Pro iDSD 4.4

Pro iDSD….それはミュージック・ヘブン

バランスヘッドホン出力端子が4.4mm5極に変更になりました

iFiは、フラッグシップとなるプロ仕様の「Pro」シリーズの第三弾としてPro iDSDを発表します。構想と開発に3年以上の歳月をかけ、あらん限りの力を注ぎ込み、プロのマスタリング用として使えるだけの実力を持った渾身のDACです。その能力は、マーケットに存在する多くのハイエンドなDACを遥かに凌駕する力を持っています。

「ミュージック・ヘブン(音楽天国)」ということばはあまりに使われすぎていますが、現代最高のスペックによる再生能力と解像度を持つPro iDSDは、このことばを使うにふさわしいビッグな存在です。

Up stream

他のDACはバーブラウンのビットパーフェクト・チップを1個使っているだけですが、Pro iDSDは4個使っており、市場に出ている中で唯一の「クワッド・スタック(4層積み重ね)」DACとなっています。
しかし、これがほんとうに他とかけ離れた存在になっているのは、さらに以下の機能が付いているからです:

  • ワイヤレス・プレイバック
  • SpotifyとTidalをビルトイン可能
  • DSD1024までアップサンプリング

これは最高の革新的技術です。
これに似たものはまったくありません。

天国がやってきた

Pro iDSDはDACの中の神です。天国のオーディオを創造し、音楽の楽しみを滅ぼすオーディオの悪魔を追い出してくれるのです。

FEATURES

The gang of four 4個ひと組の一団

Quad-stack-DAC

Pro iDSDではバーブラウンのビットパーフェクトDSDとDXD DACのクアッド「スタック(積み重ね)」が採用されています。
この「インターリーブ(交互に並べる)」コンフィギュレーションによって、全部で8組の異なった信号(チャンネルごとに4組の信号)を使用し、ミックスすることが可能になります。

新しいXMOS XU216 X-Core 200 Series 16-Coreプロセッサー

Xmos

新しいXMOS XU216 X-Core 200 Series 16-Coreプロセッサーは、USBインターフェースのデュアル・イシュー・モードで動作させた時に最大2,000MIPS(1秒あたり20億命令)という演算能力を持っています。
すべてのデジタル処理はビットパーフェクトで、デジタル・フィルターが明確に選択されていなければ、ASRC(アシンクロナス・サンプル・レート・コンバーター)やアップサンプリングは使用しません。
USB(768kHz/DSD512)、AES/EBU、S/PDIF(192kHz/24Bit)、Wifi/Network/ストレージ(192Hz/32Bit)などのすべての入力からの信号をデコードすることができます。

DSD1024

DSD1024

初の仕様! Pro iDSDは、スタジオ・グレードのDSD1024を幅広いユーザーのみなさまに提供します。
DSD1024を実現するにあたって、Pro iDSDのデジタル・エンジンの「核心」の半分がマルチビットDACによるものであるとすれば、残りの半分は間違いなくCrysopeia FPGAによるものです。
DSD1024のオーディオ・フォーマットを実現するために、このFPGAがリマスターリングの作業を担うのですが、これこそがFPGAが優れている点だと、私たちは信じています。
実際、Pro iDSDは、DSD1024、DSD512、PCM768kHzに至るまで、すべてのオーディオ・フォーマットを、ユーザーが選択可能なデジタル・フィルターで処理することができるのです。

Global Master Timing®クロック

Global Master Timing

すべての入力データはメモリー・バッファーに送られます。
ここでジッターが除去され、ソースに含まれていたジッターがDAC出力に伝送されないように取り除かれます。
メモリー・バッファーからのデータは、続いて低ジッターのGlobal Master Timing®クロック(X-Core 200とFPGAもこれで駆動されています)を用いて再クロックされます。

Multi-talented! 多才!

