次世代真空管Nutubeの魅力
真空管と言えば、大飯食らいでしかも今となっては高品質な物の確保が困難、でもギターアンプだけは真空管は絶対に外せない、こんなイメージです。個人的にギターアンプとしてはLINE6のPODに始まり様々なギターアンプシミュレーターに触れてきましたが結局BlackStarの1W真空管アンプが一番馴染みます。
そこにきて少し前にKORGからNutubeという次世代真空管を発表されました。暫くギターアンプから遠ざかっているうちに様々なNutube搭載製品がリリースされているのですね。
代表的なものはビートルズやクイーンで有名なVOX社のMV50シリーズでしょうか。ヘッドアンプだけでも5種類ものバリエーションがあります。
もう一つ外せないのが故スティーヴィー・レイ・ヴォーン(大好きなギタリストの一人です)愛用でも有名なチューブスクリーマーの最新機種NTS(NU TUBESCREAMER)です。※IbanezのサイトよりNTSの画像を転用しました。
上記の2機種は次世代真空管Nutubeのフィーチャーを適格に現しています。
MV50は小型(真空管の30%以下)のNutubeで実現した手の平に乗る超小型のヘッドアンプです。
NTSは省電力(真空管の2%以下)のNutubeで実現した電池駆動のギターエフェクターです。
Nutubeの特徴
大幅な省電力化:小さな形状にすることにより、大幅な省電力化に成功し、従来真空管の2%以下の電力で動作するため、電池動作も容易
リアル真空管サウンド:3極管構造を有し、真空管独特の心地良いサウンドと優れたリニア特性を実現
小型:容積比で従来の真空管に対し30%以下
高信頼度、長寿命:日本製、連続期待寿命 30,000時間
過去の真空管の問題点をクリアし真空管サウンドの魅力を継承した次世代真空管Nutubeが搭載されている点はKORG Nu Iの大きな魅力の一つです。
好みで使い分けられるNutube HDFC
KORG Nu Iに搭載されたNutubeは、Off/I/II/IIIの4段階に切り換えることで音楽ソースによって最適な効果を得られます。
Offを除く I/II/IIIで倍音成分が付加される度合いを変えられるとのことで、サイン波を録音してスペアナで比較してみました。
HDFC : off
HDFC : II
HDFC : I
HDFC : III
いかがでしょう。この図だけでは極僅かな差にしか現れませんでしたが実際に出てくる音(特に最大効果の”III”では)は違いがはっきりわかります。抽象的な表現で申し訳ないのですが、立体感が生まれ輝きが増します(このような表現は時に誤解を生むのであまり使いたくないのですが。。。)。是非、実際に聴き比べて効果の程を確かめてみてください。(サンプル音源のアップも検討しています)
デジタル、アナログを問わずあらゆる音源に適用可能
KORG Nu I をシステムに加えると、モード切換スイッチにより真空管サウンドの魅力を様々な音源に適用することができます。
3系統入力のアナログモード
KORG Nu Iをアナログモードで使うと3系統のアナログ入力を切り換えてNutubeによる真空管サウンドを付加することができます。
リアパネルにアンバランス(RCA)、バランス(XLR)、フォノ(RCA ,GND)の3系統入力端子がありますから、CDプレーヤーやレコードプレーヤー、アナログテープレコーダー等の他にもDACのアナログ出力を接続してKORG Nu I を真空管プリアンプとして利用できます。レコードの場合はMC/MMカートリッジ対応のフォノイコライザーが搭載されているのも嬉しい仕様です。アナログモードでプリアンプとして利用する場合にPCを接続する必要はなくスタンドアローンで動作します。
USBモード
KORG Nu-1はUSBモードにすることでPCに接続するUSB DACとして利用できます。
KORG Auio Gate を利用する他にもJRiver Media Centerをはじめとする再生ソフトやYoutubeなどあらゆるPCのサウンドを真空管テイストで味わえるようになります。
まとめ
KORG Nu I はアナログ資産をDSD11.2MHzでデジタルアーカイブできるDAC/ACDとしての魅力の他にも、次世代真空管Nutubeによる真空管プリアンプとしてあらゆる音源に真空管サウンドのテイストを味わえるようになるという大きな魅力があります。個人的に真空管は専らギターアンプでしたが、今回Korg Nu I を使ったことでオーディオとしての真空管の魅力がいくらかでも理解できたように思います。PC接続に無縁な方にもおすすめです。アナログも見違えります。
試聴で特に印象的だったレコード Cathing the Sun / Spyro GyraをSpotifyで紹介します。
[https://open.spotify.com/album/4J8OvfN30jJwXNvJNQuxn7?si=JEBTbe_GSiaNu7wHwGGGPg]
このアルバムは聴くたびに感心するのですが、40年程前に作られたとは思えない実に素晴らしい音質です。勿論、曲良し、演奏良し、おまけにジャケ写良しです。