Macでは既に世代交代して姿を消したiTunesですがWindowsでは今も現役です。iTunesユーザーはCDリッピングにもiTunesを使っているのではないでしょうか。
この記事では、レンタルCDや古くなったCDなど状態が決して良くないCDをiTunesのリッピングに任せて大丈夫なのかを確認した結果を書いています。できることならCDは他のリッピングソフトを使った方が良さそうです。
試したiTunesのバージョン:12.11.3.17
iTunesのCDリッピング設定
読み取ったCDを音楽ファイルに変換する時の保存形式は、「読み込み設定」画面で指定しておきます。読み取りエラーが発生した時にエラー訂正するかどうかもここで設定します。
「読み込み設定」画面は「編集 > 環境設定」メニューで開く画面の「一般」タブの中にある「読み込み設定」ボタンから開きます。
CDを取り込む際のファイル形式を指定する手順
- 「編集 > 環境設定」メニューをクリック
- 「一般」タブの「読み込み設定」をクリック
- 「読み込み方法」を選択
読み込み設定
読み込み方法
CDを読み込んで作られる音楽ファイルの形式は、「読み込み方法」で指定します。例えば「AACエンコーダ」を選ぶと.m4aファイルが作られます。次の4つの形式から選択することができ、「設定」で各形式の詳細を設定します。
読み込み方法(音楽ファイル形式)
AACエンコーダー | m4aファイル |
AIFFエンコーダー | aifファイル |
Apple Losslessエンコーダー | m4aファイル |
MP3エンコーダー | mp3ファイル |
WAVエンコーダー | wavファイル |
エラー訂正
オーディオCDの読み込み時にエラー訂正を使用 | 有効/無効(チェックボックス) |
PureReadドライブの動作検証
PureReadのパーフェクトモードがiTunesのリッピングで動作するかどうかを確認しました。
リッピングするCDは、CueRipperとPureReadのパーフェクトモードでリッピングを中止する下記のCDを使っています。ファイル形式は、後にWaveCompareでファイル比較することを想定してWAV(WAVエンコーダー)にしています。
- ドライブ:Pioneer BDR-XD005W2
- ソース(CD):Torio/Dolly Parton, Linda Ronstadt & Emmylou Harris
- ファイル保存形式:WAV(16bit/44.1kHz stereo)
- iTunesのエラー訂正:無効(チェックオフ)
※PureReadの動作確認が目的ですから、iTunesのエラー訂正は無効にしています
パーフェクトモードの動作説明:
パーフェクトモードは、状態の悪いCDで読み取れない箇所に差し掛かると、その時点でリッピングを中止するというPureRead独自の機能です。
PureRead以外の一般的なリッピングは、エラー訂正を試みても読み取りに失敗する箇所のデータは補間(前後データから推測で割り出した値を代入すること)されます。※補間処理できないような決定的なダメージがCDにある場合はリッピングは中止されます
リッピングした結果
トラック10で読み取り速度が急激に落ちて、その後最後までリッピングし終えました。
他のCDリッピングソフト(CueRipper)ではパーフェクトモードでリッピングを中止するCDが、iTunesでは中止されないという結果となったわけです。
つまり、iTunesのリッピング機能はPureReadのパーフェクトモードは正常動作しない(可能性がある)ということになります。※他のCDでは異なる結果になるかもしれません
今回はiTunesのエラー訂正をオフにした場合のみの検証でしたが、過去に同じCDをエラー訂正オン/オフ各々で検証したことがあるので、以下も参考にしてみてください。
過去に行った動作検証メモ
iTunesでリッピングしても同じ結果になるか?確かめてみました。リッピング元のCDは同じアルバム「Trio」です。
はじめに、PureRead:パーフェクトモード、iTunes:エラー訂正オフでリッピングしたファイルをCUERipperでリッピングしたファイルと比較しました。
結果は、11トラック中でトラック2とトラック6の2つのファイルが一致しませんでした。本来ならパーフェクトモードでリッピングしたファイルどおしは一致するはずです !?
次に同じくパーフェクトモードでiTunesのエラー訂正をオンにしてリッピングしてみました。
こちらの結果も先程と同じで、トラック2とトラック6の2つのファイルが一致しませんでした!?
(共にパーフェクトモード)
念のためエラー訂正オン(iTunes)の場合とオフ(iTunes)の場合を比較すると、全トラックで一致しました!?
エラー訂正してもしなくても同じ結果になるとはどういうこと?
さて、この結果をどう見るか。
まず、iTunesの場合はCUERipperと異なりエラー訂正オン・オフに関係なく1回ですんなりとリッピング出来ています。これはパーフェクトモードの動作をスルーして早い見極めで補間処理しているのではないか?という疑問が残ります。
また、エラー訂正オンの場合、通常は読み取り辛い箇所に差し掛かるとディスクの回転速度が落ちるのですがそんな様子もなく快調に処理していました。これも上記と同様に早い見極めで補間処理しているのではないか?という疑問が残ります。
更に、エラー訂正オン・オフに関係なく同じトラック(ファイル)が CUERipperと異なった点も疑問ですし、エラー訂正オン・オフ(iTunes)の2パターン間の比較では一致した点も疑問です。
結局、このCD「 Trio」に限っては iTunes のリッピングの挙動を理解することができません。
このような検証は実は過去にも行ったことがあり、それ以降 iTunesでリッピングすることはなくなりました。念のため補足しますが、全てのCDでiTunesのリッピングを疑っているわけではありません。状態の良いCDなら問題ないと思います。
※ iTunes はバージョン12.6.2.20を使用しました
まとめ
正確なリッピングを目的にPureReadのパーフェクトモードを使うなら、iTunesでリッピングしない方が無難だと言えます。WindowsならCueRipperをおすすめします。
iTunesでCDから取り込んだファイル比較については別記事にも掲載しているので参考にしてみてください。