ありのままのサウンドクォリティ

カスタムメードFIRフィルターによるルーム補正サービス

ルーム補正なしに良い音で音楽を楽しむことはできません。オーディナリーサウンドのカスタムメードFIRフィルターは、部屋による周波数領域特性と時間領域特性の劣化を理想的に補正してオーディオ機器のポテンシャルを最大限に高めます。

目次

カスタムメードFIRフィルターを試聴

まずはカスタムメードFIRフィルターのクォリティをオーディナリーサウンドのYouTubeチャンネルでヘッドホン試聴して確かめてください。再生リスト”バーチャルリスニングルーム”には多数の楽曲が用意されているのでお好みの曲を選ぶことができます。

スピーカーでの試聴は再生環境で色付けされてしまうため評価を誤る可能性が高くなります。

”バーチャルリスニングルーム”の各楽曲を聴くだけでオーディナリーサウンドのカスタムメードFIRフィルターのクォリティーは十分に体感できますが、フィルター適用後の音響測定結果からもクォリティの高さを計り知ることができます。

周波数領域・時間領域に及んだ圧倒的クォリティーのトータル補正

FIRフィルターは周波数領域・時間領域に及ぶトータルな補正を実現する唯一のソリューションです。中でもオーディナリーサウンドのカスタムメードFIRフィルターはトップクラスの品質です。

Trinnovのグラフィックイコライザー、Accuphase DGシリーズ、EversoloやWiiMのイコライザーはIIRフィルターで音圧周波数特性の補正にのみ有効です。位相特性の変化を伴います。

周波数特性(音圧周波数特性)

カスタムメードFIRフィルターは定在波により発生する周波数特性のピークとディップを適切に補正します。

次のグラフは補正フィルターをかけた状態で測定しています。※補正予測値ではなく実測値です。

位相周波数特性

カスタムメードFIRフィルターならではの補正として位相周波数特性を改善します。リニアフェイズ由来のプリリンギングを回避しています。

次のグラフは音圧周波数特性を補正した際の位相周波数特性の実測値比較です。

群遅延特性

群遅延特性とは、異なる周波数成分が伝送される際に生じる時間遅延の特性です。オーディナリーサウンドのカスタムメードFIRフィルターはばらつきの少ない滑らかな特性です。

ステップ応答

カスタムメードFIRフィルターは理想的な過渡特性(トランジェント特性)に補正されます。

インパルス応答

瞬発的な音を入力した際の応答が大幅に改善されます。

クォリティを裏付けるカスタムメードFIRフィルターのスペック

Max1,486msのフィルターレングス

ハードウェアのルーム補正システムでは実現困難な1,486msものフィルターレングスで精細に補正します。

  • フィルターレングス1,486msをタップに換算すると、
    • 65,536タップ@44.1/48kHz
    • 131,072タップ@88.2/96kHz
    • 262,144タップ@176.4/192kHz
    • 524,288タップ@352.8/384kHz
  • Trinnov NOVAはデフォルト100ms、最大600ms。Trinnov ST2 HiFi(生産終了1はデフォルト20ms。
  • Eversolo DMP A8のDSPは2,046タップ(フィルターレングス換算で43ms)をサポート(Bin形式)。
384kHzまでのサンプリング周波数に対応

カスタムメードFIRフィルターは44.1kHz/48kHz/88.2kHz/96kHz/176.4kHz/192kHz/352.8kHz/384kHzに対応しているので、ルーム補正のために仕方なくダウンサンプリングするケースはあまりありません。

また、RoonやVolumio等で使用する場合は再生ソースに合わせて自動的にFIRフィルターのサンプリング周波数が切り替わる2ため設定を気にする必要はありません。

  • Trinnov NOVAのデジタル入力は最大96kHz。
  • Eversolo DMP A8のFIRフィルターは48kHzに変換して処理。
32bitフロート処理