Multi-talented

Pro iDSDは、ルーターにダイレクトにリンクして、オンライン・ミュージックを再生することができます。
LINKPLAYによるWiFi/ネットワーク再生、内蔵のSpotifyとTidal、そして32-Bit/192kHz、DSD64という幅広いプロトコルのサポートによって、Pro iDSDはルーターにダイレクトにリンクして、オンライン・ミュージックを再生することができるのです。

ガルバニック・アイソレーション

ガルバニック・アイソレーション

ガルバニック・アイソレーション(絶縁)は、コンピューター・オーディオの「聖杯」(常に追い求められるもの)のひとつです。
すべての入力(USBを含む)はガルバニック・アイソレーションを施されています。これはAMR DP-777デジタル・プロセッサーに見られるのと同レベルの実力です。

USBセクションは独立した電源管理システムを搭載しています。多重レギュレーターとフィルターが、このセクションに電力を供給するために生み出された、ガルバニック・アイソレーションを施された電圧で動作するのです。

真空管

真空管

まず第一に、私たちは最良の真空管を使用しています。General Electricの5670です。
第二に、そしてこれが同じく重要なのですが、回路設計です。
同じ回路を持ち、真空管セクションとの切り替えがスイッチ式になっている他のアンプとは異なり、Pro iDSDは、真空管セクションとソリッドステート・セクションがそれぞれ独立した入力回路を持つ、初めての製品となっています。
これによって、両方式の最高のサウンドが実現します。なぜなら、信号経路が最短で、しかも真空管を既存のソリッドステート回路に「押し込める」という妥協がないからです。

真空管の2つの設定

真空管の2つの設定

私たちは、そこにとどまってはいません。
私たちは真空管を愛しているので、時にはさらに真空管的なサウンドの必要性があることがわかっています。そこで、真空管の設定を2つ用意しているのです。「Tube」 と「Tube+」です。
「Tube+」のポジションを選択すると、全体のループ・ゲインが減少するので、ネガティブ・フィードバックが最小になります。
これによって、真空管の自然なハーモニクス(倍音)とトランジェント性能のバランスに異なった結果が生まれるのです。
もちろん真空管をまったく通さず、ソリッドステートで動作するポジションも持っています。

フル・ディスクリート&フル・バランス

Amp-section

アンプのオーディオ回路はフル・ディスクリート&フル・バランス設計になっており、スイッチで切り替えることができる真空管入力とJ-FET入力、バイポーラーの第2ステージ、MOS FETのバッファーによるバイポーラーA級電源ステージを備えています。
結果的には、この回路は、「トライ・ブリッド」と呼ぶのがいちばんふさわしいかもしれません。各装置が、弱点を最小限に抑えながら、最高のサウンドを生み出すように使われているからです。
さらに、この回路は純粋なDCカップリング構成になっており、音質を低下させるカップリング・キャパシターの使用を回避しています。

最高のボリュームパーツ

最高のボリュームパーツ

Pro iDSDは、日本のALPS製の、第一級のモーター駆動式ロータリー・ボリューム・ポテンショメーターを搭載しています。
これは「6トラック」のバージョンで、そのうちの4トラックが真正のバランス・ボリューム・コントロールに使用されます。
これは、どのようなアンプにとっても、ほんとうにバランス仕様なのかということ、あるいは内部ではシングルエンド・モードで動作しているのではないかということを見極める「試薬」 になります。
「2トラック」 のボリューム・コントロールを使用しているアンプは、入力と出力ではバランス仕様になっているかもしれませんが、真正のバランス設計になっているわけではありません。しかしPro iDSDは、最初から最後までフル・バランス仕様なのです。
姉妹機のPro iCANと同じです。

ELNA Silmicキャパシター

ELNA Silmicキャパシター

特に低音のダイナミック・パフォーマンスを最大限に引き出すために、アナログ・ステージはオーディオ・グレードのELNA Silmicキャパシターを、オーディオ回路から数ミリのところに配置することで、バックアップされています。
ELNA Silmicキャパシターは、メインDCバスの最終ステージで使われていますが、このDCバスは、複数のインダクター/キャパシター・フィルターの多重ステージを使って浄化されています。
これらを「高級部品」と考える人もいますが、私たちはこれらを、最高の音質を達成するための「必須部品」と考えています。

ELNA Dynacap「スーパー・キャパシター」

ELNA Dynacap

デジタル・セクションは、トータルで6.6ファラッド(6,600,000μF)の容量を持つELNA Dynacap「スーパー・キャパシター」のバンクによって給電されます。
iFiはELNA Dynacap DZ™スーパー・キャパシターを使用していますが、それはこのキャパシターが、一般グレードのスーパー・キャパシターに比べて、内部インピーダンスが400倍も低いからです。
この並外れた低インピーダンスは、他のキャパシターよりもずっと高速にエネルギーを解き放つことを意味します。

