコン等を接続するUSBの他にも同軸と光が各2系統、AES/EBUが1系統、クロック入力があります。
アナログ入力はアンバランス(RCA)2系統とバランス(XLR)2系統です。※これらのアナログ入力をUSB経由でパソコンに取り込むことはできません。
アナログ出力はアンバランス(RCA)1系統とバランス(XLR)1系統で、スイッチで固定出力と可変出力を切換可能です。
このようにプリアンプやプリメインアンプ以上に豊富なデジタル・アナログ入力を持ち、フロントパネル中央のボリュームで音量調整できますから、パワーアンプやアンプ内蔵のモニタースピーカーに直接接続することが可能です。
アップサンプリング機能
音楽ファイル再生ならではの聴き方にアップサンプリングがあります。
X-DP7はアップサンプリング機能があるため、CDリッピング時にアップサンプリングで保存することも音楽再生ソフトでアップサンプリングすることも不要です。
CDリッピング時に同時にアップサンプリングして保存する方法がありますが、オーディナリーサウンドではこの方法はおすすめしません。CDリッピングは音楽ファイルとして再生すると同時にCD音源のバックアップの働きも担っていますが、アップサンプリングしてしまうとオリジナルのCDの音楽データとは異なったデータが作られてしまうからです。リッピングは16bit44.1kHzで音楽ファイルに保存して、アップサンプリングは音楽再生ソフトやX-DP7等のハードでリアルタイム処理するようにしましょう。音楽ファイルを保存するストレージの容量も節約できて一石二鳥です。
アップサンプリングは、ボリュームの左下のレバー(画像の右下)で行います。
レバーを上げるとPCMでアップサンプリング(705.6kHzまたは768kHz)され、もう一度上げるとDSDに変換(5.6MHzまたは11.2MHz)されます(上げる度にPCMとDSDに切り換わる)。レバーを下げるとアップサンプリングはオフになります。
ファイル変換機能でアップサンプリングして保存すると巨大なファイルサイズになってしまうのでX-DP7でのリアルタイム アップサンプリングは理に適っています。
一方で音楽サブスクの場合は、手元の音楽ファイルを再生するわけではありませんから事前にアップサンプリングしたファイルを保存しようがありませんが、X-DP7でリアルタイムにアップサンプリング再生することができます。
X-DP7の音質と特徴を引き出す活用事例
高音質DACのX-DP7を徹底活用するための組み合わせ事例をご紹介します。
ポイントは豊富なデジアナ入力とボリュームによる音量調整を活かすことにあります。
X-DP7はDACとして豊富な入力があるためZEN Blueでブルートゥース接続したりZEN StreamでSpotifyコネクトなど柔軟に機能拡張できます。X-DP7のプリアンプ機能によりレコードプレーヤーやMQA-CDプレーヤーとのアナログ接続にも適しています。
PC向けのフィーチャーを活かす
DACの用途は様々でCDプレーヤーやネットワークオーディオプレーヤーの高音質化もその一つですが、X-DP7はDSD対応、Bulk Pet/JPLAYドライバーなどのフィーチャーを活かしてパソコンに接続して使いたいものです。
WindowsならTuneBrowserまたはJRiver Media Centorを、MacならJRiver Media Centorをおすすめします。TuneBrowserもJRiver Media Centorも、スマホやタブレットを使ったリモート操作に対応しているので是非とも使ってみてください。
TuneBrowserやfoobar2000、その他のアプリにもLINN Kazoo、MonkeyMoteその他のリモートアプリはありますが、JRemoteはデザイン・快適性で抜きん出ています。
新たなUSB伝送技術として登場した国産技術のBulk Petドライバーを利用できる点もX-DP7の魅力になります。
Bulk Pet解説記事:独自USB伝送技術 Bulk Pet(バルク ペット)
高精度なボリュームコントロールを活かしたシンプルで高音質なシステム
X-DP7はフロントパネルに大きく設けられたボリュームも特徴の一つです。固定出力が多いホームオーディオのDACの中で、NmodeのDACにボリュームが付いていることは大いに評価できます。ボリューム精度、ギャングエラーといった観点でも有利です。
X-DP7で音量調整ができるためパワーアンプに直結するのも良いですが、更に前進してアクティブクロスオーバーとマルチアンプをビルドインした高音質アクティブスピーカー(パワードスピーカー)を直結して使う方法をおすすめします。高音質アクティブスピーカーの優位性は、シンプルでコンパクトであるにもかかわらず高度なマルチアンプシステムでスピーカーのポテンシャルを活かしきった高音質再生ができることです。詳しくは、「アクティブスピーカーのすすめ for Music Lovers」をご覧ください。
おすすめは、HEDD AudioのTYPE 20 MK2/TYPE 30 MK2、ADAM AudioのS2V/S3V/S3Hです。
HEDD Type 20とX-DP7での試聴はハイエンドの領域に達したクォリティを発揮してくれました。HEDD AudioのMK2世代はDSP搭載により位相特性を飛躍的に改善するHEDD Lineariserを内蔵しバスレフとしても密閉としても動作可能な画期的なスピーカーに発展しています。
ADAM AudioのSシリーズは、HEDD AudioのAir Motion Transformer(AMT)と同じ仕組みのツイーターS-ARTを搭載し群を抜く高域の音質とDSPによるルームアコースティック補正機能で、あらゆる入力ソースを部屋に合わせて最適化した状態で再生します。
パッシブスピーカーのシステムなら、アンプにaudiolabの8300XPを、スピーカーはフィンランドのamphion Argon3Sでハイエンドのオーディオシステムが完成します。
Nmode X-DP10(生産終了)について