FIRフィルターは32bitフロートで処理するためソースが劣化する心配はありません。

信頼の証:トゥルー ビフォー&アフター

市販のルーム補正システムのほとんどは補正後の特性を予測値としてグラフ表示します。補正後の予測値が十分に信頼し得るものであるかどうかは、補正した状態で実際に測定しない限りは判断しようがありませんが、市販のルーム補正システムにこれを実現するユーザーインターフェイスは用意されていません。

オーディナリーサウンドのカスタムメードFIRフィルターによるルーム補正システムは、FIRフィルターをかけた状態で測定することができるので、補正のファーストステップとなる測定と同じ手順で補正を適用した場合の測定が可能になります。高い品質のルーム補正を実現していることの証です。

市販のルーム補正システムをレビューしている多くの記事では、ビフォーとアフターのグラフを重ね表示して”このように補正された”と実際に検証した結果であるかのように書かれていますが実際にはアフターはシミュレーションに過ぎません3

エクスポート可能な測定データ

オーディナリーサウンドのカスタムメードFIRフィルターによるルーム補正システムは測定結果をエクスポートしてRoom EQ Wizard等のツールに読み込ませることができるので、ウォーターフォールやスペクトログラム表示等の様々な角度で音響特性を分析することができます。

一方、市販の多くのルーム補正システムは測定結果をエクスポートして別ツールで開くことができません。わざわざ測定した貴重な測定データはそのルーム補正システム内での利用に制限されてしまいます。

ターゲットカーブに柔軟対応

ターゲットカーブとはルーム補正が目指す音圧周波数特性カーブのことで、ルーム補正の重要な要素の1つです。

ターゲットカーブは1種類であることが理想的ですが、現実的には楽曲やリスニング環境によって最適なターゲットカーブが異なるため柔軟に対応できることが望まれます。

ターゲットカーブを変更する方法はいくつかありますが、FIRフィルターと独立したリアルタイムで設定が反映されるイコライジングが柔軟で手軽に変更できる方法です。

Roonはターゲットカーブを簡単に変更できるパラメトリックイコライザーを搭載しています。RoonのパラメトリックイコライザーはIIRフィルターであるため音圧周波数特性の変更に伴って位相周波数特性も変化します。

オーディナリーサウンドのカスタムメードFIRフィルターによるルーム補正システムは、ターゲットカーブを変更しても位相周波数特性に影響を与えない最高クラスのイコライザーを使うことも可能な高品質でフレキシブルなルーム補正システムです。

FIRフィルター作成サービス

前述のとおり、FIRフィルターはルーム補正として理想的な手段ですが、ルーム補正はリスニング環境に応じて適切な処置をしなければ無意味ですからカスタムメードするしか方法はありません4。オーディナリーサウンドは最高品質でしかも既製品よりも遥かにリーズナブルプライスなカスタムメードFIRフィルターを作成するサービスを実施しています。

FIRフィルター作成サービスの具体的な内容は、ルーム補正の対象となるソースによって異なるため順を追って説明します。音楽再生の場合はRoonからストリーマー・CD/レコードプレーヤーまで幅広く対応します。他にも、テレビの音声5(ミュージックビデオ、映画等)・スピーカーから音声出力する楽器(エレキギター、電子ピアノ等)・音楽制作(DTMのモニター環境)など用途は多岐に渡ります6

サービス全般で必須となる”音響測定データ”の収集

ルーム補正のためのFIRフィルター作成は、補正対象となるリスニング環境の音響特性を測定してデータ化することから始まります。測定・データ化の流れは次のようになります。

  • パソコン(Mac/Windows)に音響測定ソフトをインストールして測定用の信号をオーディオシステムのスピーカーから出力します。
  • 測定用の信号を測定用マイクで収音して音響測定ソフトに出力することでデータ化された音響特性が得られます。
  • 測定で得たデータをファイル保存してオーディナリーサウンドに送ります7

FIRフィルター作成に必要なアイテム

パソコン
  • 最新のOSが入ったMacまたはWindows
  • 音響測定ソフトをインストール
  • 測定用の信号をスピーカーに出力
  • 測定用マイクからの信号を入力
音響測定ソフト
  • オーディナリーサウンド指定ソフト
測定用マイク
  • オーディナリーサウンド指定マイク
  • マイクスタンドまたはカメラ三脚
    • マルチポイントで測定する場合、スタンド・三脚の追加アクセサリー