ELNA Dynacap DZ™スーパー・キャパシター

ELNA Dynacap DZ

DC電力はすべて高周波の波形に変換され、チョーク入力キャパシター・フィルターによって整流され、浄化されます。これによって第一級のDCバスが生まれ、そこからすべての電圧が引き出されます。この回路はまた、USB入力回路用に、ガルバニック・アイソレーションが施された電源電圧を発生させます。
デジタル・セクションは、トータルで6.6ファラッド(6,600,000μF)の容量を持つスーパー・キャパシターのバンクによって給電されます。iFiはELNA Dynacap DZ™スーパー・キャパシターを使用しています。なぜならこのELNA Dynacap DZ™スーパー・キャパシターは、一般のスーパー・キャパシターに比べて、内部インピーダンスが400倍も低いからです。ローカルLCフィルターを備えた各低ノイズTI LDOレギュレーター(テキサス・インスツルメンツ社の低ドロップアウト・レギュレーター)が、各デジタル・セクションに最終的な低ノイズ電力を供給します。全部で6つの独立したレギュレーターが、クロック、S/PDIF入力、そしてDACのデジタル・セクションをカバーします。
アナログ・ステージにはこれより高い電圧が求められますが(特に真空管には)、これは実質的には60Vのレール上で動作し、広大なダイナミック・レンジを生み出す可能性を秘めています。

仕様

Pro iDSD リア
サンプリングレートPCM768kHzまで
DSD 49.152MHz (DSD 1024)まで
DXD及び倍速DXD (2xDXD)
入力USB (DSD、DXD、サンプリングレート192kHz以上の場合に必要)
AES3 (XLR – single link)
S/PDIF (同軸&光コンボ)
BNCマルチファンクション (S/PDIF inまたはSync Input)
出力バランスXLR at 4.6V (+ 15dBu – HiFi) または11.2V (+22dBu – Pro)
シングルエンドRCA at 2.3V (HiFi)または5V (Pro)
ヘッドフォン標準6.3mm、SE3.5mmジャック 0.55V/2.1V/5V
ヘッドフォン(バランス)4.4mmジャックat 1.13V/4.6V/10V
ヘッドフォン出力 1,500mW RMS x 2 @ 64 ohm、最大4,000mW x 2 @ 16 ohm
ボリューム・コントロールバランス型(6-gang)Alps製ポテンショメーター、リモコンでモーター駆動
 XLR/RCA出力は固定または可変に設定可能
 ヘッドフォン6.3mmジャックは常に可変
その他の機能DSDとPCM(384kHzまで)用に様々なデジタル・フィルターとアナログ・フィルターが選択可能
PCMフィルターBit-Perfect 44.1-192kHz、352.8-768kHzに常に使用
 Bit-Perfect+ 44.1-96kHz
 Gibbs Transient Optimised 44.1-384kHz
 Apodising 44.1-384kHz
 Transient Aligned 44.1-384kHz
DSDフィルター固定三次アナログ・フィルター@80kHz(DSDの-6dBゲイン用に補正)
ヘッドフォン・セクション0dB、9dB、18dBから選択
ダイナミック・レンジ119dBA(ソリッドステート、PCM、-60dBFS)
出力(16オーム、バランス及びシングルエンド):>400mW/1>1,500mW
出力電圧(600オーム、バランス及びシングルエンド):>11.2V/>5.6V
入力電圧(Pro iDSD)DC9V/6.7A-18V/3.35A
入力電圧(iPower+)AC85-265V、50/60Hz
消費電力<22W(アイドリング時)、50W(最大)
サイズ213mm(縦)×220mm(横)×63.3mm(高さ)
重量1980g

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関連記事:Pro iDSDはプレーヤーもPCも不要で再生可能なフラッグシップDAC

Pro iCAN

iFi_PRO_iCAN

iFiは、フラッグシップとなるプロ仕様の「Pro」シリーズを発表します。その第1弾となるのが、Pro iCAN - スタジオグレードのヘッドフォンアンプ「+」オーディオファイルレベルのラインステージです。内部では「2つの心臓」が鼓動しています。というのも、ソリッドステートアンプと真空管アンプの2つのセクション(選択可能)が内蔵されているからです。Pro iCANに類似したものは、文字通りどこにもないのです。

