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XI Audioは2017年にMichael Xiaoによって設立されました。長年の放送機器をはじめとした業務機のマネジメントを手掛けていた彼が手掛ける製品は、業務機としての質実剛健さに加え音楽を楽しむためのエッセンスが組み込まれています。業務機、民生機、あらゆるオーディオ機器がたどり着くことが出来なかった”真実の音”を表現するのが最大の目標です。
XI Audioのアンプのボリュームは、全て11時(XI)の位置からスタートします。これは普通のアンプはボリューム位置がおおよそ11時よりも上で使うことを想定して設計されているのに対して、XI Audioは絞り切りでさえそれらの性能を超えているという自信の表れです。
製品情報
フルバランスプリアンプ
Formula P1000 設計背景
私、XI AUDIO主催のMichel Xiaoは2000年頃から、アクティブスピーカーGenelec 1030Aを使っています。その時は1030AがTEC受賞スピーカーでもあり、書斎に使うちょうどいいサイズでもあったのです。今まで十数年使っていく中でエージングも進んで、音がなじんできたように思います。ただ、モニター的な部分ではなく音楽の感動を上手に再生してもらうためには、さまざまな工夫が必要でした。特にパワーアンプ付きスピーカーともいえるアクティブスピーカーの音を決めるプリアンプは、複数のメーカーのものを試しました。
その結果、たどり着いたのは2008年に自作した真空管のプリアンプです。真空管で整流し、5687で電圧を安定させ、増幅回路と出力にECC81とECC82を使ったものです。最大出力が94.5Vrmsもあり、音が陶磁器のように輝いて滑らかな音です。ただ、自己満足としてはいいですが、商品化するまでのクオリティではありませんでした。
自作した真空管プリアンプの経験を用いて制作したのがA級動作、フルバランス、左右分離、DC増幅、ディスクリート回路設計のFormula P1000です。真空管プリアンプに対してスペックはいうまでもないことですが、更に音楽性の高さが際立っていると自負しています。長年使用したモニタースピーカーである1030Aから、品位が高く、感動を生むハイエンドスピーカーの音がするのです。
Formula P1000は、ボーカルの帯域が厚く、楽器が奏でる音から楽器自体の振動まで細部にわたり再生できるほど分解能が高く、音楽の生々しさを再現し、高域から最低域までフラットであり、またダイナミクスもあり、私の最高傑作であると自負しています。
Formula P1000は現在デジタル機器の出力レベルがやや高くなっている傾向に合わせて、ゲインを一般的なプリアンプよりも低く設定しています。11時から始まるXI AUDIOのボリュームを上げ気味にして音楽をお楽しみください。
アンプの設計概念を生かした電源回路
ICを使わず、ディスクリート方式設計にこだわるXI AUDIOははパワー部にMOS-FETを使っています。アンプ設計の概念で、電源回路の音を調整しています。MOS-FETを使った電源は真空管のようになめらかな音がするのです。
P1000はフルバランスのため、L/R Hot/Coldの合計で4つの出力があります。それぞれ別電源仕様とするために4つの出力を持つ電源を設計しました。
フルバランス、ディスクリート、A級動作
P1000は、ディスクリート設計を実現するために、400個以上の部品を用い、全部部品の環境温度、動作温度、電流、電圧といった部品特性を一つ一つ細かく測定し、ユーザの実際使用環境を想定しながら、一番最適な組み合わせを選び出しました。また、回路構成、配線を最適化した結果として、筐体はコンパクトなサイズになっています。
Formula P1000の出力は、駆動力に優れているプッシュプル回路です。プッシュプル回路はバイアス電流によって、A級動作とB級動作に分けることができます。AB級動作はその中間です。B級動作は、シンプルかつ信頼性が高い、一般的な方式です。
出力段TR1が信号のプラス側を担当し、信号がマイナスの時はオフになります。
出力段TR2が信号のマイナス側を担当し、信号がプラスの時はオフになります。
信号電流は緑の矢印のように流れています。どのような場合でも一つのトランジスタしか動作せず、相互に干渉しません。一見、問題なく動作しているように見えますが、実は、各トランジスタは頻繁にオン/オフ動作を繰り返す必要があります。複雑な音楽信号では、非常に悪く聞こえるし、理想的な動作とは言えません。したがってオーディオ製品には、B級動作を採用しないことが共通認識となっています。
TR1とTR2はオフになりません。TR1とTR2はプラスとマイナス、どちらの時も信号電流を制御します。同時にさらに大きい電流が常にTR1とTR2にかかっています。これにより、各トランジスタのオン/オフ動作を避けることができ、音の滑らかさを高めることができます。A級動作とB級動作の音色の違いは容易に聞き分けられます。
A級動作で一番重要なのは、バイアス電流をどの程度の量にするかを決めることです。ヘットフォンアンプやパワーアンプなら、バイアス電流は出力信号の電流よりやや大きくすれば問題ありません。さらに電流量を大きくすると、音はよくなりますが、発熱が深刻になり、使用するトランジスタは本来必要な特性より倍以上の特性を持つものを用意しないと安定動作しません。したがって、一般的によく見られるA級動作のヘットフォンアンプとスピーカーアンプが必要最低限のバイアス電流による”浅層A級動作”です。
Formula P1000はプリアンプであり、スピーカーをドライブするのは後段のパワーアンプですから、必要な出力信号電流はそれほど高くありません。これによりFormula P1000は究極的に音質を追求する回路設計を採用できました。P1000のバイアス電流を本来必要な出力信号電流の10倍にしたのです。動作状態は”極深度A級動作”です。また逆に言えば信号電流はバイアス電流の1/10となりますからFormula P1000は滑らかに動作しています。音質傾向は鮮度が高く、歯切れのいい、濃厚な音です。これが世の中にめったにない”極深度Class A”ならではの音なのです。
入力は2系統、配線長を最短とするために、あえて入力切替スイッチを背面に設置しました。出力ゲインは2段階切替の6dBと15dBを用意しました。昨今のデジタル機器の高出力レベル化にあわせ、やや控えめなゲイン設定を採用しています。
製品の仕様
入力端子 | XLR 2系統 |
出力端子 | XLR 1系統 |
ゲイン切り替え機能 | 6dB(Low), 15dB(High) |
入力インピーダンス | 10kΩ |
周波数特性 | DC – 100 kHz |
THD+N | 0.0005% (A-weighted) |
S/N比 | 125dB |
最大出力レベル | 15Vrms |
AC電源入力 | 100V |
消費電力 | 9W |
サイズ | 360 x 75 x 160 mm(W/H/D) |
※受注生産
※上記仕様は製品品質向上のために予告なく変更する場合がございます。