測定ビギナーの場合はUSB接続マイクを推奨。アナログ接続マイクは対応するオーディオインターフェイスが必須。

USB DAC
  • 音響測定ソフトの出力信号を測定対象のオーディオシステムに入力

デジタル入力に対応したオーディオシステムであれば、DACの代わりにUSB to デジタル出力アダプター(いわゆるDDC)を利用できる場合あり。Bluetooth等レイテンシーの大きい出力は非推奨。

Roonなら簡単に究極のルーム補正を実現、Volumio・JRMCでも

RoonはFIRフィルターを読み込むことで理想的なルーム補正を実現する最先端のツールです。前述の音響測定データを元にオーディナリーサウンドがFIRフィルターを作成するので、後はこのFIRフィルターをRoonに読み込ませる8だけです。音響測定を含む一連の作業はオーディナリーサウンドがサポートするので安心・確実です。

RoonでFIRフィルターを使うメリット

オーディオサーバーであるRoonは同時に複数デバイスに出力できるので、”オーディオ設定”で有効になっているデバイスごとに異なるFIRフィルターを設定できる点が特徴です。

特に大きなメリットが生じるのは、複数の部屋(ゾーン)のオーディオシステムでルーム補正する場合です。Torinnov等のハードウェアは部屋ごとに設置するなどコストが増大します。

Roonと同様のルーム補正はVolumioやJRMC(JRiver Media Center)でも実現します。FIRフィルターを読み込ませる点でVolumio、JRMCはRoonと同じです。Volumioは機能追加(無償)によりFIRフィルターを読み込ませます。

Roon、Volumio、JRMCは様々なサンプリング周波数のソースをリサンプリングなしで出力することができますが、FIRフィルター適用時もリサンプリングする必要がない点が特徴です。※アップサンプリングが好みなら指定した固定サンプリング周波数でFIRフィルターが動作します。

EversoloのFIRフィルターはマニュアルによるとどんなソースも48kHzにリサンプリングされる仕様のようです。※まだ実際に確認したわけではありません。

Roon、Volumio、JRMCが究極のルーム補正システムでありながら日本ではほとんどその機能が普及していません。普及しない理由は明白ですから想像してみてください。おそらくそれが答えです。

Mac / WindowsのPCオーディオでのルーム補正

Mac/WindowsはFIRフィルターを読み込む仕組みがありません。これを解決するために畳み込み(コンボリューション)エンジンを新規にインストールします。畳み込みエンジンは入力ソースにリアルタイムでFIRフィルターを適用して出力する働きがあります。音楽(Apple Music/Amazon Music等)や動画(YouTube/Primeビデオ等)といったMac/Windowsで再生している音声をルーム補正することができます。

畳み込みエンジンはFIRフィルターをオーダーする時にオプション(有償)で追加します。この畳み込みエンジンのメリットはFIRフィルター以外にも任意で高品位なターゲットカーブを作ったりその他数多くのオーディオプロセッサーを追加できるようになる点です。

手軽にルーム補正可能なEqualizer APO(Windowsのみ)

WindowsでPCオーディオならEqualizer APO(無償)をインストールすることでFIRフィルターを読み込ませることができます。Equalizer APOは上記の畳み込みエンジンと同様にシステムワイドなオーディオプロセッサーです。制限事項はサンプリング周波数が固定でASIOとWASAPI排他モードに非対応である点です。

Equalizer APOは標準でグラフィックイコライザーやパラメトリックイコライザーが使えますが、これらはIIRフィルターのためFIRフィルターほどのルーム補正のメリットはありません。

ストリーマー、CD・レコードプレーヤーでルーム補正

ルーム補正のソースとしてストリーマー・レコードプレーヤー・その他の機器を利用するには、コンピューター(Mac/Windows)をルーム補正プロセッサーとして、またソースをコンピューターに入力するためのオーディオインターフェイスを追加します。