フラッグシップのスタジオグレード・ヘッドフォンアンプ…

Pro iCANは、多くの人々にトップレベルのヘッドフォンアンプとして使用していただけます。CIEM(カスタムインイヤーモニター)から、もっともドライブのむずかしいAKG K-1000に至るまで、すべてをドライブすることができます。

ヘッドフォン接続

Pro iCANは以下の接続が可能です。

バランス接続

3.5mm TRRS(バランス) - 内蔵のiEMatch(CIEMやIEM用にmicro iDSDで初めて採用した接続方法です)。

6.3mm × 2(バランス) - iFiの“SEC” Balanced System(*注)を使用します。
XLR 3ピン × 2(バランス)
XLR 4ピン(バランス)

シングルエンド接続

6.3mm × 2(シングルエンド) - 同時に2つのヘッドフォンをドライブできます。
3.5mm TRS(シングルエンド) - 内蔵のiEMatch(CIEMやIEM用にmicro iDSDで初めて採用した接続です)。

(*注) “SEC” Balanced System = Single-Ended Compatible Balanced
- 標準的な6.3mm非バランス型ヘッドフォンを直接接続することができます。
- 6.3mmプラグを2本使用したカスタム・ヘッドフォン・ケーブルを使用すれば、バランス動作が可能です。

さらに、ゲインを0dB/9dB/18dBから選択することができます。Pro iCANは、シングルエンド・モードで10Vを、バランス・モードで20Vを出力することができます。20Vモードは4オームのスピーカーで100Wに相当します。ですからPro iCANは、ほぼどんなヘッドフォンも、クリップしそうになるほどドライブすることができるのです(こういった状況になれば保護回路が働くのが典型ですが)。

…そしてオーディオファイルレベルのラインステージ

Pro iCANは、その核心部分に、日本のアルプス社製のモーター駆動によるロータリー・ボリューム・ポテンショメーターを装備しています。これは“6トラック”ヴァージョンのもので、そのうちの4トラックがトゥルー(真性)・バランス・ボリューム・コントロールに使用されます。真性のバランス動作なのか、それとも内部ではシングルエンドで動作するのか - これはどんなアンプにとっても性能を判定する物差しとなります。“2トラック”のボリューム・コントロールを使用しているアンプは、バランス出力とバランス入力は可能かもしれませんが、真性のバランス設計ではありません。Pro iCANは、入り口から出口まで、フルバランス設計になっています。

フレキシビリティーという点に関して言えば、Pro iCANはシングルエンド入力を3つ、バランス入力を1つ、シングルエンド出力を1つ、バランス出力を1つ備えているので、フル機能のラインステージと言うことができ、多くの高価なハイファイシステムが備えている機能を家庭で楽しむことができます。ソリッドステートアンプと真空管アンプのどちらかを選択することができるのに加えて、スピーカー用の3D HolographicとXBassによって、超ハイフィデリティーのホームオーディオシステムが実現しているのです。

トゥルー(真性)・バランス

バランス型と一口に言っても、すべてが同じように作られているわけではないのです。
下の図は、バランス型ヘッドフォンアンプに広く見られる、典型的な、教科書的な回路です。入り口から出口まですべてがバランス型なのではなく、その中心部はシングルエンドになっています。バランス入力信号をアンバランスにするために追加のステージが加えられ、シングルエンド信号を再びバランス信号に戻して、出力に送っているのです。これでは、信号経路に数多くのステージと部品が追加されることになり、サウンドに悪い影響を与えます。トゥルー・バランス回路では、これは必要ありません。

対照的に、下の図はPro iCAN用に開発されたバランス回路です。これはいくつかの点でまったく例外的なものとなっています。回路がはるかにシンプルになっており、真空管アンプとソリッドステートアンプをユーザーがスイッチで切り替えることが可能になっているのです。

Pro iCANでは、真空管回路が選択されている時は、ソリッドステート部分は完全にオフになり、オーディオ信号経路から切り離されます。同様に、ソリッドステート回路が選択されている時は、真空管部分は完全にオフになり、オーディオ信号経路から切り離されます。

