オーディオのライトサイド

クラシックの楽章をスマートに表示する音楽プレーヤー

RoonTuneBrowserは楽章で構成される楽曲をスマートにリスト表示してくれるプレーヤーです。

複数の楽章で構成されているクラシック音楽の楽曲は、CDであれば1つの楽章が1つのトラックになっています。CDから取り込んだ音楽ファイルは自ずと楽章単位となり、音楽ダウンロード配信も楽章単位で購入可能、音楽ストリーミング配信も楽章を1つの曲として扱っています。

アルバム「バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番BWV1003/五嶋みどり」は、トラック1~4が楽曲(作品)「バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番BWV1003」の各楽章で、トラック5~7が楽曲(作品)「バルトーク:ヴァイオリン・ソナタ第1番」の各楽章が収録されています。

例:楽曲と楽章
出典:ALLMusic
目次

Roon/TuneBrowserと一般的な音楽プレーヤーの楽章表示の違い

楽章で構成された楽曲の表示のされかたはRoon/TuneBrowserと通常の音楽プレーヤーで異なり、Roon/TuneBrowserが見やすく優れていることがわかります。

以下にレイフ・オヴェ・アンスネスのアルバムを例に比較しています。

RoonとTuneBrowserは複数の楽章で構成される楽曲(トラック1~3とトラック5~7)とそうでない楽曲(トラック4)が一見してわかるようにグループ表示されています。

Audirvana3.5とApple Musicではどの楽曲も一様に表示されるため楽章が判別し辛くなっています。

RoonとTuneBrowserの楽章の扱い方の違い

前述のレイフ・オヴェ・アンスネスのアルバムではRoonもTuneBrowserも何も手を加えることなく楽章を認識してグルーピングしてくれました。しかし、どんな楽曲でも楽章を認識して表示するとは限りません。

以下にリザ・フェルシュトマンのアルバムを例に比較しています。

Roonは期待どおりに楽章をグルーピングして表示していますが、TuneBrowserではそうなっていません。

CDを取り込んだ時に取得したファイルの曲名タグを確認すると、トラック1~4はどれも「Sonata No. 1 in G minor, BWV 1001」でトラック5~8はどれも「Sonata No. 1 in G minor, Op. 27 No. 1」となっていて、曲名で楽章が区別されていない状態になっています。

別のアプリ(foobar2000)でメタデータを再取得すると楽章ごとに曲名が区別されている情報が見つかったので差し替えてさらに手を加えるとTuneBrowserも期待どおりの結果になりました。

foobar2000で他のタグ情報を取得
foobar2000で他のタグ情報を取得

Roonが優れているのは、楽章ごとの曲名がファイルのタグに無くても自動的に楽章名の付いた楽曲として表示されることです。TuneBrowserは定義した書式に沿った曲名を与えることで、楽章をグルーピングして表示することができます。

  • Roon:自動で楽章をグルーピングして表示
  • TuneBrowser:書式に沿った曲名にすることで楽章をグルーピングして表示

関連情報

音楽ファイルをソフトウェアの音楽プレーヤーで再生するメリットの一つとして、クラシック音楽の楽章について紹介しました。ソフトウェアの音楽プレーヤーはこの他にもメタデータを駆使した音楽再生に役立つミュージック・ラヴァーのためのオーディオです。

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