オーディオのライトサイド:OrdinarySound

roonではじめるコンプリートオーディオのすすめ

roon

roonはコンプリートオーディオを簡潔に実現するソフトウェアです。

コンプリートオーディオとは、ルームアコースティックを包含する真の高音質と快適なリスニング環境をリーズナブルに両立するオーディオスタイルのことです。

目次

ベーシックなシステム構成例

WindowsまたはMacにRoonをインストールする最もシンプルな構成です。

roonの基本構成

PCのストレージ内の音楽ファイルを再生して音声出力するといったPCオーディオの基本スタイルです。

iTunesやfoobar2000AudirvanaTuneBrowserJRiver Media Center等の音楽再生アプリ同様に、USBストレージやNASの音楽ファイルを再生することができます。

手持ちのPCにroonを体験版として試用することができます。

音楽ストリーミングサービスに対応

Roonは音楽ストリーミングサービス(音楽サブスク)にも対応しています。以下のサービスに対応しています。※2023/8/4現在

  • TIDAL
  • qobuz
  • KKBOX
roonで利用可能な音楽サブスク

畳み込み(コンボリューション)

roonの特筆すべきフィーチャーでありながら紹介される機会が極めて少ない機能が畳み込み(コンボリューション)です。畳み込みを使うことでルームアコースティックに合わせた最適な状態で再生することができます。

Roonで畳み込み(コンボリューション)を利用するにはWindowsまたはMacのRoonから設定する必要があります(2023/8/29現在)。

畳み込みはLinuxやNASのRoon Server、Roon OS(ROCK、Nucleus)でも動作しますが、畳み込み処理のためのフィルターを登録できるのはWindowsまたはMacのRoonに限ります。Roon Remoteの管理画面では畳み込みの有効/無効は設定できますが畳み込み処理のためのフィルターを登録することはできません。

iPadのRoon Remote
iPadのRoon Remote

リモートコントロール

roonをスマホやタブレットで遠隔操作したければ、Roon Remote(無料)を利用します。iPhone、iPad、Androidのスマホ/タブレットで利用できます。

PCとDACはレイアウトフリー

roonの出力音声を外付けDACでDA変換する一般的な方法はUSB DACを使うことですが、本来USBは長距離接続を想定していないためPCとDACを離れた場所に設置するのには適していません。roonが動作するPCとDACを離れた場所に設置するには、Roon Ready対応デバイスを利用する方法やRoon Bridgeを利用する方法などいくつかの方法が提供されています。インターネット等で利用されるホームネットワークにイーサネットやWi-Fiで接続して利用します。

Roon Ready

Roon Readyに対応したデバイスはネットワークに接続してRoonの音声を出力することができます。Roon Ready対応デバイスがDACを内蔵していればアンプ等とアナログ接続します。DACを内蔵していないRoon Ready対応デバイスはデジタル出力(USB、S/PDIF、AES/EBU等)で外部のDACに接続してアナログ変換します。

Roon Bridge

Roon Bridgeは(Roonが動作するPCとは別の)PCにインストールする無償のソフトウェアで、Roon BridgeをインストールしたPCが動作するDACを接続することでRoon Ready対応デバイス同様にネットワークによるroonとDACの接続を実現します。

VolumioはRoon Bridgeに対応しているので、WindowsやMac等のPCを使わずにネットワーク経由でDACを利用することができます。

ハードウェアとして提供されるVolumio(Rivo、Primo等)は、Roon Readyに対応しているのでRoon Bridgeを使う必要はありません。

Roon専用OS

PCやNASにインストールするRoonは、WindowsやMac、Linux等のOS上で動作するアプリ(アプリケーション)ですが、これとは別にRoonを動作させるためだけのオーディオ専用OS(Roon OS)も提供されています。Roon OSを使う方法としては、専用ハードウェアにRoon OSがプリインストールされた市販品のNucleusを購入する方法と、Roon Optimized Core Kit(ROCK)を無償ダウンロードしてNUC等のPCに自力でインストールする方法が提供されています。

Roon OS(NucleusまたはROCK)のメリット

  • CDリッピング可能
  • 純然たる音楽再生専用PC

ROCKのメリット

  • ローコスト
  • CPU/メモリ/ストレージその他パーツや外観を好みに応じてカスタマイズ可能
Roon Optimized Core KitRoon Coreを包含したRoon OSRoonに特化したオーディオ専用OS
Roon以外の処理が走らず軽快な安定動作
Windows版/Mac版Roon各OS上で動作するアプリケーションRoonと無関係の処理が並行して走る汎用OSであるため高いハードウェアスペックが要求される
Roon Server:Windows/Mac/Linux/NAS(Qnap x64/Synology x64/Asustor x64)
Roon Coreの種類と特徴