何より重要のは、Pro iCANは入り口から出口まで、全経路でバランス動作するということです。私たちはこれを「トゥルー・バランス」と呼んでいますが、それはハイエンドでもきわめて稀なことであり、プロ用ではPro iCANで初めて成し遂げたことなのです。

General Electric 5670を2本使用

ハイエンドのヘッドフォンアンプと比較すると、Pro iCANの真空管ステージは2つの点で異なっています。まず第1に、品質の良い6922真空管または同等の真空管を使用していない点です。その代わりに、私たちは最高の真空管を使用しています。異なったピン配列を持つプレミアムバージョンのGeneral Electric (ジェネラル・エレクトリック)5670です。

第2に、そしてこれが重要なのですが、回路設計です。真空管用とソリッドステート用の回路自体は同一で、ただそれをスイッチで切り替えるだけの他のヘッドフォンアンプと違って、Pro iCANは、真空管用とソリッドステート用にそれぞれ独立した入力回路を備えた、最初の製品なのです。これによって、どちらの回路でも最高の音質が生まれます。なぜなら、信号経路が最短で、真空管を既存のソリッドステート回路に「押し込めよう」という妥協がないからです。

このPro iCANによって、ソリッドステートと真空管の両方を1台で楽しむことが初めてできるようになりました(伝統的なソリッドステート設計の中に「真空管のような効果」を付け加えるのではありません)。それも、リアルタイムで切り替えることができるのです。ある種の録音、ヘッドフォン、スピーカーの中には、ソリッドステート(Solid-State)・モードの方がより鮮明に聞こえるものがあります。また、真空管モード(Tube)や真空管+モード(Tube+)の方がより快適に聞こえるものもあります(特にTube+)。録音に合わせて、あるいはムードに合わせて、さらには天候に合わせて、特定の瞬間に最高に聞こえるモードを選んでください。詰まるところ、音楽を楽しむというのは、じっくりと味わう体験なのであって、科学的探求を行っているのではないのですから。

私たちは、これだけに止まってはいません。私たちは真空管を愛しているので、さらに真空管的なサウンドが求められる場合があることを認識しています。そこで、「Tube」と「Tube+」という2つの真空管設定を用意しているのです。「Tube+」は、全体のループゲインを減少させるので、ネガティブフィードバックが最少になります。これによって、真空管が持つ自然倍音とトランジェント性能の間でのトレードオフの傾向が、「Tube」の場合とは異なってくるのです。

ウェスタン・エレクトリック社が自ら開発したプレミアムバージョン「6922」
ウェスタン・エレクトリック社が1946年に「WE396A」を導入し、1950年代以降は(そしてそれ以降の30年にわたって)ジェネラル・エレクトリック社(そして他のいくつかの真空管メカー)が、プレミアムバージョンの「6922」という形でウェスタン・エレクトリック社を引き継ぎました。これらの製品は、ウォームアップ、グリッド電流の厳格な仕様、ノイズ、マイクロフォニック雑音を管理していました。その結果、いっそうなめらかな、オーガニックな音質が生まれたのです。

Class A Solid-State、J-FET、フルディスクリート

Pro iCANのソリッドステートアンプ・セクションは、真空管アンプ・セクションと同じように真摯に扱われています。

アンプのオーディオ回路は、iFiの革新的な「Tube State」設計を発展させたものです。フルディスクリート、フルバランス設計で、真空管とJ-FETの入力切り替え、バイポーラーの第2ステージ、MOS-FETバッファを備えたバイポーラーA級パワーステージ(低インピーダンスのヘッドフォンをきわめて大音量で使用する際はAB級動作)で構成されています。結果としてこの回路は、(ハイブリッドではなく)「tri-brid(トライブリッド)」と表現できるかもしれません。各デバイスを音質的に最高の状態で使用し、しかも欠点は最少に抑えているのです。さらにこの回路は純粋なDCカップリング仕様になっており、これによって音質的に劣るカップリング・キャパシターの使用を回避しているのです。

2つの3D Holographicを個別に使用

3D Holographicには、ヘッドフォン用とスピーカー用の2つのサウンドシステムがあります。

ヘッドフォン用(ヘッドフォン出力)
ヘッドフォン用3D Holographicは、一部のハイエンド・ヘッドフォンアンプに見られるような、標準的なクロスフィード方式に基づいたものではありません。いわゆる「3Dシステム」の多くは、通常はDSP(Digital Signal Processing)に基づいたものですが、このDSPは、「空間感」のあるサウンドをシミュレーションするために、サウンドに人工的な効果を与え、望ましくないリバーブ(残響)を加えているのです。