オーディオインターフェイスは外部のアナログ/デジタル信号を入力してコンピューターに送り出す働きがあるので、畳み込みエンジンに外部ソースを入力できるようになります。

コンピューターを用意していただくことで畳み込みエンジン(有償)の組み込みをサポートするので作成したFIRフィルターを読み込んで動作させることができます。

畳み込みエンジンのDA変換デバイスはDAC/オーディオインターフェイスから任意に選択可能

畳み込みエンジンの出力先は任意に選択することができるため、出力先にオーディオインターフェイスを選択すればDA変換もオーディオインターフェイスで処理できるのでDACを使う必要はなくなります。

DA変換にお気に入りのDACを使いたければ畳み込みエンジンの出力先としてそのDACを選択することも可能です。この場合、オーディオインターフェイスがルーム補正の入力モジュールとして、DACが出力モジュールとして機能することになります。

コンピューターによるルーム補正システムのメリット

コンピューターを使ったルーム補正システムのメリットとして、AD変換とDA変換に好みのデバイスを選択できる柔軟性の高さがあります。ハードウェアのルーム補正専用機(TrinnovやAccuphase DGシリーズ等)は内蔵されたAD/DA変換を使うことが前提のデバイスですから好みのADコンバーター/DAコンバーターを使う場合はコスト的にも割高となってしまいます。

パソコンのルーム補正システムはADCとDACを無駄なく自由に選択できる

FIRフィルターはルーム補正のコア

以上の説明からわかるように、ルーム補正のコアとなるのがFIRフィルターです。

Roon/Volumio/JRMC等はFIRフィルターを動作させるための畳み込みエンジンを搭載している(Volumioはプラグインの追加による)ので、FIRフィルターを読み込ませるとルーム補正処理を実行することができます。

畳み込みエンジンを搭載していないオーディオシステムは、畳み込みエンジンを搭載するためのコンピューターをオーディオシステムに追加することでFIRフィルターによるルーム補正が実現します。

カスタムメードFIRフィルターの4つのグレード

オーディナリーサウンドのカスタムメードFIRフィルターにはエントリークラスからハイグレードまで4つのグレードを用意しています。導入後もスムーズなステップアップが可能なアップグレードプライスを設けているので、ステップを追って無理のないグレードアップも可能です。

Filter8Filter16Filter32Filter64
グレード⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
測定時のマイク位置1箇所(リスニング位置)3箇所(リスニング位置+2)5箇所(リスニング位置+4)7箇所(リスニング位置+6)
フィルターレングス186ms, 171ms372ms / 341ms743ms / 683ms1486ms / 1365ms
ビット深度(内部処理)32bit float

注文・問い合わせ

カスタムメードFIRフィルター作成サービスはオーディナリーサウンドのネットショップから注文できます。

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脚注

  1. メーカーは生産終了を発表していますが、日本ではTrinnov ST2 HiVi MK2という製品があります ↩︎
  2. FIRフィルターはソースと同じサンプリング周波数で動作するため、複数のサンプリング周波数のフィルターを予めセットして使います。 ↩︎
  3. 市販のルーム補正システムの中には予測値であるアフターのグラフを誇大表示しているものも存在します。 ↩︎
  4. ルーム補正はオーダーメードのスーツを作ることに似ています。体型にあったスーツを作るための第一歩は採寸です。ルーム補正はマイクで採寸します。 ↩︎
  5. 動画の音声は効果音やセリフなど音楽意外でもルーム補正によりクリアな音声になります。 ↩︎
  6. アコースティック楽器(ピアノ、バイオリン、その他)などスピーカーを使わないソースはFIRフィルターの対象になりません。 ↩︎
  7. オーディナリーサウンドは送られてきた測定データを元にリスニング環境に適したFIRフィルターを作成してお届けします。 ↩︎
  8. MacまたはWindowsのRoonリモートを使ってRoonサーバーにFIRフィルターを読み込ませます。iOS/AndroidのRoonリモートではFIRフィルターを追加できません。Mac/WindowsのRoonリモートをFIRフィルター設定のためだけに使っても問題ありません。 ↩︎
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