ROCKを使った極上のROONシステム

極上のRoonシステム
厳選パーツを使用したRoon OS搭載PC
質感の高いスタイリッシュなデザイン

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Average CPU Mark

Roon Optimized Core Kit(ROCK)でCDリッピング

ROCKのメリットの1つはCDリッピング機能です。ROCKにつないだリッピング用ドライブにCDを挿入すると自動でリッピングが始まりリッピングし終えるとCDがイジェクトされます。実に簡単です。
CDプレーヤーから先に進めなかった人でもROCKを使えば手軽に最先端の音楽再生手段が手に入ります。

Roon OSユーザーインターフェース
リッピング用の光学ドライブが認識され、9トラック目をリッピング中

CDはROCKのローカルストレージ(システムドライブを除く内蔵/USBストレージ等)にFLAC形式で保存されます。CDリッピングにより作られたフォルダやファイルにアーティスト名や曲名は反映されず、タグ情報やアルバムアートも一切付与されることはありません。

ROCKでリッピングした音楽ファイル
mp3tagでリッピングしたファイルを表示

メタデータを一切付与しないROCKのCD取り込み機能は、Roonで再生する限りは何ら問題になりません。次の画像のとおり、メタデータを埋め込んだ音楽ファイルと同等以上の情報が表示されます。※この状態でmp3tagで音楽ファイルを確認してもメタデータは一切付与されていません。あくまでRoonのデータベースで音楽情報は管理されます。

CDリッピング用の光学ドライブ
BDR-X13J-S
Pioneer BDR-X13J-S

Roonのオーディオ出力とネットワーク構成

Roonの特徴の1つは音声出力先を柔軟に選べる点です。ベーシックなシステム構成例のようにいわゆるPCオーディオの構成でPCに直結したDACに出力できる他にも、イーサネットまたはWi-FiでつながったRoonデバイス間で音声出力先を変更することができます。

Roonの音声出力先
注)Synology は、DSM7 による USB オーディオ デバイスのサポートを終了しました。

Roonの1ライセンスは1台のRoonデバイス(PC、NAS、サーバー)をRoon Coreとして使用することができます。あるRoonデバイスから別のRoonデバイスにRoon Coreの役割を移行することも自由に変更できます。

Roon Coreのみの場合

Roon CoreのみとはWindowsまたはMacにRoonアプリをインストールし、しかもRoon Remoteを使わない場合の構成です。Roonデバイスが1台のみなので自ずとRoon Coreの役割を担うことになります。Roonの音声出力先はRoonアプリをインストールしたPC(WindowsまたはMac)のオーディオ出力デバイスになります。一般的にはUSB DACを接続することになりますが、オーディオインターフェイスやPC内蔵スピーカー、イヤホンジャックを出力先にしても構いません。

オーディオ設定
Windowsの例:WASAPI、ASIOのオーディオ出力を選択可能

Roon Core+Roon Remoteの場合

Roon Remote(iOS/Android)を使ってRoon Coreをリモートコントロールする場合はRoon Coreがグラフィカルユーザーインターフェイスを持っている必要がなくなる1ため、WindowsやMac以外をRoon Core(Roon Server)として使用することができます。

Roonの音声出力先はRoon CoreをインストールしたPC・NASのオーディオ出力デバイスに加えて、Roon Remoteのオーディオ出力デバイスです。Roonで再生した音をスマホやタブレットで聴くことができます。

Roon Core+Roon Readyの場合

Roon Ready対応デバイスを使うとネットワーク接続でRoon再生をRoon Ready対応デバイスに出力することができます。Roon Ready対応デバイスにはデジタル(USB・S/PDIT・AES/EBU等)出力するタイプ、アナログ出力するタイプ、アンプを内蔵しスピーカー出力するタイプ、アクティブスピーカーのタイプなどがあります。

Roon Core+Roon Bridgeの場合

Roon Ready対応デバイスを使わなくてもWindows、Mac、LinuxのPCにRoon Bridgeをインストールすることで各PCで動作するオーディオ出力デバイスにネットワーク経由で接続することができます。例えばお気に入りのDACがRoon Ready対応していない場合に有効な手段です。

WindowsとMacのRoonアプリはRoon Serverと異なりグラフィカルユーザーインターフェイスを持っているため、操作のために別のデバイスからリモートアクセスする必要はありません。つまり、foobar2000Audirvana等の一般的なPCの音楽再生アプリと同様に扱うことができます。

MUSE

MUSEはRoonが音楽再生の統合環境である証です。中でも畳み込み(コンボリューション)はルームアコースティックの問題を最先端の技術で解決する最善の方法です。

  • ヘッドルームマネージメント
  • サンプルレート変換
  • スピーカー設定
  • パラメトリックEQ
  • 畳み込みフィルター
  • プロシージャルEQ
  • クロスフィード
  • Audezeプリセット

関連情報

  1. 畳み込み(コンボリューション)を使うにはWindowsまたはMacのRoonアプリが必要です。 ↩︎
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