伝統的なクロスフィード方式が「頭の外にある」と感じられるようなサウンドを生み出す傾向があるのは事実ですが、これを用いると、空間成分が大きく減少し、音場が狭くなり、時にはほとんどモノラル録音に近い感じになることもあります。DSPに基づく3D設計の大半は、不自然な、エコーのようなサウンドを生み出します。これは、ちょっと聴いただけでは印象的なのですが、すぐに飽きてしまいます。

これとは対照的に、ヘッドフォン用3D Holographicは、音源が「頭の外にある」という感じのみならず、通常の部屋でスピーカーを聴いているのと同じような感じで3Dの音場を生み出します。しかも、余計なリバーブを付け加えることなく、これを実現しています。これをやってのけたのは、商用製品では初めてのことなのです。

OFF:3D Holographicが無効になります(これによって「ダイレクトな」サウンドを楽しむことができます)。

30°のスピーカー角度:このマトリックスは、左右のスピーカーの間隔が狭い状態をシミュレーションしています(たとえば、大きなコンピューター・モニターの両側に置かれたスピーカーや、カーオーディオのスピーカーなど)。空間感が人工的に強調された録音や、初期のステレオ録音に見られる「ピンポン型」のステレオ録音にも使用することができます。

60°のスピーカー角度:このマトリックスは正三角形の位置に置かれた伝統的な「ブックシェルフ型」スピーカー(教科書通りの配置)をシミュレーションしています。

90°のスピーカー角度:このマトリックスは、一部のオーディオマニアが好む、左右の間隔を広く配置したスピーカーをシミュレーションしています。空間感の不足した録音(一部の最少機器による「ワンポイント」録音がこれにあたります)を補強するために用いることもできます。

ヘッドフォン用3D Holographic Soundについて

1950年代にステレオ録音とステレオ再生が普及するにつれて、ヘッドフォンでステレオ録音を再生する際に、顕著な問題がひとつ見つかりました。

まずシュアー兄弟によって、そしてCBSのベンジャミン・B・バウアーによって初めて正式に報告された問題で、1960年のアメリカ特許#3088997Aの特許ファイリングにおいて、「gross distortion in space perspective 空間の遠近関係における甚大な歪み」として述べられているものです。これは後に、「in-head location インヘッド・ロケーション(頭内の位置)」という名称を得ています。B・B・バウアーは補正回路を提案していますが、これは本質的にブルムレインが開発したEMIステレオソニック(Stereosonic)回路と同様のものであり、伝送機能がほぼ正反対だっただけです。

ブルムレイン/EMIステレオソニック補正回路と同じように、バウアー/CBS補正回路は、結局は忘れ去られ、牽引力を得ることはありませんでした。ところが1980年代になって、ポータブル・ステレオ・ラジオや、夢のようなSonyのウォークマン・カセットプレーヤによってヘッドフォンで音楽を聴くことが増えるようになると、バウアー/CBS補正回路が復活し、一般に 「クロスフィード」として知られるようになりました。

伝統的なバウアー・クロスフィードとその様々な変化型は「インヘッド・ロケーション」問題を改善する大きな力となりましたが、その結果として出てくる音は、せいぜい「wide mono ワイド・モノ」と言える程度のものでしかなく、録音の自然な空間感の多くが失われてしまっていました。

こうして、バウアー/CBSを起源とするクロスフィードは、今でもめったに用いられないままとなっています。通常は、ヘッドフォン・リスニング時の音質を高める方法として、“いかさま”的で音質を落とすDSPアルゴリズムの普及が促進されたのですが、これでは、基本的な問題を解決するどころか、オリジナルの録音がいっそう歪むだけになってしまいました。

iFiでは、ベルリンのRFZ(旧東ドイツ最大の放送機器メーカー)での1980年代後半の研究にまで遡って、調査を積み重ねてきました。このRFZは、バウアー/CBSに対して非常に異なったマトリックスが必要であること、そして追加マトリックス係数が必要であることを提唱しました。それがあれば、スピーカーによるステレオ再生システムが生み出す音場と同じような、自然で空間感のある音場を生み出すことができるというのです。
この基本から出発して、私たちは純粋なアナログ方式のマトリックスを作り出すためにさらなる研究と大規模な試聴テストを重ねました。このアナログ方式のマトリックスがあれば、スピーカーで再生される際の良好なイメージングを持った、空間感のあるステレオ録音と同等のものを、ヘッドフォンで聴く際にも実現できるのです。これが、ヘッドフォン用の3D Holographic Soundです。スピーカー用に制作された録音をヘッドフォンで正しく再生するための、「クロスフィード」でもなければ、「クロスフィード+何か」でもない、根本的に新しい補正方法なのです。

