かなり昔はサンプリングレートコンバーターなどどれを使っても同じだろう位に思っていたのですが、ある時に思わぬ落とし穴であることに気づいて以来、注意するようになりました。
それは44.1kHzソースをアップサンプリング再生した時の事ですが、あろうことか余裕で22kHzより高い音を出力しているのです(スペクトラムアナライザーで確認)。製品によっては音の変化を狙って意図的にやっているものもあるでしょうし、音が良くなったと喜ばれるケースもあるでしょう。
しかし、単にサンプリング周波数を揃えるために変換しているのに、本来存在するはずのない音成分がおまけで付いてくるのは好ましくありませんね。
TuneBrowserは、高品質で評判の高いリサンプリングモジュールSoX Resamplerが標準で実装されています。しかも様々なパラメータで柔軟な設定が出来て日本語の丁寧な説明があることも大変助かります。
リサンプル処理を有効にするには、Player View右下の「RSMP」インジケーターをクリックします。Ctrlキーを押しながらクリックするとSoX Resamplerの設定画面が開きます。
SoX Resamplerの設定
TuneBrowserのリサンプリングは、設定画面の左ツリーから「SoX Resamplerの設定」を選択して設定します。
ツリー:再生の設定>再生の詳細設定>SoX Resamplerの設定
Resamplerの適用 | リサンプル処理する | SoX Resamplerの有効/無効を切替えます。 |
サンプルレートの設定 | リサンプル後のサンプルレート | リサンプル後のサンプルレートを指定します。 “Base”は元のサンプルレートに応じて44100Hzまたは48000Hzにします。”Base x2″はその “Base”に対して2倍のサンプルレート( 44100Hz であれば88200Hz)、”Base x4″はその “Base”に対して4倍のサンプルレート( 44100Hz であれば176.4kHz)にします。 “x2″は元のサンプルレートの2倍にします。”x4″は元のサンプルレートの4倍にします。それ以外の数値は、そのサンプルレートに変換します。 |
このレート以上は変換しない(Hz) | 元の楽曲のサンプルレートが、指定したサンプルレート以上の場合はリサンプル処理を行いません。0で指定なしです。ただしリサンプル後のサンプルレートBase指定の場合は、一般にダウンサンプリングを意図していると思いますので、この設定は適用されません。 | |
SoX Resamplerのパラメータ | 品質の指定 | Quickはキュービック補間を行います。以下、Low、Medium、High、Very Highの品質を指定できます。 |
Phase Response(%) | 位相応答を%単位で指定します。-1を指定すると、SoX Resamplerのデフォルト値を使用します。50(%)がリニアです。 | |
Passband End | 通過帯域を指定します。0から1未満(0.999)の小数点数で指定することができます。-1を指定すると、SoX Resamplerのデフォルト値を使用します。 | |
リサンプル処理の自動適用 | リサンプル処理を自動適用する | 「リサンプル処理する」の設定にかかわらず、自動適用するかどうかを指定します。 |
Base周波数の倍数を優先する | リサンプル処理を自動適用する場合に、Base周波数(44100Hzまたは48000Hz)の倍数となる設定を優先的に試行します。 |
TuneBrowserの他にもfoobar2000はコンポーネント追加でSoX Resamplerを利用できるようになります。こちらも細かい設定ができます。
foobar2000のResampler settings画面
JRMCも比較的新しいバージョンからSoX Resampler が実装されたようですが基本的な設定しか出来ないようですね。※詳細設定画面を見つけられませんでした
また、サンプリングレートコンバーターの性能をビジュアルに比較できるサイトなんてのもあって参考になります。