正規輸入品
製品情報
XI Audioは2017年にMichael Xiaoによって設立されました。長年の放送機器をはじめとした業務機のマネジメントを手掛けていた彼が手掛ける製品は、業務機としての質実剛健さに加え音楽を楽しむためのエッセンスが組み込まれています。業務機、民生機、あらゆるオーディオ機器がたどり着くことが出来なかった”真実の音”を表現するのが最大の目標です。
XI Audioのアンプのボリュームは、全て11時(XI)の位置からスタートします。これは普通のアンプはボリューム位置がおおよそ11時よりも上で使うことを想定して設計されているのに対して、XI Audioは絞り切りでさえそれらの性能を超えているという自信の表れです。
特徴
- 妥協がない部品選定と厳密な回路設計
- アルミ製のパネルと本体
- 1/4″ (6.3 mm)アンバランス駆動と4 pin XLR, 3 pin XLR x2 バランス駆動に対応
- ALPSのVRを使い、11時(XI)の位置からスタート ※普通のアンプはおおよそボリューム位置が11時よりも上で使うことを想定して設計されていますが、XI Audioは絞り切りの位置でさえ、それらの性能を凌駕します。
- ヘッドフォンの損傷を防ぐ、電源切り替え時のタイマー式リレー保護回路搭載
- 専用電源を接続するための丸形電源端子(後日発売予定)
仕様
入力端子 | RCA1系統 |
出力端子 | 1/4″ (6.3 mm), 4 pin XLR, 3 pin XLR x 2 |
ゲイン切り替え機能 | 10dB(Low), 16dB(High) |
出力パワー | 2.1W(2100mW) (46Ω負荷) |
インプットインピーダンス | 10kΩ |
入力感度 | 1V |
THD | 0.0006%(300mW出力時) |
ノイズフロア | -110dBV |
サイズ | 24 x 29.3 x 13(cm) |
重量 | 4.8kg |
カラーバリエーション | シルバー、ブラック |
※受注生産
※上記仕様は製品品質向上のために予告なく変更する場合がございます。
駆動力が足らないと思った時、XI Audioなら強力なパワーが得られます。
新ブランドが世界へ真実の音楽を表現する。ソリッドステート・デュアル・モノアンプは、信じられないスピードで透明度の高い音を出力します。BassやDrumsの鋭いアタック、CymbalとStringsの美しくも滑らかなチューブライクな余韻は経験したことのないものです。Formula Sは超優秀録音と応答性が高いヘッドフォンのためにチューニングされています。申し分がないほどバランスがよく、クリアで滑らかに音源を表現し、優れた低域を出すアンプです。シンプルでありながら素晴らしい、あなたのシステムに欠かせないものです。
“XIAUDIO ‘Formula S’ high purity Headphone amplifer”, Abyss Headphones CEO, Joe Skubinski
設計ストーリー
長年業務向け音響のマネジメントをしていた私たちがなぜヘッドフォンアンプを作ろうと思ったのか、きっかけはやはりJPS LabsとAbyssの社長Joe Skubinskiです。初めてJoeとAB-1266ヘッドフォンと出会ったのは2014年1月のCES Showでした。この出会いは昨日のことかのように思い出すことができます。私たちが業務機の経験をもとに初の民生機を出すことになり、そのCES ShowではJoeと私たち、他のいくつかのブランドが1つのVenetian hotelのルームをシェアしたのです。JoeはNew Yorkなまりのある英語でおしゃべりをしていました。しかし、そのJoeよりも関心を引いたのはAbyss AB-1266です。こんなヘッドフォンがあるとは、とびっくりしてしまいました。
このAB-1266で音楽を聴くと、自然と目を閉じて、思わず体が音楽のリズムに合わせ、揺れてきました。止められませんでした。2014年 AB-1266がヘッドフォン市場へ一石を投じ、ダイナミック、透明度、サウンドスデージ、想像できないエネルギー、聞いたことのない低域、静電型システムと比較できる細かいディテール等々、今までのヘッドフォンで実現できなかった要素を、全て高い次元で実現できていました。
しかし、良いヘッドフォンには欠点があるもので、このAB-1266は想像できないほど良い音が出るものの、一方、想像できないほど駆動しにくいのです。その時は電源分離型のWoo Audioの真空管アンプで駆動していました。そのアンプは何十キロもあり、移動するには何人も必要なほどの物量でした。
2016年、色々な偶然ときっかけで、私たちはAbyssとJPS Labsの代理店となり、その時AB-1266をうまく駆動できるヘッドフォンアンプを作ることに決心しました。AB-1266がいくら良いヘッドフォンであっても、駆動できるヘッドフォンアンプが無ければ意味がありません。今のFormula Sとなる前に、約50回のチューニングが必要でした。
JoeはこのFormula Sを気に入り、自ら機器内部配線のJPS Labs ケーブルを選定し、本体にWired with JPS Labsのマーキングを許可してくれました。そのケーブルがFoumula Sの完成度と音楽性をさらに高めて、Formula SとAB-1266がベストカップルとなったのです。