スピーカー用(ライン出力)
スピーカー用3D Holographicはアナログ・マトリックス回路で、2つの明確な機能を持っています。
1. ステレオ録音における基本的な空間の歪みを矯正する。
2. スピーカーの配置によって規定される幅を超えて、聴感上の音場の幅を広くする。

OFF:3D Holographicが無効になります(これによって「ダイレクトな」サウンドを判定することができます)。

+:このマトリックスは、録音/ミキシング/マスタリングのプロセスで生じた空間の歪みを矯正し、音場が本来持っていた幅を回復します。すでにスピーカーが理想的な位置に配置され、適正なイメージングが得られている場合に推奨できる「デフォルト」の設定です。

30°+:このマトリックスは、録音/ミキシング/マスタリングのプロセスで生じた空間の歪みを矯正し、聴感上の音場の幅に約30°の角度を与えます。こうすることによって、左右の間隔が狭く配置されたスピーカー(たとえば、テレビの両脇にくっつけて配置されたスピーカー)でも、左右の間隔よりも外に広がる、理想の配置に近い音場を得ることができるのです。

60°+:このマトリックスは、録音/ミキシング/マスタリングのプロセスで生じた空間の歪みを矯正し、聴感上の音場の幅に約60°の角度を与えます。これは、一部のオーディオマニアが好む、「幅広い」配置に近い感じになります。

スピーカー用3D Holographic Sound
スピーカー用3D Holographic回路は、マイクロフォンによる録音で生じた音場の歪みとスピーカーによる再生で生じた音場の歪みを矯正します。この音場の歪みは、アラン・ダウワー・ブルムレイン(Stereosonicサウンドの発明者)が初めて論述し、EMIの初期のStereosonic録音で矯正されました。

しかしながら、オリジナルのStereosonic回路は、ストレートに録音した場合よりも音場が狭くなる傾向があり、また、音場の全体の歪みを補正しすぎることもよくありました。iFiの3D Holographicシステムはこれを回避し、音場の幅の広がりを実現するのです。これらのモードはまた、空間感の貧困な録音のイメージングを増強するのに用いることもできます。

XBass - 低域補正システム

録音や使用するヘッドフォンが異なれば、周波数レスポンスも異なります。XBassはアナログ信号処理(ASP:Analogue Signal Processing)回路です。これは、音質的にはデジタル信号処理(DSP:Digital Signal Processing)システムよりも優れています。XBassはヘッドフォンやスピーカーの低域の不足を補正し、希望通りのレベルが実現できるように設計されています。伝統的なトーンコントロールやラウドネスコントロールではなく、10/20/40Hzで最低でも12dBのブーストを実現します。

レファレンスクラスの部品品質

Pro iCANはTDKの日本製COGタイプのキャパシターとVishay MELFタイプの薄膜抵抗器を使用しています。そして日本のPanasonicのECPUフィルム・キャパシターがこれを補強しています。ECPUフィルム・キャパシターは明らかにオーディオ用に設計されており、きわめて低い歪み率(<0.00001%@1V/10kHz)を示します。

電源部にはエルナー社の日本製シルミックIIキャパシターを使用しています。これらのキャパシターは特製のシルク繊維紙を使用して孤立したバリアを形成するので、奇数次歪みが減少し、マイクロフォニック及びメカニカルな共鳴が減少するのです。

ご覧いただけばわかりますが、Pro iCANは特別に高品質な部品が4層のプリント基盤にぎっしりと詰め込まれているにもかかわらず、信号経路の配置とアースには究極のトポロジーを示しています。

これ以上「開発すべき土地」は残っていないのです。iFiのフラッグシップという重責に真にふさわしいものなのです。

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