Nmode初の多機能機DACとして、2011年に発売したX-DP1,X-DP1-HFは、業界初の1bitヘッドフォンアンプを搭載し各方面から高評価をいただきました。その1bitヘッドフォンアンプの技術を進化させて、2012年に発売したX-HA1は、その当時では数少ない、バランス出力対応モデルでした。
2013年には進化するハイレゾ音源に対応すべく、DSDのネイティブ再生やプリ機能も搭載したX-DU1を発売。その高コストパフォーマンスな内容も話題になりました。
そして、Nmodeがこれまで培ってきた技術を最大限に発展させた複合機としてX-DP10が誕生。複合機だからといって、各機能のし慧能に対する妥協は一切ありません。
D/Dコンバーター、D/Aコンバーター、1bit
標準価格(税抜) 330,000円
X-DP7 vs X-DP10
X-DP7 ≒ ヘッドホンアンプレスのX-DP10
フロントパネル比較では、ボリューム右のヘッドホン端子がX-DP7には無い
X-DP7は、主にはX-DP10からヘッドホンアンプが取り除かれたものと捉えてよさそうです。
DACチップはESS9028でX-DP10から変更なし、Bulk Pet(Win/Mac)ドライバーやJPLAYドライバー(Win)対応も継承されています。デジタル出力については、プレスリリース資料に記載が無かったので省略されているようです。
下表はX-DP7とX-DP10の仕様の差異です。
X-DP7 | X-DP10 | |
デジタル出力 | (なし) | OPTICAL×1、COAXIAL×1、AES/EBU×1 |
OS | Windows 7、8、8.1、10 / Mac OS X 10.9、OS X10.10、OS X10.11、macOS 10.12 | Windows7、8、8.1、10 /Mac OS X 10.8、OS X 10.9、OS X 10.10、OS X 10.11、macOS 10.12 |
ヘッドフォン出力 | (なし) | XLR×1、6.3mmステレオジャック×1 |
ヘッドフォンアンプ | (なし) | 1bit(11.2MHz) |
消費電力 | 14W | 28W |
重量 | 約 5.9kg | 約7.5kg |
ボリューム、JPLAY用ドライバー、ワードシンク入力などは健在
X-DP10の特徴であるボリュームノブやJPLAY専用ドライバーなどは、X-DP7にも引き継がれています。
NmodeのX-DPシリーズはボリュームコントローラーが付いているためパワーアンプやアクティブスピーカーへ直結しても音量調整できます。プリアンプの利用を想定してボリュームコントローラーを使わない固定出力にも対応しています。
また、JPLAYユーザーにとってはユニークなJPLAY専用ドライバーが提供されている点も見逃せません。
アップグレードパスとしてのワードシンク入力もX-DP10から継承されているため、クロックジェネレーター接続も可能です。
製品情報
Nmode創業10周年モデル
好評のX-DP10の高性能を継承。DACに特化したX-DP7が誕生!
Nmodeがこれまで培ってきた技術を最大限に発展させた複合機としてX-DP10が誕生しました。そのX-DP10の性能を正式に継承した形でX-DP7は誕生しました。大きな変化は、ヘッドフォンアンプを排除し、DAC に特化する事により高SN 比を実現したことです。
D/Aコンバーター
標準価格(税抜) 240,000円
X-DP7 主な特徴
- 10周年モデル用に薄膜高分子積層コンデンサの専用品を製作。
- X-DP10 の性能を継承。ヘッドフォンアンプを排除しDAC に特化。高SN 比を実現。
- プリ機能は継続し高性能ラダー型電子ボリュームを搭載、パワーアンプとの接続も可能
- ボリュームを介さない固定出力とボリューム経由の可変出力の切替え可能。
- DAC はES9028 を採用。JPLAY、Bulk Pet に対応。
- DSD は11.2MHz、PCM は768kHz に対応、アップサンプリング機能搭載。
- DoP、ASIO2.0 に対応。
X-DP7 主要スペック
デジタル入力 | USB×1、OPTICAL×2、COAXIAL×2、AES/EBU×1、CLOCK×1 |
アナログ入力 | RCA×2、XLR×2 |
アナログ出力 | RCA×1、XLR×1 |
PCM | 24、32bit / 44.1、48、88.2、96、176.4、192、352.8、384、705.6、768kHz |
1bit(DSD) | 2.8224、5.6448、11.2896MHz(DoP、ASIO2.2に対応) |
OS | Windows 7、8、8.1、10 / Mac OS X 10.9、OS X10.10、OS X10.11、macOS 10.12 |
USB | USB2.0 B タイプコネクタ |
電源電圧 | AC100V 50/60Hz |
消費電力 | 14W |
サイズ | W420×H68×D320mm(突起物除く) |
重量 | 約5.9kg |
付属品 | 取扱説明書、保証書、電源コード、リモコン(各1)、単4型乾電池×2 |
まとめ
X-DP7の基本性能の高さとフィーチャーを最大限活かすために、PCと高性能アクティブスピーカーとの組み合わせをおすすめします。
PCの音楽再生ソフトをTuneBrowserまたはJRiverにすることで設定に苦労することなくDSD再生ができます。iPad、iPhone、Android端末にリモート操作アプリをインストールして快適なミュージックライフを楽しみましょう。Balk Petドライバも是非組み込んでみましょう。
X-DP7は本体と付属のリモコンで音量調整できるので、ドイツの高性能アクティブスピーカーHEDD Type 20 / Type 30と組み合わせることでシンプルと高音質を両立できます。音楽を楽しむには最善の構成です。
X-DP7はPCとアクティブスピーカーでシンプル&高音質を楽しみたい
お気に入りのスピーカーを既に所有しているなら、アンプにはX-DP7と相性の良いX-PM7 MKIIがおすすめです。