スピーカー用のプリ/パワーアンプとヘッドフォンアンプの設計は違い、全く違う分野だと思います。ここでスイス NAGRAのChief DesignerであるPhilippe Chambonにも深く感謝しないといけません。彼が回路設計のコツを一切留保なしに指導してくださいました。彼のお陰でいろいろな発想ができるようになりました。ここ数年、会うたびに回路設計の基本から、テクニカルなディテールまで話し合い、大変勉強になっています。彼がいなければ、Formula Sが新しいブランドの初めての作品で、ここまでHigh-End市場でトップクラスのヘッドフォンアンプとして評価されることはなかったでしょう。改めてこの場で感謝します。
Formula SでAB-1266を駆動する意義
AB-1266は駆動しにくいヘッドフォンのため、ユーザーは一般的な出力の大きいアンプと組み合わせがちです。結果としてAB-1266が粗く聞こえる、キツイ、いわゆるアメリカンスタイルな音だと思われてしまいました。これはいけない!ふさげた話です。このような感想が出るのは、そのアンプは出力が大きいだけで、制御力なんかを重要視していないせいです。AB-1266そのものは綺麗な音で、透明感も高く、繊細な部分まで伝えるヘッドフォンです。AB-1266の真価をFormula Sの組み合わせでようやくユーザーに見直していただきました。彼らはサウンドスデージの広さ、繊細クリアーな音、驚くほどのエネルギー感、何を言ってもやはりその低域に感心していました。
Formula Sで鳴らせばAB-1266をアメリカンローカルの筋肉マンサウンドだという人はいないでしょう。
なぜバランス入力ではないのか
Formula Sについてよく聞かれるのは、なぜバランス入力ではないのか、ということです。簡単に言うと、シングルエンドからバランスに変えるには、コストが倍になるのにもかかわらず、増幅モジュールをLRで2つ増やすだけでしかないのです。
バランスのとれた平衡構造は、偶数高調波は打ち消すものの、奇数高調波が重畳し、最終的に奇数高調波の割合が増加します。聞くとさらにHiFi、音がさらに”素直”になります。しかし、一方で音が硬くなり、繊細な表現を失ってしまいます。またアンプの出力が大きければ大きいほど影響が大きくなるため、ハイパワーアンプではこの方式はふさわしくないでしょう。バランス入力に対応しているハイエンドアンプをよく見ると、内部はバランスではなくシングルエンドだったりします。
Fomula SはA級なのに、なぜ熱くならないのか
またこのような質問を受けたことがあります。
Formula Sは本当にA級アンプですか、なぜそんなに熱くならないのですか。
Formula Sはもちろん純A級アンプですが、出力は約2W+2Wで、4Wをちょっと超えたくらいです。設計効率は約20%、消費電力は20Wちょっとです。温度が高くならないように設計しており、長い間使えるようになっています。あるA級アンプが卵を焼けるくらいの温度にさせるのはやりすぎではないかと思います。効率を低くさせたところで、音質がよくなるとは限らず、またこのように熱くさせたら、使われた高価な部品の寿命問題が浮上し、長期的な耐久性が心配です。
Formula Sの設計追求は回路の仕組みだけではありません。部品1つ1つを動作タイミングが1番いいところで使うべく、温度まで追求し、お互いの相性を何回も実験しながら、やっと相性が最高の部品選定を達成したのです。XI Audioは回路設計だけのいい製品はただ単のよくある機器だと思っています。
Formula Sでは、私たちが長年積み重ねてきた業務機への経験とハイエンドオーディオ機器の新解釈を用いて、良い相性を具体的に実現することができました。このセンスが機器に魔法を加え、機器が機器の枠組みを超え、魂がある音楽を再生するための重要な役割を持つようになるのです。
MOS-FETかBJT(バイポーラ・トランジスタ)か?
オーディオ愛好家の方々は誤解なされているではないかと思います。MOS-FETは真空管みたいな音、要するに滑らかで暖かい音だとよく言われますが、それ勘違いだと思います。MOS-FETの入力抵抗は真空管と同等レベルですが、寄生容量は真空管の何倍もあり、比較になりません。MOS-FETを使えば真空管みたいな音がするわけではないと思います。よくできている真空管アンプはもちろん良い音がしますけど、バイポーラトランジスタは、MOS-FETよりはるかに優れた素子です。
Formula S
Formula Sはリファレンスクラスの回路設計、構造のディスクリート, A級、そしてBJT出力のソリッドステート・シングルエンド(Solid State Single End)アンプです。従って、Formula Sと名付けしました。
Formula Sがシングルエンドの仕組みで、巨大な駆動力でありながら、制御力を持ち、繊細なサウンドを実現できて、私は一デザイナーとしてとても満足しています。
Formula Sと駆動の難しいヘッドフォンを組み合わせて聴いてみてください。個人的にも好きなHE1000 V2、抵抗の高いHD800といったヘッドフォンとも相性が良く、サウンドスデージが広くなり、中域の密度が出て、HD800にも低域があることが分かります。Formula Sは駆動力が求めているヘッドフォンの最高のパートナーなのです。