オーディオのライトサイド

TEAC Hi-Res Editor:DSDをファイル分割できる無料ソフト

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アナログ デジタル コンバーターとPCでレコードその他をDSD11.2MHzに録音可能

DSDやハイレゾPCMでレコードをPCにデジタル録音するためのADC(アナログ・デジタル・コンバーター)やADC/DACが徐々に充実し始めています。中でも様々な種類のフォノイコライザーカーブを内蔵したタイプはレコードの楽しみを大きく広げてくれます。

多くのフォノイコライザーカーブを内蔵するADC/DAC

Nu I
Nu I
JOPLIN3
JOPLINIII

レコードやその他のアナログソースを録音する場合に気に留めておきたいのは、CDと異なり曲間情報(曲の境い目)を持っていないということです。シングル盤なら通常は片面1曲ですから問題ありませんが、LP盤を録音する場合は片面に数曲入っていますから1曲目を除いてCDのように曲を指定して再生することが思うようになりません。

PCMで録音した場合は有償無償の数多くの編集ソフトを使って任意の位置でファイル分割することで解決しますが、DSDをファイル分割できるソフトの存在は限られます。KORG Nu Iは無償のAudioGateを使ってファイル分割します。M2TECHのJOPLIN MkIIIは別途ソフトを使ってファイル分割します。

TEAC Hi-Res Editorは無償のDSD編集ソフト

TEAC Hi-Res Editorは既に以前からリリースされているWin/Mac対応の無料ソフトで存在は知っていましたが使ったことはありませんでした。

製品ページでは以下のように説明されています。

『TEAC Hi-Res Editor』は、ハイレゾ音楽ファイル(DSD/PCM)の編集が可能なソフトウェアです。
DSD は11.2MHz、PCM は384kHz/32bitまでのハイレゾ音楽ファイルに対応し、DSD/PCM相互のファイル変換やサンプリング周波数などの変換のほかファイルの分割/結合といった基本的な編集に加え、画面に表示された波形を見ながらイン/アウト点で直接指定した区間の変換/書き出しを行うことが可能です。

https://teac.jp/jp/product/teac_hi-res_editor/top

DSD11.2MHzファイルの分割

そこで無償でダウンロードできる2LのサイトからダウンロードしたDSD11.2MHzファイルを使って分割を試してみることにしました。

TEAC Hi-Res Editor Win版のダウンロードとインストール

TEACのダウンロードページ下の「ソフトウェア」タブからMac版とWindows版をダウンロードすることができます。

ダウンロード先:

https://teac.jp/jp/product/teac_hi-res_editor/download

ダウンロードしたteac_hi-res_editor_win.zipを解凍後、TEAC_HiResEditor_220319.exeをダブルクリックしてインストールします。特に難しいことはないと思いますがインストールガイドも一緒に解凍されるので参考にしてみてください。

設定とDSDファイル読み込み

TEAC Hi-Res Editorを立ち上げてオーディオドライバーを設定後、編集したいファイルをウィンドウ内にドロップすると波形が表示されます。DSD11.2MHzなどのデータ量の多いファイルは波形表示に少し時間が掛かります。

※オーディオドライバーはAudient(iD4)のASIOを使いました。
Windows版ではASIO以外にWASAPIも選択できるのですがWASAPIでは再生できませんでした。他のオーディオデバイスは試していないので問題の特定はできていません。

teac_hi-res_editor

DSDファイルのダウンロードはこの記事を参考にしてください。ダウンロードページにDSD11.2MHzもいくつかあります。

再生と分割区間の指定

波形表示し終えて再生ボタンをクリックすれば再生を開始します。再生ボタンは四角の停止ボタンを挟んで2つあります。右の再生ボタンはカーソル位置(黄色の縦線)から再生するのに対して、左の再生ボタンはIn Pointから再生します。共にOut Pointで再生停止します。

波形左端にあるIn Pointと波形右端にあるOut Pointはファイル分割の対象範囲となり、共に任意の位置に移動できます。In Point・Out Pointの青い丸をドラッグするか、「IN」「OUT」ボタンをクリックしてカーソル位置にIn/Outポイントを設定することができます。

ファイル書き出しとフォーマット指定

「EXPORT」ボタンでIn PointとOut Point間を別ファイルとして書き出すことができます。 元と同じフォーマットで書き出すことも他形式にコンバートすることもできます。

Export
Export画面

LPレコードやテープから録音したDSDファイルを複数の曲に分割するには、範囲指定し直して書き出す操作を繰り返します。

まとめ

TEAC Hi-Res Editorは無料にもかかわらずDSD11.2MHzやPCM384kHz32bitにまで対応してファイル分割ができる優れたソフトです。しかも、Win/Mac両対応。

まだ、M2TECH Joplin MkIIIやKORG Nu Iでアナログ to DSD録音したファイルは試していませんが、試してみる価値あります。


昨年末(2018/12)に公開の2Lレーベルの新作YouTube
歌声の素晴らしさに聴き入ってしまいます

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